持たざる者 の商品レビュー
結局どんな性格や生き方で生きていたとしても何かしら人との疎外感や虚無感から逃れることはできないのが人間なんだなって思いました。
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私自身、震災をきっかけに関東から関西へ移住した人間なので、それで興味を持って、この本を購入しました。 ただ、読んでみると、期待していたような、原発や移住といった問題に際しての、混沌とした思考や感情をやわらかくほどいてくれるような、そういった類いの内容ではなかったけれど、単純におも...
私自身、震災をきっかけに関東から関西へ移住した人間なので、それで興味を持って、この本を購入しました。 ただ、読んでみると、期待していたような、原発や移住といった問題に際しての、混沌とした思考や感情をやわらかくほどいてくれるような、そういった類いの内容ではなかったけれど、単純におもしろかった。 特に一番すきなのは、朱里の話。 くすっとしながら、読んでいました。 逆に、最初の二話は全然よくわからなかったし、なんとなく不快感があった。
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やはり、金原ひとみ好きです。 頭のいい人だなあ、 常識的な人、すごく冷静な人。 いつもそういう印象を持ちます。 震災の原発から逃れるために避難する母子の話、 という知識はあったのですが、 やっぱりそれだけじゃない。 子持ちではあるけれども いろんなタイプの女性が出てきて、...
やはり、金原ひとみ好きです。 頭のいい人だなあ、 常識的な人、すごく冷静な人。 いつもそういう印象を持ちます。 震災の原発から逃れるために避難する母子の話、 という知識はあったのですが、 やっぱりそれだけじゃない。 子持ちではあるけれども いろんなタイプの女性が出てきて、 その1人1人にどこか共感できる。 作品を通して金原さん自身の 女として、もしくは母としての 成長(というと上から目線になってしまいますが) が感じられて、そういうのも この人の本を読む楽しみの一つだなあ、 なんて思います。
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帯文:”今、自分が手にしていると思っているものは、幻想かもしれない――。大震災後の喪失の風景を描く傑作長編。” ”「あの日以後、普通の人たちが何を感じ、どう考えてきたのかを、シンプルに真っ正面から書いていこうと思った」――金原ひとみ” 目次:Shu, Chi-zu, eri, ...
帯文:”今、自分が手にしていると思っているものは、幻想かもしれない――。大震災後の喪失の風景を描く傑作長編。” ”「あの日以後、普通の人たちが何を感じ、どう考えてきたのかを、シンプルに真っ正面から書いていこうと思った」――金原ひとみ” 目次:Shu, Chi-zu, eri, 朱里
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修人に自分は近いと思う。 金原ひとみのインタビューを読んだら、彼女自身が修人のような感じだったのだという。私は、小説家のように創造する仕事ではないから、何も手につかなくなったというよりは、何かしなくてはという気になった。まわりもそんな感じ。でも。何もできない自分にがっかりしたし、...
修人に自分は近いと思う。 金原ひとみのインタビューを読んだら、彼女自身が修人のような感じだったのだという。私は、小説家のように創造する仕事ではないから、何も手につかなくなったというよりは、何かしなくてはという気になった。まわりもそんな感じ。でも。何もできない自分にがっかりしたし、いち早く逃げ出そうとした。 あとの女性3人の息苦しさと諦念はおそろしい。 私は、日本に住んでいると、こんなにも空気を読めないのか、と自分で思うが、海外に住んだら、そうでもないのだろうか。試してみたい気もする。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
僕はどこだが分からないここにいる―修人。 全ての欲望から解放された、いや、見放された―千鶴。 人生とは結局、自分自身では左右しようのないもの―エリナ。 きっと、私がここから別の道を歩む事はないだろう―朱里。 震災関連の作品ではあっても 当事者でもなく、いくらか距離感はあるものの なんらかの影響を受けた人たちの物語。 なるほどこういうのもありか、と思わせる。 4人のどの話も興味深く、 私だったらどうだろう、と考えずには いられなかったが、 正直、エリナの生き方には憧れるなぁ。
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4人の物語。 原発事故、子供の死、突然現れる恋、思いもよらぬ家庭事情。 みんな、それぞれ精一杯生きているだけのに突発的な『事故』により大切な何かが奪われてしまう。 持たざるもの。 人は、何か確固たる自分を持っているようで、本当は何も持っていない。それでも今日を生きていく。 そう...
4人の物語。 原発事故、子供の死、突然現れる恋、思いもよらぬ家庭事情。 みんな、それぞれ精一杯生きているだけのに突発的な『事故』により大切な何かが奪われてしまう。 持たざるもの。 人は、何か確固たる自分を持っているようで、本当は何も持っていない。それでも今日を生きていく。 そういうお話。 1話から3話までと毛並みの違う4話に一番食いついて読んでしまった自分に下世話だなと思いつつ。
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東日本大震災で人生が変わった4人の話。 東京に居て直接的な被害を受けていないのに、原発爆発後に西日本に避難するとかいう修人の章にはイライラして読むのを止めようと思ったけど、きっとこういう冷静になれない人もいたんだろうと、冷静になって読み進めてみた。 修人には軽蔑と憐れみ、千鶴には...
東日本大震災で人生が変わった4人の話。 東京に居て直接的な被害を受けていないのに、原発爆発後に西日本に避難するとかいう修人の章にはイライラして読むのを止めようと思ったけど、きっとこういう冷静になれない人もいたんだろうと、冷静になって読み進めてみた。 修人には軽蔑と憐れみ、千鶴には同じ母として共感と同情、エリにはちょっと憧れ、朱里には働く母として違和感と少しの同意、と4人の人生にいろいろ感情が揺れる作品だった。
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それぞれ事情ありの主人公からなる4編のストーリーなのだが、4話目があまりにも強烈で衝撃的だった。 自分には到底耐えられそうもない出来事に怒りがこみ上げ、目眩さえ起こしそうになりながら読んだ。 生きていれば災難に遭遇することもある。 どうかこれからの人生、平凡でいいから、とにかく平...
それぞれ事情ありの主人公からなる4編のストーリーなのだが、4話目があまりにも強烈で衝撃的だった。 自分には到底耐えられそうもない出来事に怒りがこみ上げ、目眩さえ起こしそうになりながら読んだ。 生きていれば災難に遭遇することもある。 どうかこれからの人生、平凡でいいから、とにかく平穏に生きていけますようにと願わずにいられなかった。
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よく内容を見ないで、たまたま図書館で借りたら、震災からちょうど5年ということで、タイムリーだった。でも、一章を読んだだけで、なんだか最後まで読みたくなくなってしまった。私は問題の福島に住んでいる。東京にはこんなに放射能に怯えながら暮らしてる人いるの?と、フィクションなのは分かって...
よく内容を見ないで、たまたま図書館で借りたら、震災からちょうど5年ということで、タイムリーだった。でも、一章を読んだだけで、なんだか最後まで読みたくなくなってしまった。私は問題の福島に住んでいる。東京にはこんなに放射能に怯えながら暮らしてる人いるの?と、フィクションなのは分かっているが、なんだか気分が悪くなった。じゃあ、福島に住んでる人はどう思われるの?と疑問に思い、それ以上考えたくなくなって、途中で読むのをやめた。
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