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下流老人 の商品レビュー

3.6

85件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2015/09/27

何年か前に西宮のイベントで登壇されているのを見たけど、最近になって生活困窮者支援で頻繁にメディアへ登場してはるNPO法人ほっとぷらすの藤田孝典さんのレポート。現場の状況をデータと照らし合わせて「下流老人」の存在とそれを生む社会構造を問題提供。社会保障制度ってそもそもそんなに詳しく...

何年か前に西宮のイベントで登壇されているのを見たけど、最近になって生活困窮者支援で頻繁にメディアへ登場してはるNPO法人ほっとぷらすの藤田孝典さんのレポート。現場の状況をデータと照らし合わせて「下流老人」の存在とそれを生む社会構造を問題提供。社会保障制度ってそもそもそんなに詳しく知らんよね、というのは老いも若いも同様に抱いてること。そこと地域のネットワークづくりを掛け合わせることが、隣保館の役割かもと具体な動きを妄想。

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2015/09/26

仕事柄、高齢者問題はチェックしているのですが、下流というのはどこかで他人事だと思っていました。いつ自分や家族が病気になるかわからないのに。。 著者も指摘していますが、富者と貧者、高齢者と児童、生命の重さは同じはずなのに優先順位をつけてしまう風潮がやはりこわいと思う。 身近なところ...

仕事柄、高齢者問題はチェックしているのですが、下流というのはどこかで他人事だと思っていました。いつ自分や家族が病気になるかわからないのに。。 著者も指摘していますが、富者と貧者、高齢者と児童、生命の重さは同じはずなのに優先順位をつけてしまう風潮がやはりこわいと思う。 身近なところで感じるのは、専門性を高める=蛸壺化になってはいけないということ。

Posted byブクログ

2015/09/17

年収400万でも、下流老人に陥ると言う。 どんなにお金があってもひとの不安は尽きないと思う。病気になれば多額の費用が飛んでいくし、結婚しなければ、ひとりでなんでもしなければならない。 逆に言えば健康面と住まいの不安が解決して、いっしょに楽しめる仲間や家族がいれば、解決するので...

年収400万でも、下流老人に陥ると言う。 どんなにお金があってもひとの不安は尽きないと思う。病気になれば多額の費用が飛んでいくし、結婚しなければ、ひとりでなんでもしなければならない。 逆に言えば健康面と住まいの不安が解決して、いっしょに楽しめる仲間や家族がいれば、解決するのではと思う。ただ下流予備軍の30、40代の非正規労働者やブラック企業で働くひとの現状を考えると今後はもっと酷くなるのでは。 村上龍さんの言葉にこの国にはなんでもある。希望だけがないと言うフレーズがありました。現在進行形で何も変わらない世の中は、怒りと哀しみしか生まれてきません。

Posted byブクログ

2015/09/16

今、話題の本。一気読み。著者による「下流老人」の特徴は1.収入が著しく少ない、2.十分な貯蓄がない、3.頼れる人間がいない(社会的孤立)であり、一言で言うと「あらゆるセーフティネットを失った状態」。このような老人が増えているのは、現在の社会構造に公共の制度が追いついてないためで、...

今、話題の本。一気読み。著者による「下流老人」の特徴は1.収入が著しく少ない、2.十分な貯蓄がない、3.頼れる人間がいない(社会的孤立)であり、一言で言うと「あらゆるセーフティネットを失った状態」。このような老人が増えているのは、現在の社会構造に公共の制度が追いついてないためで、「自己責任」や「自助努力」で解決できる問題ではない。これは人事でもなく誰もがなりうる問題であることを事例を通じて説明されているが、日々の日常臨床でも経験することである。もっと大きな問題は近い将来は年収400万円以下は下流化のリスクが高く、「一億総下流」の時代がやってくる可能性が高いということだ。帯には年収400万でも将来、生活保護レベルの暮らしにと書かれているが、生活保護基準がどんどん下げられている現状では、今後は生活保護でも健康で文化的な生活が維持できるかは保証できない。この問題は今後も含めた社会保障をどう考えるかという大きな問題である。現在、国を二分する問題で大きなソーシャルアクションが起こっているが、社会保障問題も同様にソーシャルアクションが必要な分野である。

Posted byブクログ

2015/09/16

高齢者はお金を持っていると昔は思ってていたけれど、それは家族(子供や孫)がお金や介護など生活全般の面倒を見ていたから年金で十分足りていただけだったらしい。 確かに核家族化していて同居するということは難しい。 貯金が三千万円あっても底をついてしまった実話も恐ろしい。 最近、介護や...

高齢者はお金を持っていると昔は思ってていたけれど、それは家族(子供や孫)がお金や介護など生活全般の面倒を見ていたから年金で十分足りていただけだったらしい。 確かに核家族化していて同居するということは難しい。 貯金が三千万円あっても底をついてしまった実話も恐ろしい。 最近、介護や認知症、老後の生活について凄く不安を抱いている。 そして、これを読んで更にそれは膨らんでしまった。 生活保護は確かに権利である。けれど今の国の現状ではどこまで耐えうるか。 「無料定額診療事業」「高額療養費助成制度」は覚えておく。 あとは、人とのつながりと貯金。 ため息しか出ない。

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2015/09/06

 この国は崩壊に向かっているんだろうなーということを実感する本。新自由主義や自己責任論が跋扈して、みんながある程度等しく豊かに、安心して過ごしたいと希望は踏みにじられていく。これだけ老後が長くなると、誰もが貧困に陥る可能性があるので、それを肌感覚で知っているので、若い世代は今現在...

 この国は崩壊に向かっているんだろうなーということを実感する本。新自由主義や自己責任論が跋扈して、みんながある程度等しく豊かに、安心して過ごしたいと希望は踏みにじられていく。これだけ老後が長くなると、誰もが貧困に陥る可能性があるので、それを肌感覚で知っているので、若い世代は今現在の消費に後ろ向きになる。そして経済は停滞する。  ただ、著者の提案する解決法は、概ねその通りだと思うが、生活保護を使いやすく・・・などはコストがかかりすぎる、と思う。行政は肥大化するばかりで、無駄なコストや癒着は増大するだろう。マイナンバーが導入された今だからこそ、ベーシックインカムを検討して欲しいと思うのである。    まず現状を知る、そのためのおすすめの本。

Posted byブクログ

2015/09/03

高齢者の貧困に歯止めがかからない。 著者は貧困の現場で活動しているNPO法人ほっとプラス代表理事。 「貧困問題」といえば、児童や女性や若者の貧困問題はよくメディアにも紹介され、非正規雇用やブラック企業の所得の搾取や過労死や生活レベルの低下とともに伝えられる。 著者によれば、...

高齢者の貧困に歯止めがかからない。 著者は貧困の現場で活動しているNPO法人ほっとプラス代表理事。 「貧困問題」といえば、児童や女性や若者の貧困問題はよくメディアにも紹介され、非正規雇用やブラック企業の所得の搾取や過労死や生活レベルの低下とともに伝えられる。 著者によれば、OECDが発表した日本の相対的貧困率は、16.1%(2012年)に達し、過去最悪。加盟国34ヶ国のうち、6番目に高い数値で、子供の貧困も16.3%(2012年)と高水準。 その水準により格差が固定し、生涯低所得の仕事にしか就けない人々が繰り返し生み出される危険性があるという。 しかし、問題はそれだけではなかった。 高齢者の貧困が止まらない。 非正規雇用で働いてきた人々だけではなく、銀行員や大企業の社員も全く例外ではないという。 いい会社に入り、コツコツ貯金して保険金など合わせて4000万円貯めたから年金と合わせて安心、という時代ではなくなってきている。それでもトントン、ジリ貧で乗り切れるかどうかというのが現状のようである。 つまり、日本の今の社会制度や営みや感覚が、ここまで高齢者で溢れる世の中を想定していないのである。 また、自己責任イデオロギーの蔓延により、様々な社会制度を受けようとすることに対しスティグマ感(恥辱感)が「オカミ」や世間に対して根強く残っているという。 年金だけでは生活出来ない場合、年金プラス生活保護という形もあり得るが、申請主義も手伝い、ハードルが高いように感じてしまう。 人とのつながり(関係性の構築を通じてのセーフティネットの構築)、メンタルケア、社会制度の利用、意識づけ、医療を受けやすくすること(重病化の阻止)、そして資産形成(貯蓄だけではダメ!)など、様々な網を張り巡らすことでその人は幸福に死んでいける。 どれが欠けてもいけないが、現状ではどれもが底抜けの状態にあり、貧困対策をほとんど何も政府も対策を打たないことから、全く解決の見込みはなく、益々酷くなっていくのは目に見えている。 げんざい、貧困状態にある高齢者への対策や、これから高齢者になっていく人たちへはその予防策も書かれている。 他国に対して強くありたいと願い、一部の特権階級やお友達の意見しか聞かない今の政府(リーダー)に、足元をしっかり見て、国民がどれだけ危機的状況にあるのか、そして現在の利権をどう整理し、再分配に充て、社会制度を新しく変えていくことを望むのは、短期的には絶望的に感じられる。 しかし、本書でも述べられているように、歴史をみれば、そんな状況でも「そんなことは出来ない」と言われながら社会福祉や制度を確立させて来た。 まずは現状を認識し、見たくなくても現実を直視すること。 そして、明らかに出遅れ(欧州では1970年代から政策が考えられている)感は満載だが、そこからそっぽを向いてしまうのではなく、変革の必要性を訴え続けていくしか、もう後に道はない。 「自立」とは、誰にも何にも頼らずに一人で生きていくことではない。依存できるものを数多く見つけ、互いに支えられる中で幸せに生きていけることだ。それぞれがバラ色の人生を送れるように、自助と共助をどちらも主体的にこなし、情報難民にならないように、より一層気をつけないといけないと思った。 みんな必ず年老いていく。 だから、考えることを止めず、互いを愛することを躊躇わずに、高齢者幸福社会を目指してみんなで歩んでいくべきだ。

Posted byブクログ

2015/08/27

「下流老人」とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」とあって、まもなく日本の高齢者の9割が下流化する、と本のそでにあった。どこからそういう数字がはじき出されたのか、結局わからんかったのだが、今後増えるだろうことは容易に想像できる。 下流老人を増やさない...

「下流老人」とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」とあって、まもなく日本の高齢者の9割が下流化する、と本のそでにあった。どこからそういう数字がはじき出されたのか、結局わからんかったのだが、今後増えるだろうことは容易に想像できる。 下流老人を増やさない為には・・・住まいの貧困を無くすという提言あたりは、良い着眼と思った。 何せ、日本の住宅政策は、戦後、住宅を消費財の対象として経済成長を続けることが出来たという歴史的背景があってここまで来ているんだそうだが、今やゴーストタウンと化したマンモス住宅や人の住んでいない廃家問題が表面化しているので、こういう問題とセットにして何とかならんのかねぇ?

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2015/08/23

下流老人というショッキングなタイトルに興味を持って購入。感想としては他人ごとではない。順調そうに見えていても、歯車がいったん狂えばどうなるかわからない。筆者が主張するように社会全体の課題として扱い、改善されていくべきと感じた。

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2015/08/09

 著者は、埼玉でホームレスなどの生活困窮者を支援しているNPO「ほっとプラス」の代表理事。「病児保育」の駒崎 弘樹や「ブラック企業」の今野晴貴と年齢が近く、次世代福祉系オピニオンリーダーの一人として注目されている。  「下流老人」とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐...

 著者は、埼玉でホームレスなどの生活困窮者を支援しているNPO「ほっとプラス」の代表理事。「病児保育」の駒崎 弘樹や「ブラック企業」の今野晴貴と年齢が近く、次世代福祉系オピニオンリーダーの一人として注目されている。  「下流老人」とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」で、現在その数600~700万人と推定され、今後も一層広がっていくと予想されている。  この本では、高齢者貧困問題の実態、発生要因、社会的影響範囲、予防策、制度的対策などが網羅的に記述されていて、全体像の把握に役立つ。読んでわかるのは、誰にでも下流化の可能性があるということ。そういう社会構造になっている。 老後の心配はまだ早い、あるいは既にいま生活が苦しく老後の心配どころではないと思っている若い人ほど今のうちに読んでほしい。社会構造を変えるには、若い人の政治参加が欠かせない。

Posted byブクログ