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黒い迷宮 の商品レビュー

4.1

37件のお客様レビュー

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2016/11/03

知ってるようで知らない事件。 人が死んでも自分の欲求を止められない恐ろしさ。 イギリス人のCAだから動いたという警察の差別意識。 明るみに出ない事件はもっともっと多いはずだと思うと、心底ウンザリする。

Posted byブクログ

2016/07/25

聞いたことがある程度で当時の記憶はない事件。 2000年頃ってこんな感じだったんだなぁということも思いながら読みました。 日本の警察や日本についての文章があぁ確かに!と思うことばかりでした。

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2016/06/09

外国人記者が書いた本の中では とても中立的で抑えた筆致だった。 正直市橋事件と最初勘違いしてたくらいだけど、 事件のことはうっすら覚えている。 良いも悪いも人はなかなか一面からしか見えないから難しいけど、 フェアであろうとする記述にはいろいろ考えさせられた。

Posted byブクログ

2016/05/16

総括してみれば、自分探しに友人と日本に小金稼ぎに来た若い英国女性が、勤めた外人スナックの悪質な客に引っ掛かり、薬物を投与され準強姦された際に運悪く死亡した、ということだ。 在日2世の犯人の生い立ちなどを詳細に書いているが、何ら特別なことはなく、日本人なら軽く流す内容だろう。 英...

総括してみれば、自分探しに友人と日本に小金稼ぎに来た若い英国女性が、勤めた外人スナックの悪質な客に引っ掛かり、薬物を投与され準強姦された際に運悪く死亡した、ということだ。 在日2世の犯人の生い立ちなどを詳細に書いているが、何ら特別なことはなく、日本人なら軽く流す内容だろう。 英国人である著者が同国人向けに、あたかも秘匿された日本の暗部のように書いているだけだ。 行方不明者が年間数万人いるなかで、英国人だからといって特別扱いしなかったことに対して当時の警察を批判するのは難しい。 犯人が過去に同様の犯罪を犯したときに捕まえていれば、というのは結果論でしかない。 特別な圧力でもない限り警察組織がやすやすと動かないのは、どの国でも同じことだろう。

Posted byブクログ

2016/09/21

2000年7月、六本木でホステスとして働いていた元英国航空の客室乗務員ルーシー・ブラックマンが、突然消息を絶った。失踪当初から事件を追い続けた英紙《ザ・タイムズ》の東京支局長が、日英豪関係者への10年越しの取材で真相に迫る。 この内容は、すごい取材ですね。 著者がイギリス人ってビ...

2000年7月、六本木でホステスとして働いていた元英国航空の客室乗務員ルーシー・ブラックマンが、突然消息を絶った。失踪当初から事件を追い続けた英紙《ザ・タイムズ》の東京支局長が、日英豪関係者への10年越しの取材で真相に迫る。 この内容は、すごい取材ですね。 著者がイギリス人ってビックリするぐらい日本を描いてる。 事件物を読むと、ほんと警察は信頼できない事ばかり。 でも一億円には驚きました。

Posted byブクログ

2016/02/22

社会人としてのキャリアの大半を東京で過ごしている1968年生まれの英国人記者によるルーシー・ブラックマン事件に関する記録。 単なる犯罪・裁判記録というより、多くの関係者に対するインタビューを中心とする緻密な調査を時系列で再構築することで、サスペンスやミステリーを読んでいるかの錯...

社会人としてのキャリアの大半を東京で過ごしている1968年生まれの英国人記者によるルーシー・ブラックマン事件に関する記録。 単なる犯罪・裁判記録というより、多くの関係者に対するインタビューを中心とする緻密な調査を時系列で再構築することで、サスペンスやミステリーを読んでいるかの錯覚に陥る。 ルーシーの父母・妹弟、親友たちの確執については、決して片方に肩入れすることなく、中立に書いている。 在日朝鮮人としての織原の出自についても詳述。著者が織原の弟と対面するシーンは手に汗握る。 織原はルーシーブラックマンの準強姦致死については無罪となっているものの、その他の準強姦致死と準強姦については有罪が確定し無期懲役で服役している。すなわち、織原が模範囚として服役を続ける場合、彼は刑期30年、すなわち15年後に釈放される可能性がある。その時、織原は78才。 翻訳も非常に読みやすい。本の紙質とフォントも良い。 2015年4月第一刷。

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2016/01/31

キム•ソンジョン 金聖鐘 星山聖鐘そして織原城二、これが15年前に起きた『ルーシー•ブラックマン事件』の犯人であり同一人物である。彼は今無期懲役囚として服役中ではあるがルーシー•ブラックマンへの殺人罪には問われていない。それ以外の女性に対する罪で裁かれたのだ。 ルーシーへの決定的...

キム•ソンジョン 金聖鐘 星山聖鐘そして織原城二、これが15年前に起きた『ルーシー•ブラックマン事件』の犯人であり同一人物である。彼は今無期懲役囚として服役中ではあるがルーシー•ブラックマンへの殺人罪には問われていない。それ以外の女性に対する罪で裁かれたのだ。 ルーシーへの決定的な証拠はない。が、死ぬ直前まで一緒にいたのは事実。これらの謎、いや織原城二という謎の資産家と織原から見舞金として1億円を受け取ったブラックマン一家の人生を徹底的に調査したルポルタージュ。 これは日本人ではなく著者であるイギリス人記者だからこそ中立的に調べることができたのではないだろうか。小説としても読み応えのある1冊。 とにかく織原城二、怖いわ。

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2016/01/12

ルーシー・ブラックマン事件のルポルタージュ。被害者家族、被疑者の生い立ち、六本木事情、日本の警察と司法のあり方。様々な要素を複合的に描き出しており、個別の事件への興味は置いておいて読むに値する一書。 著者は英国人であり、在日である被疑者(犯人で間違いないと思うけど一応)の生い立ち...

ルーシー・ブラックマン事件のルポルタージュ。被害者家族、被疑者の生い立ち、六本木事情、日本の警察と司法のあり方。様々な要素を複合的に描き出しており、個別の事件への興味は置いておいて読むに値する一書。 著者は英国人であり、在日である被疑者(犯人で間違いないと思うけど一応)の生い立ちと立ち位置が日本人が書くものと違い、政治信条的にフラットに書けていることはこうした複雑な題材を取り扱う上で随分とメリットであったと思う。

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2015/12/26

今や風化しつつあったこの事件を、もの凄い調査量でまとめ上げた1冊。忌まわしい事件に関するノンフィクションだから、読んでいて気分が良いものではなかったが、ここまで丁寧に調べ上げ、取材をして、作り上げた作品として、著者に対して、頭が下がる思い。

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2015/12/03

それほどこの事件に関心があるわけでもなく、なぜにこの本を読もうと思ったのかもはや思い出せないのだが…図書館に予約してあったのがきたので、早川のノンフィクションは秀作が多いしどこかの書評をみて読みたくなったのだろうと思い、とりあえず読んだ。なんと500ページという壮大なボリューム。...

それほどこの事件に関心があるわけでもなく、なぜにこの本を読もうと思ったのかもはや思い出せないのだが…図書館に予約してあったのがきたので、早川のノンフィクションは秀作が多いしどこかの書評をみて読みたくなったのだろうと思い、とりあえず読んだ。なんと500ページという壮大なボリューム。しかしそれを感じさせない、軽くて薄く、しかも手触りのよい紙!持ち歩いて読むのが苦痛でなかった。 著者は、イギリス人の駐在記者。イギリスで同事件がどのように報道されたか、日本、そして六本木という町が外国人にどのような印象を与えているかなどがわかって興味深い。 被害者のルーシーさんが日本に行くことになるまでの生涯(といってもたった20年だが…)、その両親や妹弟のひととなりや、友人たちのことも詳しく調査し、彼女がどんな暮らしをしていたのかというところから始まる。ルーシーさんの失踪、容疑者の逮捕、裁判での結審(なんと7年もかかった)と、この周囲の人々はずっとこの恐ろしい事件に振り回され、精神を病み、お互いの哀しみ方を責め合い…とこれまたルーシーさんの運命同様に切なくてならない。 謎だらけの容疑者についても、その出自や家族について、詳しく調べたらしい。この人間についてはまったく理解できず、ハネケの映画のように後味悪い。数少ない顔写真からはまるで凶悪犯に見えないし、被害にあった女性たちにも警戒心を抱かせなかったのだろう… 一番気になるのは、この事件のみならず、それ以前の事件に対する警察の無関心さ。何人かの女性が、同じ犯人から被害を受けていて、それをすぐに警察に報告しているのにまったく動かなかった。ルーシーさん事件が大きくなったのは、ちょうど失踪のタイミングで当時の首相ブレアが来日し、それをうまく父親が利用して、ブレアから森首相に圧力をかけたからとのこと。異例の大規模な捜査だったらしい。日本の治安がよいのは警察が有能だからではないと言い切るなど、日本の警察批判はかなり痛烈。

Posted byブクログ