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持たざる者 の商品レビュー

3.4

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

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2016/01/18

東北の3・11をきっかけに人生が変わってしまった4人の男女を描いた連作短編集。 この純文学小説で作者が言いたかったのは、4人の人生を通して、震災直後にフランスへ移住した自分の心情なんだろう。 本小説の4人目、朱里は長いイギリス生活に疲れ、熱望していた日本での生活を再開するが、...

東北の3・11をきっかけに人生が変わってしまった4人の男女を描いた連作短編集。 この純文学小説で作者が言いたかったのは、4人の人生を通して、震災直後にフランスへ移住した自分の心情なんだろう。 本小説の4人目、朱里は長いイギリス生活に疲れ、熱望していた日本での生活を再開するが、そこでの家族問題に巻き込まれ、帰国したことを後悔する。これって、日本ではいろいろなものに束縛されてしまった作者自身の恐怖なんだろうか。日本を離れることで「持たざる者」となり、フランスで創作活動と育児を続けるという作者の決意表明?

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2015/12/22

一つのテーマを違う角度から書くのは、よくあるがこの本のテーマに子育てママとしたのが新鮮。原発のえがき方がすこし弱くストーリーに絡み切ってないと感じた。

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2015/12/18

この作者にしてはあまりにも普通すぎるかなという印象。 今まで持っていた毒があっさりと抜けてしまったような。 というか、3.11を題材にした小説を作品として面白いと感じたことがない。 1章の主人公、修人が放射能のことはしきりに気にしているのに、タバコを吸いまくっているあたり矛盾を感...

この作者にしてはあまりにも普通すぎるかなという印象。 今まで持っていた毒があっさりと抜けてしまったような。 というか、3.11を題材にした小説を作品として面白いと感じたことがない。 1章の主人公、修人が放射能のことはしきりに気にしているのに、タバコを吸いまくっているあたり矛盾を感じる(逆にリアルだけど。現実にそういう人たちが大勢いる)。 放射能も飲酒も喫煙も塩分が多く栄養の偏った食事もリスクファクターである。 それでも昔の作品には漬け物しか食べない女性、食に対する嫌悪を持った女性が登場していたのに、今は豪華で多彩な料理を楽しむ女性が出てくるようになった変化は面白い。

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2015/11/29

震災と原発事故で日常が変わってしまった4人の姿を描く連作短編集。うわうわ〜と思いながら、読み進めてしまう金原ひとみマジック。朱里以外の3人の話は地に足がついてないような印象を持ったけど、朱里の話が一番怖かった。これこそ誰にでも起こりうる話なのでゾクゾクした。

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2015/11/18

図書館にて。 何を持たざるなのか。 取り上げられた3人それぞれだった。 私ももちろん、人は皆何かを持っていて何かを持っていない。 持つ者、ではなくて持たざる者。 読み終わってからもう一度、題名についても考えさせられた。

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2017/02/03

震災とそれに続く原発事故を背景に、大切な何かをなくした4人を主人公にした連作短編集。特に1、2話はテーマが重い。 被爆に過敏になるが余り妻子に去られた男性の話は、当時を思い出すと大袈裟だと切り捨てることはできない。 喉元過ぎれば…で、いつの間にか鈍感になっているけれど、原発の影...

震災とそれに続く原発事故を背景に、大切な何かをなくした4人を主人公にした連作短編集。特に1、2話はテーマが重い。 被爆に過敏になるが余り妻子に去られた男性の話は、当時を思い出すと大袈裟だと切り捨てることはできない。 喉元過ぎれば…で、いつの間にか鈍感になっているけれど、原発の影響については、特に小さい子を持つ親であれば、行き交う情報の何を信じればよいのかもわからず、誰もが過敏になっていた。私も例外ではなく、東京の水瓶が危ないと聞いた時には、子どもの体への影響を考え途方にくれたものだった。 1話目は、震災のサイドストーリーとしても、意味のあるものだと感じた。 全体の構成としては、それぞれ関係のある人が登場し連作としてつないでいくのだが、ぐるりと回りきらずに放り出されて終わってしまったのが残念。 やはり、連作であるからには、エピローグとして全員のその後をちらりと見せて、輪っかを閉じて終わらせて欲しかった。

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2015/11/01

金原ひとみ初めて読みました。 リレー短編みたいな構成は面白いけど、もう少し主人公同士の絡みがあったら全体の繋がりが強くなってまとまりそうな気がします。 震災直後には色々思うところがあったけど、また今となっては物の見方も違ってきて、忘れていたことや薄れてしまった感覚が思い出されまし...

金原ひとみ初めて読みました。 リレー短編みたいな構成は面白いけど、もう少し主人公同士の絡みがあったら全体の繋がりが強くなってまとまりそうな気がします。 震災直後には色々思うところがあったけど、また今となっては物の見方も違ってきて、忘れていたことや薄れてしまった感覚が思い出されました。 金原ひとみの他の作品も読んでみようかなと思います。

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2015/10/29

3・11東日本大震災を経験した主人公達。 4人の物語は読み手の私自身に、当時の状況、心境を鮮明に思い出させる。 登場人物の行動にはそれぞれに共感するところがあり、原発事故への怒りや未来への取り返しのつかない後悔に今更ながら身のすくむ思いがする。 それでも日々の生活は続き、迷い悩み...

3・11東日本大震災を経験した主人公達。 4人の物語は読み手の私自身に、当時の状況、心境を鮮明に思い出させる。 登場人物の行動にはそれぞれに共感するところがあり、原発事故への怒りや未来への取り返しのつかない後悔に今更ながら身のすくむ思いがする。 それでも日々の生活は続き、迷い悩みながらも、少しずつ変わっていく4人の現在に、これが「生きている」ということかもしれないと思った。

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2015/10/03

う~ん 蛇とピアスが、吸い込まれるような、歪んだ心のひだを感じただけに・・・・残念な感じでした。 言いたいことは分かるけど、上手くアノ日のできごとで変わった、人の心の変化を文章で表わせ切れなかった  カナ?!

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2015/09/28

連作短編集。 原発事故の被害が気になりすぎて、妻子と仕事を失った保田修人。 子どもを病気で亡くしてしまった、修人の友人である千鶴。 原発被害からの避難をきっかけにイギリスに住む、千鶴の妹エリナ。 イギリスから帰国したら、義兄夫婦が部屋を占領しているという事態になっていた朱里。 ...

連作短編集。 原発事故の被害が気になりすぎて、妻子と仕事を失った保田修人。 子どもを病気で亡くしてしまった、修人の友人である千鶴。 原発被害からの避難をきっかけにイギリスに住む、千鶴の妹エリナ。 イギリスから帰国したら、義兄夫婦が部屋を占領しているという事態になっていた朱里。 私は朱里の話に一番共感した。朱里の怒りに共感した。 修人やエリナのふわふわした話には共感できなかった。

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