流 の商品レビュー
台湾の歴史を知らなさすぎる私にはそもそも読む権利がない本かのかもしれない。 登場人物の名前が結構混乱しがちで、あれ、これ誰やったかなが結構あって難儀した。青春のたぎる所と、家族のこと、虐殺のことなどエンタメというには重過ぎるテーマだった。戦時中の話となるとやはりこういう重いもの...
台湾の歴史を知らなさすぎる私にはそもそも読む権利がない本かのかもしれない。 登場人物の名前が結構混乱しがちで、あれ、これ誰やったかなが結構あって難儀した。青春のたぎる所と、家族のこと、虐殺のことなどエンタメというには重過ぎるテーマだった。戦時中の話となるとやはりこういう重いものになりますよね。
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転がるように駆け抜けた青春の記録。 真面目な歴史物かと思いきや、笑える部分もあって意外と読みやすかった。 次から次へと起こる事件のエネルギーを持て余している感じと、それを穏やかに語る雰囲気の差が なんとも言えない切なさを生み出していた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
とてつもなく力強い。1970〜80年代の台湾が空気や匂いも含めて立体的に目の前に広がっていました。とても迫力がありました。 プロローグから面白く、小説で笑ったのは久々というほど、秋生の青春がとても面白く波乱に満ち溢れて、周りもなかなか曲者が揃っているため、 泥臭くも淡い日々、これぞまさしく男の青春を全て詰め込んだようでとても面白かっです。 台湾という国は本当に力強く、中国とは似て非なる国だとこの作品を読んで実感しました。中国とは何かが違う。国民性もどこか違う。同じではないというのが伝わる。祖国のために熱い気持ちはあるが、侵略などの野心ではなく、平和主義で自分達の基盤や土地、ルーツを守る事をとても大事にしている様に僕は映りました。中国は台湾を統一したいが、台湾から中国を統一したいという気概は感じない。他所は他所でうちはうち。台湾の人たちが日本に対して優しいのは、単に占領していたからとか恩があるからなどの理由以上に、この平和的な国民性が根底にあるのだろうと僕は考えました。 かなり辛く惨い描写もあるが、それも含めて当時では良くあるとまではいかないが、珍しい話ではないのかもしれないです。日本でもそれは同じで、アジアの70年代から80年代は、どこも何か力強いものがダーッと流れているような激動の時代なのでしょう。その混乱の中で様々な事が起こってしまう。それでも、人は地に足をつけて生きる力強さは失わない。この力強さが現代には少し足りないと思うので、今の時代にこそ、この作品を読めてよかったです。
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直木賞受賞作との事で気軽に手に取ってしまったが、難しかった!でも「つまらない」わけでは決してない。中国や台湾の歴史をきちんと勉強しなかった私が悪い。蒋介石率いる国民党と中国共産党の確執とか日本の台湾統治の時代の事やら、分かって読めたら、きっとこの歴史の疾走感にしびれたことだろう。...
直木賞受賞作との事で気軽に手に取ってしまったが、難しかった!でも「つまらない」わけでは決してない。中国や台湾の歴史をきちんと勉強しなかった私が悪い。蒋介石率いる国民党と中国共産党の確執とか日本の台湾統治の時代の事やら、分かって読めたら、きっとこの歴史の疾走感にしびれたことだろう。 戦争と政治。 一族の血、哀しみや誇り。 日本人の思想とは離れていて完全には理解できていないだろうが、読み応え十分な物語でした。 中国も台湾も子供の頃から政治が生活のすぐ側にある。 日本人は政治のことなんて何も分からなくても、迫害されることもないし、祖国日本を追われることもない。日本人として日本に生きることは、本当に恵まれた平和なことなんだなーと実感しました。
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台湾を舞台にした小説。1975年に何者かに殺された祖父を発見した秋生の半生を中心として描かれた物語は、当時の台湾と中国の情勢などを描きながら、泥だらけ傷だらけの青春小説であったり、幽霊が登場するホラー的な部分があったり、ミステリ的な部分もあったりします。激しく切なく、しかしどこか...
台湾を舞台にした小説。1975年に何者かに殺された祖父を発見した秋生の半生を中心として描かれた物語は、当時の台湾と中国の情勢などを描きながら、泥だらけ傷だらけの青春小説であったり、幽霊が登場するホラー的な部分があったり、ミステリ的な部分もあったりします。激しく切なく、しかしどこかしらユーモラスな部分もあって引き込まれました。 苦手な人は注意だけれど……ゴキブリ大量発生のくだりがなんだか笑えてしまったのは私だけなのでしょうか。ホラー的な怪奇現象でもあるはずなのだけれど、怖いというよりはあまりにぶっ飛んでいて笑いが。もちろん、あんなの目の当たりにしてしまったら恐ろしくて仕方がないはずです。 さまざまな苦難に見舞われる秋生の人生に寄り添いながら、やがてたどり着く祖父の死の真相。祖父自身の送ってきた苛酷な人生と、そしてまた祖父を殺した者の人生もまた重苦しいもので、ただし当時の情勢からすると彼らの行動にはある程度仕方のなかった部分もあるのかもしれないのですが。それを仕方なかっただけで済ませることができない哀しみが印象的でした。
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「流」(東山彰良)を読んだ。 え!? え!? な、何!? え!? という感じだったよ。 作品から溢れ出す熱き魂を抱きとめられるのかを試されていような読書体験。 すごいものを読んでしまったな。 お気に入りの一文をここに引く。 『それは素晴らしいことをたくさん予感させる、...
「流」(東山彰良)を読んだ。 え!? え!? な、何!? え!? という感じだったよ。 作品から溢れ出す熱き魂を抱きとめられるのかを試されていような読書体験。 すごいものを読んでしまったな。 お気に入りの一文をここに引く。 『それは素晴らしいことをたくさん予感させる、春の嵐のような涙だった。』(本文より) この小説の熱量は真藤順丈さんの「宝島」を思い出させる。 あー面白かった!
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台北市内を小戦とモーターサイクルで走回する場面では、かつての仕事場を思い出しつつマップで追いかけてました。
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著者の作品を読むのは「僕が殺した人と僕を殺した人」に続いて2作目。前回と同様、登場人物の名前がなかなか覚えられないが、次第になんとか慣れた。 東南アジアの熱くて湿気った空気、粗野で血生臭く、仲間がいて家族がいて、喧騒に満ちている。 長い大河ドラマを見終わったようだった。終盤の展開...
著者の作品を読むのは「僕が殺した人と僕を殺した人」に続いて2作目。前回と同様、登場人物の名前がなかなか覚えられないが、次第になんとか慣れた。 東南アジアの熱くて湿気った空気、粗野で血生臭く、仲間がいて家族がいて、喧騒に満ちている。 長い大河ドラマを見終わったようだった。終盤の展開にはハラハラし、読後感は爽やかなほど幸福だった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
中国や台湾人をモデルにした小説を読んだのは初めてで新鮮だった。 著者のことを調べてみると、台湾出身で日本育ちとあり、自身の体験に基づいて物語を作ったのではないかと想像させる。 となると、描かれた台湾人の生活や中国とのしがらみに信憑性があるだろう。 ドラマなどでもなかなか見たことのない台湾文化を本を通して体験できたことは嬉しい。 さて、物語については、必ずしもめでたいとは言えない個々の結末は著者の美学であろう。 物事っていうのは綺麗にいくものじゃないし、人間の愛や憎しみもドラマチックにいくものではない。 だから、最後の一文は、必死にその瞬間を生きるただそれこそが美しいという意味だろう。
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台湾にいた原住民、外から日本が来て、その後中国から蒋介石が来た。以前台湾旅行した頃学んだ台湾の人々の複雑な思い、政治と社会。そんな混沌とした中をかけねけていく「青春の門」のような青春ストーリー、不死身の爺さんを殺した犯人は誰か恋はどうなるのか、下巻へ続く。
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