何者 の商品レビュー
小心者が読むとホラー小説。新感覚の信頼できない語り口だった。一気に読むのが良いかと、というか面白くて一気に読んでしまうことになるかも。
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ダメな自分を認めたくない、少しでも高く評価してほしいと薄っぺらな知識の鎧を着て面接に挑む若者たち。がんばっている人をかっこ悪いとばかにするのは、がんばれない自分への言い訳だと気づいていない。仲のいい友達にもちょっとした意地悪な感情は芽生えてしまう。誰にでもある負の心がみごとにあぶ...
ダメな自分を認めたくない、少しでも高く評価してほしいと薄っぺらな知識の鎧を着て面接に挑む若者たち。がんばっている人をかっこ悪いとばかにするのは、がんばれない自分への言い訳だと気づいていない。仲のいい友達にもちょっとした意地悪な感情は芽生えてしまう。誰にでもある負の心がみごとにあぶりだされていますね。面接なんて、かえってなんの鎧も着てない人の方が通ったりしますよね。ダメな自分を認識し、人に何と思われようとがむしゃらに頑張る人の方がいいですよね。
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あーおもしろかった!終盤につれてどんどんと体温が上がっていくのを感じた。 序盤はツイッターの文章と現代、過去の時系列がよく分からなくなったりしてたのだが、それは伏線であり読み切るころにはすべてがすっきりと収まってしまった。 就活、SNSを物語の軸として人間関係を描いたのはすごいと...
あーおもしろかった!終盤につれてどんどんと体温が上がっていくのを感じた。 序盤はツイッターの文章と現代、過去の時系列がよく分からなくなったりしてたのだが、それは伏線であり読み切るころにはすべてがすっきりと収まってしまった。 就活、SNSを物語の軸として人間関係を描いたのはすごいと思った。 主人公と自分は似ているなあ、と感じた。努力している人を笑い、かっこばかりつけて泥にまみれられない自分のちっぽけなプライドを守ろうとしているところなんかとくにそう。 この物語のほとんどは主人公の人間観察による一人称で書かれており、それがのちの展開へとつながる。 隆良や理香みたいなタイプは私もあまり得意ではない。けど、勝手にその人にレッテルを貼って、それ以上見ようとしないのはもっと悪い。結局、自分自身のことが一番見えていないのだ。 P299〜はぜんぶ自分自身に言われているように感じた。 想像力。人を決め付けず、その行動・言葉・表情にあらわれる全てを受け止めていきたい。 そして、何者にもなれない自分をまずは認めていきたい。
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朝井リョウの直木賞受賞作。 一気読みしてしまった。 就活している若者5人の姿を描いているんだが、人間なら誰しもが持っている心の暗部を上手く描いてる。いやはや脱帽してしまった。 語り手である二宮拓人・・・物語の中で、「んっ?」と思わせる行動もあるんだが、好感を持てる人物として描か...
朝井リョウの直木賞受賞作。 一気読みしてしまった。 就活している若者5人の姿を描いているんだが、人間なら誰しもが持っている心の暗部を上手く描いてる。いやはや脱帽してしまった。 語り手である二宮拓人・・・物語の中で、「んっ?」と思わせる行動もあるんだが、好感を持てる人物として描かれている。それが、ラスト近く、この語り手も人間の暗部を持っていたことがわかり、なかなか衝撃的だった。「んっ?」と思わせる行動が、上手い伏線になってる。下手なミステリーよりも、よっぽど世界観が暗転してしまった。 光太郎が一番、純粋な心を持ってたのかなぁ・・・。 ラストは、ハッピーエンドで大団円って小説じゃないけど、何度も読み返してみたくなる気がする。 ☆5個 背表紙より~ 就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから。端月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が彼らの関係を次第に変えて・・・。
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朝井リョウさんの作品は何故かスラスラ読めてしまう。今回も面白かったです♪ そして、朝井さんは私より下の世代ってことにズキズキくる。就活懐かしぃなぁとか、ツイッターとかやってないしとか^ ^; 作品として楽しませていただきながら、ツイッター世代の考え方を学ばせていただきましたw
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「あー、わかる、わかる。」って学生のころを思い出してさ。ダサいとかカッコ悪いとか言って、拓人(主人公)と同じ観察者なんだ。自分。 別の自分作ってて、がむしゃらに何かをしたことがない。恥ずかしいって思ってしまってる。 自分は物語とは全く違う環境や友人だけど、こころのなかを見透かされ...
「あー、わかる、わかる。」って学生のころを思い出してさ。ダサいとかカッコ悪いとか言って、拓人(主人公)と同じ観察者なんだ。自分。 別の自分作ってて、がむしゃらに何かをしたことがない。恥ずかしいって思ってしまってる。 自分は物語とは全く違う環境や友人だけど、こころのなかを見透かされたような気がした。 自分を頑張ろうと思う。
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若い頃ってなんであんなに人と違う生き方を格好いいと思ってしまうんだろう。今ではすっかり平凡な毎日に憧れるのに。と感じさせた一冊。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
瑞月さんは言った。「がんばらなきゃ」と。それだけが事実だと、俺は思った。 もっともっとがんばれる、じゃない。そんな、何も形に成っていない時点で自分の努力だけアピールしている場合じゃない。何のためにとか、誰のためにとか、そんなこと気にしている場合じゃない。本当の「がんばる」は、インターネットやSNS上のどこにも転がっていない。すぐに止まってしまう各駅停車の中で、寒すぎる二月の強すぎる暖房の中で、ぽろんと転がり落ちるものだ。
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これ、すっごい!全ての、10代以降の人に読んでもらいたい!観月さんの、線路の話はぐさっときた。なんとなぁく、そこに書かれていることで納得してしまうことって多いから、そこに選ばれなかった言葉のほうが大切、想像力、てとこはすごく納得。描写も良くて、観月が拓人に頑張らなくちゃ、と話すと...
これ、すっごい!全ての、10代以降の人に読んでもらいたい!観月さんの、線路の話はぐさっときた。なんとなぁく、そこに書かれていることで納得してしまうことって多いから、そこに選ばれなかった言葉のほうが大切、想像力、てとこはすごく納得。描写も良くて、観月が拓人に頑張らなくちゃ、と話すところは、すごいと思った。一気に読んだ。 2015\07\22読了。
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文庫本になってて思わず昨日買ってしまった「何者」。 それぞれ断片の描写がいろんな角度から入ってきて一瞬見失うけど、登場人物それぞれのキャラクターが絶妙に表現されていて一気に読み切れた。 就活を通してそれぞれの自己矛盾と向き合っていく様子に引き込まれた。
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