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太宰治の辞書 の商品レビュー

3.4

113件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    36

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    4

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2018/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一話目で、この人の主人公ってみんなおんなじ感じだなあと思っていたら、第2話で「正ちゃん」が出てきて「あれ?コレってあのシリーズ??」。最終話で円紫さんが登場。我ながら鈍い(≧∇≦) 文庫版の解説(米澤穂信!)に、「『朝霧』から17年」とあった。 しかし、こういうの読むと、マイベスト太宰とかマイベスト芥川とかを考えたくなってしまう(*^o^*)

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2016/08/27

円紫さんと私、のシリーズ。なのですが、中身はほとんど文学論。 以前、北村薫氏の授業を受けたものとしては、こういう授業だったな、と。。 太宰治と芥川読み込んでいればもっとおもしろいのでしょうが。。。

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2016/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【収録作品】花火/女生徒/太宰治の辞書  *「私」さんがベテラン編集者になり、結婚して一児の母になっていた。あのまま成長した「私」さんのあり方がうれしく、時の流れが切ない。

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2016/06/08

新刊、そして雰囲気も良さそうなのでと手にしたのだがあの「円紫さんと私」シリーズの続編だったのですね…その辺はちょっと失敗だって読んでないもの。 でこれまでの流れを知らずに楽しめるかと言うと実のところ問題はそこではなく如何せん謎解きの内容がマニアック過ぎるのだ。 もちろん北村さんの...

新刊、そして雰囲気も良さそうなのでと手にしたのだがあの「円紫さんと私」シリーズの続編だったのですね…その辺はちょっと失敗だって読んでないもの。 でこれまでの流れを知らずに楽しめるかと言うと実のところ問題はそこではなく如何せん謎解きの内容がマニアック過ぎるのだ。 もちろん北村さんの本に対する並々ならぬ愛情はひしひし伝わってくるし卓越したリーダビリティでページを捲るほどに夢中になって行くのだがやはり核心の部分で俄か齧りの太宰読み程度ではまったく歯が立たない。 唯一の収穫と言えば近頃流行りの青森土産「生まれて墨ませんべい」の存在を知ったことくらいか…トホホ

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2016/04/24

p60 三島曰く『歴史の欠点は、起こったことは書いてあるが、起こらなかったことは書いてないことである。』わたしは、起こったかも知れないことを書いてないことである、としたい。 行間を読むというのはそういう楽しみ方だし、本書でいうならば結局のところ太宰が何を以って執筆したのかなど、ど...

p60 三島曰く『歴史の欠点は、起こったことは書いてあるが、起こらなかったことは書いてないことである。』わたしは、起こったかも知れないことを書いてないことである、としたい。 行間を読むというのはそういう楽しみ方だし、本書でいうならば結局のところ太宰が何を以って執筆したのかなど、どれだけか丹念に資料を当ったところで結局は推論に過ぎない。けれどだからこそ読み継がれるものがたりには読まれた数だけの数多の行間が在る筈だ。つまり本書は北村薫さんの行間を読むものがたりなのだろう。 まさしく、読まれてこそのものがたり。

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2016/04/11

「円紫さんと私」シリーズ第…6弾? はじめは本好きの女子大生がヒロインの、割と普通なミステリー小説だった。 ヒロインが謎を噺家の円紫さんに相談する…というか語ると、円紫さんはその豊富な知識で持って、するすると、謎の結び目を解いてくれるのである。 それが、“私”が出版社に就職した頃...

「円紫さんと私」シリーズ第…6弾? はじめは本好きの女子大生がヒロインの、割と普通なミステリー小説だった。 ヒロインが謎を噺家の円紫さんに相談する…というか語ると、円紫さんはその豊富な知識で持って、するすると、謎の結び目を解いてくれるのである。 それが、“私”が出版社に就職した頃から、文学論、作家論…のような本になってきた気がする。 この本では、“私”はもはや人妻(!)だが、頑張ってみさき書房で仕事を続けている。 そういったプライベートも少しは描かれてあり、主人公が「文学の」謎解きをする…ということで小説の体裁を保ってはいるが、もうほとんど、芥川や、太宰研究の本と言ってもいいくらいだ。 そして、本とは、こういうふうに読む物なのか、こんなにも深く読めるものなのかと、ストーリーやエピソードを追うだけの自分の読書とのあまりの違いに「う~ん…」と唸ってしまうのだった。 『花火』 芥川龍之介の「舞踏会」 結びの部分の書き換えは、ほんの数行ながら、作品全体の意味をも大きく変えたようだ。 『女生徒』 太宰治の「女生徒」の素になった女性の日記と、太宰がそれをどう“作品”として料理したかを追う。 『太宰治の辞書』 「女生徒」から続いて。 太宰はどんな辞書を引いたのか、あるいは引かなかったのか…を追求し、辿り着いた先は、萩原朔太郎ゆかりの前橋…

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2016/03/17

読むのが辛いわ…~小さな出版社・みさき書房に勤める40代の私、中学生の息子と連れ合いと共に、夫の実家の近く、山手線の西側に住む。花火:担当女性作家が文学賞候補となって、新潮社で受賞の成否を待っていると、ロチの名に触れ、芥川が書いた舞踏会に想念が跳ぶ。三島が話題にしていたが、座談会...

読むのが辛いわ…~小さな出版社・みさき書房に勤める40代の私、中学生の息子と連れ合いと共に、夫の実家の近く、山手線の西側に住む。花火:担当女性作家が文学賞候補となって、新潮社で受賞の成否を待っていると、ロチの名に触れ、芥川が書いた舞踏会に想念が跳ぶ。三島が話題にしていたが、座談会で出てくる話には誤解が含まれている。それにしても芥川をロココ的と賞しているが…。女生徒:ロココで思い出すのは太宰だが、女生徒の書いた日記を基に一日に集約している。「愛ハ惜シミモナク奪ウ」と並んで有名な「生まれて、すみません」というエピグラフは、寺内という一行詩人のものだったが、寺内は終戦後間もなく駅で目撃されて消息を断っている。太宰治の辞書:太宰は女生徒の中で『ロココ料理』を示し、辞書を引いて「ロココ」の意味を「華麗のみにて内容空疎の装飾様式」と書いているが、それはどんな辞書だろう。掌中新辞典がどこかにないか。群馬新前橋の群馬県立図書館にあって、萩原朔太郎記念館も訪ねる。やはり、太宰は心の辞書を引いていたのだ(太宰の妻の実家にあった三省堂の日本百科大辞典には酷い説明がなされているのだが)~本の旅:文学好きの探索。川上とか又吉が太宰を褒めているのだが、今の作家が過去の作家を褒めているのを聞くと、学校の国語の先生の思い込みたっぷりの解説を聞いているようで嫌! この北村先生も早稲田を出たあと、母校の県立春日部高校で国語を教えながら、覆面作家として活動していた。いまや、春日部と云えば、しんちゃんだけどね

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2016/03/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

円紫さんシリーズ 2015年、もう続きはないのだろうと思っていたシリーズの新刊が出ました。 初めてこのシリーズを読んだ時、主人公は少し年下で、いつの時代のことかな…なんて思っていたのですが、実は母と同じくらいの年代の方だったのか…とビックリ。ちょっと前の時代のことだとは思っていたのですが…時代背景を読めば何かしらヒントはあっただろうに。でも、なんだか、さらに愛おしくなる。 今作は、円紫さんと初めて出会ってから、四半世紀近く経っています。立派な編集者となり、連れ合いもいて、中学生の息子もいる。去年、家も建てた。そんな「私」の物語。少しだけど、正ちゃんも出てきます! 「変なもんだね。若い頃だったら、まず《ちゃんと返せよ》っていったのに。ーでも、この年になると違うな。自分の好きだった本が、友達のうちにずっと置いてあるのも、悪い事じゃない」って言葉にジーンとする。 三島に始まり、ピエール・ロチと芥川の「鹿鳴館」、太宰「女生徒」へとつづき、そこにあるロココという言葉から、太宰の辞書探しの旅へーーー。 「生れて、すみません」は、実は太宰の言葉ではないなんて! NHKの番組で太宰を取り上げていて、その時は「斜陽」を主にやっていたのだけれど、愛人であった太田静子の日記が元になっているという事を知ってかなりビックリしたのだけれど、女生徒でもそういう事があったらしい。北村さんもこの番組を見ていたのかな…と嬉しくなる。 そして、他の人の文章を自分というフィルターを通して世に出していく太宰の凄さも。 と、いってもそのままの箇所も多くあって、静子さんや有明淑さんの凄さもまた知ることになる。 美しさに、内容なんてあってたまるものか。純粋の美しさは、いつも無意味で、無道徳だ。きまっている。だから、私は、ロココが好きだ。

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2016/01/22

日常の謎ばなしと思って読んだらかなりの太宰論だったので読み飛ばしてしまった。太宰が好きな人ならワクワクするのかも。

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2016/01/09

≪書を持って旅に出よう≫ 「私」が探索する『太宰治の辞書』をめぐる旅. 文献を渡り,人に出会い,大切な場所に駆け出していく「私」がまっすぐに描かれていて,本を読みながらきれいな空気を吸っているような気持ちになる. どうしてこんなにやさしい言葉を次々と紡ぐことができるんだろう. ...

≪書を持って旅に出よう≫ 「私」が探索する『太宰治の辞書』をめぐる旅. 文献を渡り,人に出会い,大切な場所に駆け出していく「私」がまっすぐに描かれていて,本を読みながらきれいな空気を吸っているような気持ちになる. どうしてこんなにやさしい言葉を次々と紡ぐことができるんだろう. 若干のネタバレ. 今回は,これまで以上に円紫さんは登場しない. そしてなんと,又吉直樹さんが実名で登場する. このシリーズは謎の真相を解き明かすミステリは勿論,数多くの書物や物語,人の語りを行き来するところが自分は面白くて,そうした「歴史」をときにかき混ぜときに普遍的なものを示してくれるのがうれしい. このシリーズ自体がもはや「歴史」. そんな「歴史」の中に又吉さんが出てきて,なんだか不思議な気持ちになった. その不思議な気持ちを何とか言葉にしたいけれど,難しい…. とにかく,これまでシリーズの中でも,短編ではなく一冊の本として通しで好き. 「女生徒」を自分が中学生の時に読んでなんとなく覚えているところが多かったというのもあるんだけれどね. あ,あと,旦那さんはやっぱり,あの人だよねぇ.

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