流 の商品レビュー
読み始めるまでは難しい話かと思っていました。 けれど難しいのは読み慣れない台湾や中国の人名や食べ物の名前くらいで、話自体はぐんぐん引き込まれあっという間に読み終えてしまいました。 当時の台湾の良くも悪くも雑多な感じや温度やにおいがダイレクトに伝わって来た気がしました。
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20世紀後半、蒋介石率いる国民党は共産党により中国から追い出され、台湾に逃れてきた。その結果、台湾では原住民と国民党との対立が起こる。 そんな社会で台湾の青年、葉秋生は今で言う「自分探し」に悩みながら喧嘩、恋愛、退学、入隊と青春時代を送っていた。しかし、彼が常に考えていたことは...
20世紀後半、蒋介石率いる国民党は共産党により中国から追い出され、台湾に逃れてきた。その結果、台湾では原住民と国民党との対立が起こる。 そんな社会で台湾の青年、葉秋生は今で言う「自分探し」に悩みながら喧嘩、恋愛、退学、入隊と青春時代を送っていた。しかし、彼が常に考えていたことはただ一つ、「誰が祖父を殺したか」だった。 祖父殺しの犯人探しというミステリー要素を含んだ台湾人の青春小説。台湾の歴史に流されながら、主人公は成長し、真実にたどり着く。 テンポの良い展開と意外な犯人の登場に楽しめる小説だが、台湾の歴史をよく知り、中華風の人物名に慣れればもっと楽しめるだろう。
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戦争によって殺し殺される関係、そこから生まれる数奇な運命。いや、数奇な運命はみんなそうなのかな。 恋愛、運命、歴史さまざまなことが絡み合い、それでも生きていく。久しぶりに芯のある小説を読んだなー
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突然、中森明菜のセカンドラブが出てきてビックリ。戦後台湾の日本と中国に翻弄される暗い小説と思っていたが違った。 少年が混沌とした世界を一歩ずつ大人に成長していくストーリー。 痛快で爽快。暴力と恋と家族と仲間がギュギュっと詰まった絶品。
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1970年代の台湾。戦争があまりにも近くに存在する事に驚く。日本も大きく関わる戦争の話しなのに、その頃の台湾・中国について何も知らなかった。祖父の死から繋がる物語の展開にぐいぐい引き込まれた。
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魚が言いました…わたしは水のなかで暮らしているのだから あなたにはわたしの涙が見えません 社会の大きな流の中を振り回される人々、同じ民族なのにちょっとしたことから敵味方になり、殺し合った。20年越しの怨念、(なぜ20年も待つ?)。日本人には、魚の涙が見えない? 私にも、今ひとつのめり込めなかった。
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舞台は、国民党と共産党時代の中国、台湾ですけど、戦争で引き裂かれた運命そのものを描いていて、あらゆる地域に通づるテーマの深さに身悶えした。 運命に翻弄されながら日々を生き抜く、更にその運命の元で産まれた次の世代になにを残すか、忘却は善か、罪か?連綿と続く人類の歴史の深さを感じた。...
舞台は、国民党と共産党時代の中国、台湾ですけど、戦争で引き裂かれた運命そのものを描いていて、あらゆる地域に通づるテーマの深さに身悶えした。 運命に翻弄されながら日々を生き抜く、更にその運命の元で産まれた次の世代になにを残すか、忘却は善か、罪か?連綿と続く人類の歴史の深さを感じた。西洋文化で描くと、映画true of lifeのような宗教になるんだろうなぁと。東洋文化の懐の深さと残酷さを感じた。日本そのものやな。
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台湾の歴史と共に台湾人である主人公の少年期から青年期を描いている。最後まで読むとこの主人公の未来よ幸せであれと乾杯したくなる気分になる。
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私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 直木賞受賞作品なのにけっこう面白い! だいたい先生方が審査員の受賞作品はあまり面白くないことが多いと思うのだけど、これはいい感じです。 もともと、東山彰良さんは好きな作家というのもありますが。 読み始めたところでは、あーいつもの受賞作っぽいな、なんかタルい感じだなあと読み進めにくく思っていたのですが、幽霊の話になる頃からあれちょっと面白いぞとなり、最後までなかなか楽しめる物語になっていました。 最後は少し尻切れトンボのような感じも受けましたが、実際は人生もそんなものかなとかえって趣き深いかも。 主人公のその時々の人生で起こることの捉え方が、瑞々しいのにわりと共感できる感じで、読んでいる間、気持ち良かったです。
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期待していたほどのものではなかったかな、正直に申しまして。その原因は文章というか文体にあるのではなかろうかと個人的には推察しております。だから選考委員絶賛という触れ込みも正直?ではあります。 ただ締め方はなかなか感じ入らせてくれます。皆思うようにいかない中でそれそれのやり方で精一...
期待していたほどのものではなかったかな、正直に申しまして。その原因は文章というか文体にあるのではなかろうかと個人的には推察しております。だから選考委員絶賛という触れ込みも正直?ではあります。 ただ締め方はなかなか感じ入らせてくれます。皆思うようにいかない中でそれそれのやり方で精一杯の選択をして生き延びていく、でもやっぱり上手くいかない。諦めるわけではなく、受け止めて進んでいく。歴史に翻弄された民という観点も上手く取り込まれているかと。 もう一つ付け加えるなら、多分特に近現代の東アジア民衆の苦しみ・災厄は誰がもたらしたものか解っているのか?というある意味アウトサイダーでもある(らしい)作家は問いかけているのではないでしょうかね。
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