夜の国のクーパー の商品レビュー
目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」猫は摩訶不思議な...
目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」猫は摩訶不思議な物語を語り始める――これは猫と戦争、そして世界の秘密についてのおはなし。 伊坂作品が肌に合わないんだと思う。オーデュボンで挫折したものの人気だしテーマは面白そうだったので読んでみたがやはり苦手だった。つまりは何が言いたいのかいまいちよく分からないんだ。強いて言えば「とらわれないこと」なのかなぁ。途中までは結末がどうなるのか気になったしクーパーの話もわくわくしつつ読んだけど、終盤は現実が虚しすぎて興醒めしてしまった感じに近い。ハッピーエンドと言えるのか、これは。上手くいくことを諦めたら終わりっていうのは事実かもしれないが、相手が悪い場合にそれをろくに責めもしないのはどうなんだろう。主人公に肩入れできなかった。
Posted by
見知らぬ国の戦争の話。 気が付いたら倒れていた僕。僕の上には猫が乗っかっている。僕と猫が戦争を通じて世界の秘密に近づいていく話。 おとぎ話だが、どこか現実世界と通じているような気持になる。秋の夜長に不思議な気分になりたいときにはピッタリの本。
Posted by
小説としては少し分厚い感のあるものでしたが、面白く一気に読んでしまいました。 登場人物が多彩で、ここではない別の世界の小さな国とその住人。そこを占領に来た兵士達。その国に住んでいる猫。とその仲間とネズミ。それぞれが個性があり、生き生きと描かれていて、作品にのめり込ませていただきま...
小説としては少し分厚い感のあるものでしたが、面白く一気に読んでしまいました。 登場人物が多彩で、ここではない別の世界の小さな国とその住人。そこを占領に来た兵士達。その国に住んでいる猫。とその仲間とネズミ。それぞれが個性があり、生き生きと描かれていて、作品にのめり込ませていただきました。 そして重要人物として、この世界に迷い込んでしまった一人の男。猫に助けを求められてその小さな国に向かうことになる彼は、役所で働き、株価に一喜一憂する、私たちの世界の住人。仙台の港から船に乗って釣りに出たところ、この世界に迷い込んでしまったというところ。最後の方まで目立った動きもなく、主としては猫の視点で描かれることが多いのですが、物語のクライマックスはその彼が重要な役割を果たすことになり、とても盛り上がりました。 不思議なファンタジー的な内容ですが、世界観がしっかりあり、登場人物が生き生きとして動き、読み始めると世界にハマり込んでしまいました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
謎の生物「クーパー」。年に一度1つの杉が暴れだし、国に襲いかかってくるらしい。 そいつを倒す役目を担うのが「クーパーの兵士」。 動きだす植物!?そんなものが本当に存在したのだろうか。 クーパーの存在を見た瞬間、私はジョン・ウィンダム氏の食人植物「トリフィド」を思い出しました。(偶然?にも解説の方でもこれは言われていてちょっと嬉しくなったのは私だけだろうか。) そういった生物が他の作品にも登場しているということはクーパーはこの物語の中では本当に存在する生き物なのかな、、、 と読み進めているうちに中心のネズミが猫達に急に教われないようにする為のとある提案出してくる。 そのひとつはそのまま他のネズミたちに説明したのでは彼らは進んで提案を受け入れてはくれないだろう。 そして彼らを納得させる為の説明方法を見た瞬間にピーン!ときてしまった。 もしやクーパーの存在もそういう感じなのでは!?と。 ここまでは予想できたものの最後の国王の正体までは気が回りませんでした。 すっかり最初の国王の登場シーン、猫や国民の国王像にやれれましたね。いやはや、伊坂さんにしてやられたなという感じです。息子と全く違う父親だとは思ったけれど、単に子に激甘な親なのかなとスルーしてしまった。 私は伊坂幸太郎さんの作品を読むのはこれが初めてですがなかなか読み進めやすいかもと感じることができたので、また別の作品も拝見したいなと思いました。 (一度、中学生時代に伊坂作品を立ち読みして諦めた経験があるのです、、、)
Posted by
どんな謎が隠されているのか。 まどろっこしく感じる物語の展開を、耐えて耐えて耐えた先に現れた真実に、思わず声をあげました。 自分たちが当然だと思っていることは、本当に当然なのか。 胸のすく物語でした。
Posted by
語り手が猫でおとぎ話のようで、そうではなかった。騙された!国と国や猫と鼠の関係のリンク!この弱肉強食な世界で、ほんのわずかでも相手に寄り添おうと向きを変えればその2つの線はいずれどこかで交錯するかもしれない。歩み寄ることの大事さを再認識。
Posted by
外に敵を作って自分を守るっていう表現が鮮明にあたまにのこってる。自分が目下の者にやってることは自分の元にかえってくるんだなー
Posted by
発表した作品が次々と話題作となり、映像化されることも多い、伊坂幸太郎。 僕も、この作家さんの作品をチェックしている読者の一人です。 書店を巡っていたら、この作品が文庫化され平積みされていたので、読んでみることにしました。 物語は大きく2つの視点で、描かれています。 隣の国との...
発表した作品が次々と話題作となり、映像化されることも多い、伊坂幸太郎。 僕も、この作家さんの作品をチェックしている読者の一人です。 書店を巡っていたら、この作品が文庫化され平積みされていたので、読んでみることにしました。 物語は大きく2つの視点で、描かれています。 隣の国との戦争に敗れた国。 その国に、敵国の兵士たちが入り込んできます。 かたや、家庭の悩みを抱えた 、役所勤めの男。 仙台から小舟に乗った彼がなぜか、草原に横たわり、猫と会話しています。 このように、どちらも非日常的で、しかもお互いに関係が無いようなシチュエーションから、物語がスタートします。 読み進めるにつれて、それぞれの謎が明かされていって・・・という展開。 舞台設定や謎解きの部分などは、この作家さんの初期の作品の雰囲気が出ているなあと、感じました。 そして、作品の中で繰り返し言及されているのが、「大勢の人を統率するとは、どういうことなのか」。 これまでに読んだ作品でも触れられていたので、作家として追求しているテーマの一つなのでしょうね。 ラストの展開には少々、違和感を受ける部分がありましたが、不思議な世界を味わえる、読みごたえのある作品でした。 『PK』伊坂幸太郎 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/406277965X .
Posted by
おとぎ話であります 『オーデュボンの祈り』を思い出しましたが・・・・・ 個人的には イマイチ・・・・・・ 妻に裏切られたごく平凡な男 気がつくと蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた 胸の上には猫が居座っていて、男に話しかける いつから猫と会話ができるようになったのか 猫は自分...
おとぎ話であります 『オーデュボンの祈り』を思い出しましたが・・・・・ 個人的には イマイチ・・・・・・ 妻に裏切られたごく平凡な男 気がつくと蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた 胸の上には猫が居座っていて、男に話しかける いつから猫と会話ができるようになったのか 猫は自分の国で起きた戦争と樹の怪物の話を始めて・・・・・・ てなお話 今現在、猫の話を聞く男のお話と猫が体験した戦争のお話が同時進行していきまして、最終的にこの二つの物語が接点を持つわけであります 『クーパー』とは樹の怪物であります 猫が住む国は『クーパー』を撃退するために毎年、選ばれし者が戦いを挑みます また、それとは別に鉄国という強国と戦争をしているということで、村の周りには高くそびえる壁を擁しています 伊坂氏によると制作中に『進撃の巨人』と設定がかぶってしまったため巨大怪物を樹に変えたということであります 井の中の蛙 目に見える現実は本物なのか そして、自分の帰る場所とはどこなのか 伊坂ワールドは「プンプン」します ごく普通の男がごく普通の生活の果てに妻に裏切られ趣味の釣りをしてたらなぜか猫と会話できる世界へ飛んでる この間の何とも言えないやるせなさと時空??のズレ ここが「ぼやー」としているところに独特の浮遊感を感じます 最後は男が猫の住む国へ行くのですが ここで本物の『進撃の巨人』が登場いたします 楽しいか、楽しくないかは嗜好の問題だと思うのでファンタジー好きならいけるかもね
Posted by
いまいちな評価ぽかったので期待してなかったけど、後半とまらなかった。最後のどんでん返しは、うっすら予測してたけど、楽しかった。メッセージ性が濃くありつつもすごく楽しいエンタメに仕上げる真骨頂という感じ。
Posted by