それを愛とは呼ばず の商品レビュー
最終章での衝撃的な展開。私もそれを愛とは呼ばない。それは恐るべき独りよがりの歪んだ思い。そんな紗希に取り込まれてしまった亮介は最期どう思ったのだろう?
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妻を失い故郷を追われた男と夢を失い東京に捨てられた女。交わるはずのない二人が出会った時、運命の輪が大きく軋み始める。最初から最後までよくわからない作品だった。基本的に桜木紫乃の作品が苦手なのかもと実感させられた。
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予想とは違う展開に、話がどこに向かっていくのか不安に感じながら読み進めました。タレントとしての契約を切られ、副業も辞めた紗希。社長である妻が事故に遭い、会社も追われ、北海道にやってきた涼介。涼介が紗希に感じていたのは愛ではなく愛しみ(かなしみ)。春奈と再会し、幸せの中死んでいった小木田。彼の死が、少しずつ紗希を狂わしていったのだろうか。涼介の幸福を閉じ込めて永遠にすることに決めた気持ちを、愛と呼ぶのだと考える紗希が怖すぎる。
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これを愛と呼ばなかったら 何を愛と呼ぶのだろう… ただし自分の気持ちだけではあるが。 愛は双方向よね。 これは独りよがりかな。 今まで読んだ桜木さん作品の中で 1番好き♡
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伊澤と沙希の感情がどこにたどり着くのか知りたくて、一気読みしました。 たどり着いた先は…、それを愛とは呼ばないんです。 2015年6月21日
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あまりにも切ない愛の話。この結末は、まったく予測出来ませんでした。やや唐突にも感じますけど、読後しばらくするとすんなり腑に落ちました。
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序盤は退屈だったけど、文章の読みやすさからほぼ一気に読めた。 最終章はこうきたか!と展開を全く予測できてなかったので、唐突に終わった感。 やはりこの作家らしく鬱々したじめっと暗い情景なんだけど、最後に暗さを残さずにそれは愛だったのか?読者に委ねるられ、法律家でない私もそれは愛じゃ...
序盤は退屈だったけど、文章の読みやすさからほぼ一気に読めた。 最終章はこうきたか!と展開を全く予測できてなかったので、唐突に終わった感。 やはりこの作家らしく鬱々したじめっと暗い情景なんだけど、最後に暗さを残さずにそれは愛だったのか?読者に委ねるられ、法律家でない私もそれは愛じゃなかったろと思う。 もう誰も、さびしい思いのまま死んでほしくない。ささやかな幸福感の中でしか、人は夢を見られない。 ひとは言葉に殺され、言葉に生かされているのだ。 もっと言葉を大事に生きていこうと思う。
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なんというか、間違った愛の形。 読後不思議な気分というか?が着く。 それを法律家は愛と呼ばないという。 でもそれを愛と感じる、私。 蜘蛛の糸にとらわれてしまった男と将来を断たれた元タレントの静か狂気。しかも、男の方も気づいている。 私は、きっと殺人幇助かなと思った。 なんかい...
なんというか、間違った愛の形。 読後不思議な気分というか?が着く。 それを法律家は愛と呼ばないという。 でもそれを愛と感じる、私。 蜘蛛の糸にとらわれてしまった男と将来を断たれた元タレントの静か狂気。しかも、男の方も気づいている。 私は、きっと殺人幇助かなと思った。 なんかいつもの桜木紫乃の作品と違って新鮮だった。
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設定やそこで起こる出来事が、ではなく、登場人物の内面の描写がいつもより"薄い"印象。まず、主人公の一人である亮介と妻の章子との関係が描き足りていないと感じた。さらにもう一人の主人公である紗希の心の動き。ラストに向けての敢えて、なのかもしれないけど、やっぱりちょ...
設定やそこで起こる出来事が、ではなく、登場人物の内面の描写がいつもより"薄い"印象。まず、主人公の一人である亮介と妻の章子との関係が描き足りていないと感じた。さらにもう一人の主人公である紗希の心の動き。ラストに向けての敢えて、なのかもしれないけど、やっぱりちょっと物足りなかった。丹念に追ってはいるのに踏み込んでいないというか。新聞連載のせいかとも思ったものの、読後に何かの記事を読んだら先に仕上げてあったということだし。まぁ、桜木さんといえどこういうこともあるのでしょう、ということで。
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10歳年上の女社長と公私共にパートナーである中年男と、売れないままにタレント業から足を洗ったアラサー女性とが、交互にストーリーを進めていく。 妻を支えながら真摯に仕事に向き合ってきた男だが、事故で妻が昏睡状態になるや否や会社を追われ、北海道の奥地の廃墟のようなリゾートマンションの販売の仕事に就く。まじめが取り柄で争いごとを好まず、不当な扱いを受けても抗わずに、悩みながらも結局はすべてを受け入れて流されていく姿は、もどかしい。 そんな男だからこそ、人形のように美しいけれど、徐々に精神の均衡を欠いていく女が近づいてくるのだろう。柔らかに吐き出す見えない蜘蛛の糸に絡め取られていく様は、読みながらじわじわと息苦しさを感じるほど。 さらに、最終章を読みはじめて、絶句。 小さな幸福を感じているままに苦しみから解放してあげたいという女には、少しの悪意もないところがまた恐ろしい。何とまあ、とため息の出る結末だった。
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