黒い迷宮 の商品レビュー
Netflix「警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件」 を見た人は必読の一冊。 外国人女性だけでなく、日本人女性も被害に遭っていたのに 長年犯行が露呈しなかったのは何故か。 弁護団や出版社を巻き込んで自費で反論本まで出したのは何故か。 自分の糞を咥えて死んだ大企業役員...
Netflix「警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件」 を見た人は必読の一冊。 外国人女性だけでなく、日本人女性も被害に遭っていたのに 長年犯行が露呈しなかったのは何故か。 弁護団や出版社を巻き込んで自費で反論本まで出したのは何故か。 自分の糞を咥えて死んだ大企業役員の存在は何を意味するのか。 闇が深すぎる。
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圧倒的熱量。 本書を読み終えて呆然としている。 一人の英国人女性の失踪と、その顛末が徹底的に描かれていて目眩がしそうだ。 犯人と被害者、その間に何があったのか。 これをルポ、しかも小説風にして出す力量に恐れ入った。
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犯人から事実を聞きたい気分。 15年かけて作られた本って考えるとすごい。 周りの人のいろんな目線もわかるし、外人目線の日本も知れて面白い。
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リンゼイさんの事件と大分混同していた。あれ、犯人は逃げてた人じゃなかったっけ、みたいな。 でも、ずっと恐ろしい事件だった。
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図書館で。 そう言えばこんな事件あったなぁ~なんて思って借りてみました。事件にたどり着く前にルーシーさんの過去とか家族とか友人の話と日本の水商売説明で大分お腹いっぱいになってしまい断念。 正直、日本人の自分でも日本の水商売なんてよくわからないから、外国の人にはチンプンカンプンだろ...
図書館で。 そう言えばこんな事件あったなぁ~なんて思って借りてみました。事件にたどり着く前にルーシーさんの過去とか家族とか友人の話と日本の水商売説明で大分お腹いっぱいになってしまい断念。 正直、日本人の自分でも日本の水商売なんてよくわからないから、外国の人にはチンプンカンプンだろうなぁ。まぁ、国籍ではなく、女性にはあまり縁の無い世界なんだろうけど。(就労者がほぼ女性なのになんだか皮肉な話) 昔、会議の後に新橋のクラブに付いていったことがあります。カウンターで男性(知らない人)が、自分の娘ぐらいの女の子相手に自慢話を繰り広げ、女性からすると興味全くないんだろうなぁと丸わかりの「ソウナンデスネー」だの「スゴイデスネー」なんて受け答えで鼻の下を伸ばしている姿に、こんなことやってるから女房子供に愛想つかされるんだろうなぁ…なんて思ったのを覚えております。男性は偉い人になりたいんだろうなぁ、それが一時の夢でも。 痛ましい話ではあるんだけど、なんで収入以上にお金を使ってしまうのか。その辺りがまるで理解できないなぁ~ その結果、祖国から遠く離れた所で殺されてしまうなんてホント、報われないなぁ…
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著者はイギリス人だが、日本の事もよく分かっており、綿密な調査の元に書かれている。 事件自体は当時ワイドショーで大騒動になっていたはずだが、あまり記憶に残っていない。 著者自身のあとがきが感慨深い。
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15年前のイギリス人女性殺人事件を追うルポ。家族関係、メディア、警察、水商売、ドラッグ、犯人像…等々英国人でありながら日本で活動する著者だからこそなし得た取材により事件の様相が生々しく浮かび上がる迫真のドキュメント。
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2000年に起こったルーシー・ブラックマンさんの失踪事件。失踪当時から事件を追い続けていた「ザ・タイムズ」の東京支局長・リチャード・ロイド・パリーが10年越しの取材を経て書いた犯罪ノンフィクション。 ルーシーさんの親族はもちろん、友人、知人、東京のバーでのお客、そして犯人として...
2000年に起こったルーシー・ブラックマンさんの失踪事件。失踪当時から事件を追い続けていた「ザ・タイムズ」の東京支局長・リチャード・ロイド・パリーが10年越しの取材を経て書いた犯罪ノンフィクション。 ルーシーさんの親族はもちろん、友人、知人、東京のバーでのお客、そして犯人として逮捕された織原城二とその親族など…ルーシー事件に関わる全ての人々に丹念にインタビューし、構成している。 この著者にしかできない構成力と内容は、読んでいくうちに引き込まれて黒い闇を覗き込んでしまったような恐ろしさを感じてしまった。 そして衝撃的な裁判の行方。 無期懲役にして無罪。 そして織原の控訴と上告。 ルーシーさんの父親が織原から受け取った「見舞金」。 裁判後のルーシーさんの家族の思い。 事件に関わった人々のその後。 裁判が終わった後もその闇は深いということをこの本を読んで改めて知った。 読み終わった後に色々な意味で「後味の悪い、だけどそれが現実」という、残酷で衝撃的な印象が強く残っている。 ここまでの事件にどっぷりつかって取材しながら常にフラットに事件を見ようとする著者のすごさを感じる一冊。
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「日本の犯罪率の低さの本当の理由が、警察の管理能力に起因するものではなく、国民のおかげであることはあまりに明らかだ。警察の能力が高いからではなく、日本人は常に法を守り、互いに敬い、暴力を忌み嫌うのだ。」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
◆英ジャーナリズム発、日本論on性犯罪◆ ●日本のメディアと警察組織と犯罪・事件の課題。 イギリスのメディアと家族生活の課題。 それらがコンパクトにまとめられている 。 個人的におもしろいのは、 イギリス人ジャーナリストの目を通して描かれる 日本の社会の風俗と解釈である。 日本の裁判制度や警察機構に対し、 想像力の欠如した犯罪と向き合う組織だと喝破。 「お巡りさん」と「ビーポ君」にイメージされる 親しみやすい権力組織としての警察機構。 外国人の体験する”ガリバー体験”と 日本の遠慮と礼儀正しさという文化。 ●とりわけ、在日朝鮮人社会と 水商売の実態と日本の性文化の記述は 興味深く読ませてもらった。 著者が参考にしている文化人類学者アン・アリスンの博士論文「夜の仕事-東京のホステスクラブにおける性・快楽・組織内の男らしさ」は是非読んでみたいと思った。 世界に類をみたい、多様な性分化を産み出す 日本の社会のありかたや、クラブオーナー 宮沢櫂の説明する外国人女性への理解と蔑視発言に日本人一般の海外女性への態度を感じ取る記述は、 外国人ホステスに言い寄ってくる男たちのメール文面の気持ちの悪さとあいまって、独特の日本人論を表明している。 また、在日朝鮮人という課題については、”タブー視することによる(アンタッチャブル化による)差別問題の課題”というテーマに迫っている。 ●一方で、娘を探し出す親の側では、ブレア首相の関わりから、娘の居所を知っていると続々と登場する詐欺師たちの登場で、文化を超えた現代社会の不気味さを醸し出している。 ●個人的に目が離せないのは、 こうした国境と文化をまたいだ不可思議な状況のなかで、ホステスたちの暮らす住居のユニットバスなどがさりげなく説明される挿話ですらなく、ただただ状況の形容のように登場してくることだ。 ユニットバスの排水溝には、 濡れた髪の毛と、皮膚のカスがからみついている。 著者は、こうした描写を、つまり細部を描くことを怠り無く文章に挿入してくる。その姿勢に傾倒してしまう。 本書は現代社会論であり、一種の民族誌であり、 一級のフィールドワークの書である。 ●なお、著者自身は、この書物の意図について BLOGOLOSでのインタビューに答えて 以下のように語っている。 『(本書の目的は) 「こいつは怪物だ」「こいつは悪人だ」とレッテル貼りをすることではないからです。 そういってしまうと、そこでその会話、ストーリーは終わってしまう。そうでなく、「どうしてそういう人物が生まれたのか」と考えていく作業を、私はこの本を通じて進めていったと思っていますし、「何がその人をそうさせたのか」ということに重点を置いて執筆しています。』
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