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四月は君の嘘(11) の商品レビュー

4.5

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

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2020/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本物語の最終巻、母親の死が原因でピアノを弾けなくなっていた主人公が、再びピアノを弾いていく理由を見つける巻です。 もちろん、11巻までに主人公は何度もピアノを弾いています。ただ、それは主に宮園かをりのための演奏であって、それはそれで悪くないきっかけだったとは思いますが、演奏家として生きていくにあたって、それだけで弾いていけるかというと少し疑問が残ります。特に10巻での出来事を踏まえると、好きな人のためだけに弾き続けるのはひょっとすると難しかったのかもしれません。 本巻の始まりでも、公生は”僕はまたひとりぼっちになる”と呟きます。それに対する宮園かをりの”私がいるじゃん”という返答は、宮園かをり自身はもしかするとそのままの意味で発言したのかもしれませんが、その後の公生にとってはそれ以上の意味をもたらしているように思います。 だからこそ、宮園かをりやこれまで会った人達との記憶全てを通し、結果として公生が”僕が今ここにいるのは みんながいたからだ”という考えにいたる場面は、とても心に残ります。始まりは母親に喜んでもらうために弾いたピアノが、心惹かれた人のためにもう一度弾き始め、そして、今の自分をつくった人、自分にとって大切だと思う人たちに聞いてもらえるように弾きたいと思うようになる。それは感謝かもしれないし、激励かもしれないし、願望なのかもしれません。そんなこんなの気持ちが、”耳をすませば 僕は たくさんの音であふれている””忘れられない風景が 僕を支える 奮い立たせる つき動かす”という言葉からあふれているように思えます。 しかし、そんな気持ちもありながら、やはりこの場面で公生が弾いた理由は宮園かをりのためであり、曲の終わりとともに宮園かをりの存在が自分の中で薄らいで離れていくところに悲しさや寂しさを感じざるを得ないところは、ヒューマンメトロノームと言われていた頃からは考えられない極めて人間的な一面だったのではないでしょうか。 初めてこの物語を読んだときは何となく悲しい気持ちになるお話だなとばかり思っていました。しかし、今改めて読み直すと、それだけではなくて、自分は何に心が踊るのか、何のために前を向くのか、色々と考えさせられる話となっていました。 こんな物語を読むことができて、私はとても良かったです。

Posted byブクログ

2020/01/18

主人公に、女の子がついた嘘は、 凄く、優しくて。 彼女らしいな。と、思いました! ネタバレしたくないので。 是非、読んで見てください。

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2018/10/20

何度読み返しても不覚にも涙してしまう。 いい作品です。 主人公達のこの先の成長なんかもいつか読みたくなります。

Posted byブクログ

2018/05/30

近づく東日本ピアノコンクール本戦の日。だが…病状が悪化したかをりを思い、公生は再び昏い世界へと落ちてゆく。それでも…必死に前を向こうとする少年と少女に、運命は如何なるものをもたらすのか? 青春×音楽×ラブストーリー、ここに完結!!(Amazon紹介より) 読み終わった瞬間、ずー...

近づく東日本ピアノコンクール本戦の日。だが…病状が悪化したかをりを思い、公生は再び昏い世界へと落ちてゆく。それでも…必死に前を向こうとする少年と少女に、運命は如何なるものをもたらすのか? 青春×音楽×ラブストーリー、ここに完結!!(Amazon紹介より) 読み終わった瞬間、ずーんと来ました。感想がうまく出てきません。とりあえず、一気読みでした。 『ピアノの森』を読んだときにも思ったことなのですが、音楽で感情を強烈に揺さぶられることなんてあるのでしょうか。「あ、この歌いいな」とか思うことはありますが、コンクールで皆が同じ曲を弾いて、大きな差があるものなのか。一度で良いので、自然に涙が溢れるほど心を揺さぶられるような音楽に出会ってみたいものです。

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2018/04/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最終巻。まだ中学生なのに母親を亡くし、恋をした相手が危篤って辛いなぁ。集中治療室から戻ってきたかをりと屋上で話す場面うるうるした。私の中に君がいるよって。そして迎える東日本ピアノコンクール。公生の状態は最悪。順番がきてピアノを前にしても尚下ばかり見る公生の空気を変えたのは椿のくしゃみ。無駄なストーリーなんてないんだな、と思った。まさか前巻で出てきた変なくしゃみがここで出てくるとは。弾き始めた公生はたくさんの観客を引き込んでいく。ここから最後まで涙なしに読めなかった。公生の見つけた音や、かをりへの想いとかを読んでたら涙止まらない。その上かをりからの手紙はさらに涙止まらなかった。公生のこと好きだったんだね。そう思ってもう一回読み直したいな。全11巻でちょうどよくまとまってて読みやすかった。

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2018/02/18

親の死のトラウマで弾けなくなってしまった天才ピアノ少年と、余命少ないバイオリニストの少女。幼馴染の女のコと、女にだらしない男友達。みんな一生懸命で、がむしゃらにあがいていて、本当に感動的。公生がピアノに再び向かい合うための成長物語だけでは収まらない、登場人物全員に好きだーーーーー...

親の死のトラウマで弾けなくなってしまった天才ピアノ少年と、余命少ないバイオリニストの少女。幼馴染の女のコと、女にだらしない男友達。みんな一生懸命で、がむしゃらにあがいていて、本当に感動的。公生がピアノに再び向かい合うための成長物語だけでは収まらない、登場人物全員に好きだーーーーー!と叫びたくなるような素敵な物語だった。

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2017/07/29

ピアノでしか強い感情を表せないのが公生なのかも。 でも届いたと思う。 そうやってこれからも生きるんだろうな。 第一言語はどうしたってピアノなんだ。

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2017/04/27

こうなるのはわかってる。こうなるのはわかってた。あっという間に通り抜けていった彼女はあまりにも美しく、鮮やかだった。

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2017/03/21

漫喫で声を殺して泣きました… 目も腫れて、家に帰れない… かをりちゃんやぁ… かをりちゃんやぁ… AppleMusicにサントラ的な音源があったので聴きながら読んだのがいかん。最後のショパンのバラードはいかんやろ。あー、読めて良かった。

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2017/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「(かをりとの)忘れられない風景が僕を支える」「奮い立たせる」「つき動かす」。  人との関係・関わりは、たとえ一方が死すとも、もう一人の記憶に残る。真摯であった死者の想いを受け継いでいくのは生者のみ。それはまるでバトン・リレーの如しだ。  想いの継受を見事に描いた作品は「ヒカルの碁」であったが、本作も負けず劣らず素敵な作品であった。  公生は、かをりの生き様を受け止められたが故に、演奏家の道に邁進できるのだろう。ここが、単にトラウマにしかならなかった母の死とは違う意味を持つのだ。  では、なぜそうなったのか?。  それは、かをりとの関わりが、公生に生きる意味、ピアノを演奏する意味を気づかせたからに他ならない。  もちろん人の死は悲しい。が、受けとめて前に進まなければならない。辛い事実から逃げるわけにはいかないし、終わり(End)でもないのだ。  ではもう一方の、かをりはどうか。恐らく(記憶がなくなる不安、急激な意識の混濁、足が動かず、手・腕が思うように動かせずバイオリンを弾けない描写。そして開頭術と思しきシーン)は、悪性脳腫瘍に罹患していたかをりは、不治であったろう。しかもそれに自覚的であったことは明らかだ。そんな中、懸命に生き、発した数々の言葉は、単に胸を打つだけでない。  生きた証、特に、公生とのデュエット演奏、それに至る過程は、彼女自身の生の輝きを体現したと言えるのではないか。もちろんその中には「一つだけついた嘘」も含まれる。恋心の止むに已まれぬ発露として…。  ただ、彼女の行動や言葉は目前に迫る死との葛藤を加味して初めて、その内実を量ることができそうだ。  繰り返しになるが、確かに死は悲しい。15歳の死も50歳、90歳のそれも変わらずに悲しい。しかし、人間であれば避けられない現実である。そうであるならば、中身が伴った生きる過程こそ貴いのではないだろうか。  かをりの行動や言葉に、隠された想いや不治の病の重さを感じるが故、彼女の生は輝けるものとなったと見たい。

Posted byブクログ