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私と踊って の商品レビュー

3.7

55件のお客様レビュー

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2019/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019/08/24読了  帯を読まずに買ったので、一冊の小説家と思いきや、短編集であった。その全部をここで書き切れないが、ファンタジー、サスペンス、SFなど盛りだくさん。  恩田陸さんは、ほぼ初めて読んだが、独特の世界観をお持ちの方だと感じた。また、文章の形式にも様々な挑戦が見られる。  沢山あった中で一番印象に残ったのは「交信」。  オマケ的な要素かもしれないけど、表紙にも小説が書かれているとは思わず、また、一つの行を上下で区切って会話文にし、それを1行に1文字ずらすという高等なテクニックだと思った。  「はやぶさ」の話は個人的に当時興味を持ってドキュメンタリーを見たり、本を読んだりしていた。イオンエンジンが復活して、7年の歳月を経て地球へ帰還した「はやぶさ」。  この「はやぶさ」にまるで人格があるかのような描写で、何となくいとおしさや愛着を覚えた。うまい。  表題作の「私と踊って」時系列や筋を追ったり、細かく考え出すとこの作品は味わえない。考えたので味わえなかった。ダンスパーティで「壁の花」が少女に誘われて踊るシーンから始まるが、雰囲気を感じ取り、場面を想像し、余韻に浸る、感性によって楽しむ小説だな、と思った。そうすれば、音楽やつま先がステージの床に着地する音まで聞こえてきそうだ。 「東京日記」これは若干毛色が違う。IT化が進んで、何でもデジタル情報になり、それが国家や様々な主体に収集される。東京には戒厳令が敷かれていて、人々は自由を奪われている。主人公である外国人が日本にきた設定。日記の中に桜など日本の美、日本の食べ物、また自販機が異様に多い東京の様子など、緊張感のない日常の様子と、戒厳令で人が拘束されたり外に出られなくなったりという非日常的な緊張感のある描写とか入り乱れて描かれている。そのせいか、単なるSFとして描かれるより現実感があったような気もする。2012年刊なのだが、描かれた未来はもうすぐ現実のものとなってしまうのではないか。

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2017/09/27

ちょっと前に読んだからそれぞれのタイトルは忘れてしまった。設定から登場人物から不思議な始まりをするのが多かった。そして余韻を残しまくる終わり方。恩田陸らしくて好き。 印象に残ったのは、たどたどしい語り口の実は、、、だったやつと、映画監督の話、表題作。

Posted byブクログ

2017/06/18

いろんなジャンルの短編集でほんと恩田さんはなんでも書けるんだなーと思いながら読んでました! 最後のあとがきにそれぞれの話の覚え書き?があってそれを読んでからもう一度作品を読むとまたさらにおもしろいです!!

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2017/05/31

恩田陸の私と踊ってを読みました。 夢の断片を描いたような幻想的な短編集でした。 怖い物語、奇妙な話、いろいろな物語を楽しみました。 「東京の日記」は東京で厳戒令がしかれて通信の自由が奪われるというお話ですが、共謀罪が施行される今、数年後には架空の物語ではなくなっているのかもし...

恩田陸の私と踊ってを読みました。 夢の断片を描いたような幻想的な短編集でした。 怖い物語、奇妙な話、いろいろな物語を楽しみました。 「東京の日記」は東京で厳戒令がしかれて通信の自由が奪われるというお話ですが、共謀罪が施行される今、数年後には架空の物語ではなくなっているのかもしれません。

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2017/05/15

たぶん、恩田陸さんの本はこれが初めてだと思う。何度か手に取り、確か購入した記憶もあるものの、読んだ記憶がない。 もっと青春小説のようなものかと思ったら、推理ものあり、SF的なものありで、なぜ今まで青春ものと思ったのかハテナ?という感じ。タイトルの感じからそう、勝手に思ってたのか。...

たぶん、恩田陸さんの本はこれが初めてだと思う。何度か手に取り、確か購入した記憶もあるものの、読んだ記憶がない。 もっと青春小説のようなものかと思ったら、推理ものあり、SF的なものありで、なぜ今まで青春ものと思ったのかハテナ?という感じ。タイトルの感じからそう、勝手に思ってたのか。 これはショートショートの短編集。読みやすく、面白かった。短編にもいろいろなカラーがあり、フォントや横書きなど、視覚にもこだわっていて、こういう細やかさ、プロとしての仕事、こだわりを感じるもの、個人的に好きです。 新刊も読んでみたい。

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2017/03/23

短編小説と知らず読んでいたが、トリッキーな設定などエンターテインメント溢れる作風で楽しんで読むことができた。描写が難しいところがあるので流し読みは難しかった。

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2016/10/25

ミステリあり、SFあり、ホラーあり、ショートショートあり、エッセーあり。 カラフルなキャンディをつめこんだ ガラスの箱みたいな短編集 恩田ワールド炸裂です

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2016/07/17

 ショートショートサイズの短編を詰め合わせた作品。一つ一つの作品が短く、また、とある企画や特集などに寄せた作品が収録されている本だからか、寄せ集め感が否めなかった。まとめて読むんじゃなく、やっぱりその企画や特集にぽんと入っているのを読む方がこれら一つ一つの作品には良いんだろうな、...

 ショートショートサイズの短編を詰め合わせた作品。一つ一つの作品が短く、また、とある企画や特集などに寄せた作品が収録されている本だからか、寄せ集め感が否めなかった。まとめて読むんじゃなく、やっぱりその企画や特集にぽんと入っているのを読む方がこれら一つ一つの作品には良いんだろうな、という感じ。  一番良かったのは『交信』。当時科学館ではやぶさの物語の説明を受けて感動したのを思い出した。こういうのは書けそうで書けない。たった1ページで、ちょっと感動したもの。やっぱり恩田陸さんすごいなぁ。

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2016/06/13

頭の中に浮かんだ話をちょちょっと書いてみた感のある短編集。話に入り込めそう、というところで終わってしまうので、いつも置いてけぼりをくらった感じ。期待して読んだから余計に残念でした。

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2016/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

またまた全19編からなる短編集を読了。 相変わらず内容はどれも面白いものばかりなのに、中途半端で終わってしまう。 だから短編なのかもしれないが、短編に合わせた結末を用意して欲しい。 明らかに中長編になりそうなストーリー展開で「夢違」みたく投げっぱなしん作品が多い気がする。 面白い作品ばかりだからこそ、そう思ってしまう訳なんだけど。 ただ「弁明」は良かった。 「中庭の出来事」の中のエピソードを補完する形の作品となっていた。 そういう今までの中長編作品に関連した短編集を出してくれないものだろうか。 そうすれば安心して読み進められるはずだから。 以上個人的な思いでした。

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