アルジャーノンに花束を 新版 の商品レビュー
読むのにとても時間がかかった。でも、すごい。と思った。 教育に関係している1人としては読んで良かったと思ったし、また数年後に読むべきだと思った。 難しいところもあったけれど新しい感覚になりとてもためになった気がしている。
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結構なボリュームで時間はかかったが最後はチャーリーとアルジャーノンがどこかで幸せに暮らしていて欲しいと願わずには居られないくらい心が揺さぶられた。
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主人公視点で進行する物語。 感情を強く感じる。 翻訳された文章が難しく感じるとがあったものの、読み終えることができた。
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翻訳なのでたまに文章がわからない時がありましたが、全体を通して考えると、本当の感動がわかるのは先だと感じた。 何も失うものがない時の夢を見る無邪気な心というのはとても大事でとてもいいものなのである。 それが叶った時にまた違う悩みにぶち当たるそう読んでいて実感した。読んでいる途中まではそう言った感想だった。 しかし、最後まで読むと思ったことは全然違い、チャーリーは救われたのだと思った。 辛い体験が辛いと実感をし、頭の良い人側の経験をすることでとても辛い日々を送ったのであろう。でもその経験があり、難しいことは忘れてもその経験が思いが残っているからこそ、素晴らしく生きることができているのではないかと読んでいて思った。 まだまだ可能性がある小説で、何回読んでも考えを変えることができるのではないかと思います。 次読む時には完璧にわかるようになれたらいいなと思います。
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人間的愛情によって裏付けされた知能や教育でないと意味はないんだ… 知的障害を産まれ持つ主人公。「ぼくはかしこくなりたいんだ」と訴え、IQ向上手術を受け入れる。急激に成長を見せ、全てが成功したかのように見えた。しかし、彼は人間との関わりあいの中で育まれる愛情を無視して知能を発達させてしまったため、人間関係という壁にぶち当たる。そうした試行錯誤の中で、自分の中で少しずつ愛情について分かり始めるようになる。ただ、それと同時に急成長したIQにも限界が来ていることを悟る。自分の最期に向け、やらなければならないことを整理し、全うするが、徐々に後退していく自分の体に怯えることになる。愛する人を愛せなくなること、友人が友人でなくなること、惨めな自分を見せるのが億劫になること、悩みが尽きず苛立ちを覚える日々。しかしある日を超え、悩みを意識できなくなる。幸か不幸か、彼は悩みから解き放たれ、人の優しさに素直に答えられるようになったが、それが彼の本当の最期となった。 帯のように、涙があふれでるということはなかった。ただ、考えさせられる場面が多々あった。それが冒頭の一文に集約されている。頭がいい、それだけでは人生を生きるには難しすぎる。この世界は人との関わりあいでできている。思いやっているつもりでも、高いIQのせいで生じる言語の壁が心の壁となる。私もよく感じることだ。政治や経済、宗教、科学を女性との会話で話題に出すと蟠りを感じる。恐らく、子供が出来たら更に養育費や保険金、育児方法など議論にならない話し合いが繰り広げられる。ただ、できないからといって目を背けられる問題ではない。相手を思い遣り、話す人によって言語から話題まで使い分け、行動することが必要なのだ。きっと相当難しいことだろう。仕事で疲れていたら、そんな気遣いも意識できなくなる。 愛情を育む、それに尽きる。気遣いや意識を自然とできる。それが人間であり、人間としての愛情なのだ。産まれ育った環境にも依るかもしれない。でもそれも言い訳にできるのはいつまでか。人の気遣いに敏感になり、愛情を受け取り、愛情を注ぐ。その繋がりを大事にすることが愛情を育むことに繋がる。一個人としての学びにもなったが、現代社会に足りないものでもあるのではないかと思った。
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天才と秀才の違いを考える時、私の脳裏に浮かぶのは、中高時代のクラスメートである。 私の中でその子は「秀才」の部類に入る。 大変な努力家で、学校の成績やピアノの腕前はピカイチ。そのうえ誰にでも優しくて、悪口を聞いたことすらない。合唱コンクールでその子がピアノを担当した時も「今のパー...
天才と秀才の違いを考える時、私の脳裏に浮かぶのは、中高時代のクラスメートである。 私の中でその子は「秀才」の部類に入る。 大変な努力家で、学校の成績やピアノの腕前はピカイチ。そのうえ誰にでも優しくて、悪口を聞いたことすらない。合唱コンクールでその子がピアノを担当した時も「今のパート歌いにくかったかな?じゃ、もう1回行こっか♪」と笑顔で呼び掛け、同級生たちの表情が和らいでいったのを今でも覚えている。 継続的に努力ができて、その分(それ以上の時も)の実績を残せて、人への気配りもできるのが、私の思い描く秀才像。 かたや天才は、生まれつき知能が飛び抜けているけど、そのせいで周囲から孤立してしまう。本書中盤のチャーリイ・ゴードンがまさにそれだ。嫌われようがお構いなし、「何故周囲の誰も知識の追求をしないのか」と、時には荒々しく人に当たったりもする…。 「彼女にも他のみんなにももはや言うべきことは何もない。だれひとり私の眼をのぞきこもうとするものはいない。敵意がひしひしと感じられる」(P 170) 世界的に有名な古典的SFで、日本ではドラマ化もされた本書。 知的障害者の青年チャーリイは、幼い頃から賢くなることを夢見ていた。ある日、知的障害者学習センターのキニアン先生が、頭を良くする手術の話を彼に持ちかける。先に手術を受けた実験用白ネズミ アルジャーノンと検査用ゲームで対決し、チャーリイが勝利。術後、チャーリーの知能は短期間で天才レベルへと達していく…。 この「天才レベル」というのが、学者以上の学術的見識を持ち合わせていたり、約20ヶ国語を喋れたり、しまいにはピアノの作曲をしちゃったりと、とにかく半端ない。 さらに特筆すべきなのが、文章だ。 物語は、チャーリイが手術を担当したストラウス博士らに宛てた報告書で進められる。最初はひらがなや誤字脱字だらけだったのが、全体の半分も行かないうちにアカデミックになっていく。 また、術前は気にも留めていなかったことに敏感になり、初めて怒りの感情を露わにすることも。(教授の名前をナチュラルに呼び捨てにしていたのが、何よりも驚かされた) 「私の居場所とは何か?私はどこのどういう人間なのか?今の私は人生の総計なのか、それともこの数ヵ月の小計なのか」(P 233) 「かしこくなったらみんなぼくを好きになって友だちがたくさんできる」 チャーリイがそう願ったように、未熟だった私も秀才ちゃんを見ながらそんなビジョンを思い描いていた。でも、知識だって優しさだって、自分の全人生をかけて培っていかないと身につかない。 術前のチャーリイは誰にでも優しかった。テストにパスしなければ餌を貰えないアルジャーノンや、孤島で一人きりになったロビンソン・クルーソーにまで、同情を寄せていた。毒親や妹から邪険にされても、それは決して失われず。馬鹿にする人はいれど、その分守ってくれる人だっていた。 キニアン先生が話していた「あたしたちに尊敬する心を起こさせるような何か」って、きっとそれだ。天才には持ち得ないものを、彼はちゃんと持っていたのだ。 人が欲するのは、全能か、優しさか。 その答えを忘れぬよう、秀才ちゃんの記憶と本書を大切に抱えておこう。
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まず初めに翻訳家の小尾芙佐さんの翻訳の技術がとにかく素晴らしいです!小尾芙佐さんの技術のおかげでチャーリーをよく知る人物、または自分自身のことのように感じさせるのではないでしょうか? 様々な工夫がされているのでぜひあとがきまで読んで欲しいです。 この本は読者の経験や、どのような...
まず初めに翻訳家の小尾芙佐さんの翻訳の技術がとにかく素晴らしいです!小尾芙佐さんの技術のおかげでチャーリーをよく知る人物、または自分自身のことのように感じさせるのではないでしょうか? 様々な工夫がされているのでぜひあとがきまで読んで欲しいです。 この本は読者の経験や、どのような考えを持って生きてきたかで抱く感想や感情が異なってくるのではないでしょうか? まだ人生の1割も経験していない私はただただアルジャーノンとチャーリーの幸せを祈るのみです。
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超好き。読むべき作品。 発想もさることながら、文章の読みやすさやストーリーの明快さ、抑揚がこの本の基盤となっている。 読み進めるうちに引き込まれるような魅力がある。
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知能が低い時は、友達と思っていたが、知能が上がると馬鹿にされていると気づくなど、どちらが彼にとって幸せなのか考えさせられる。 終盤、知能が戻ってしまったチャーリィが、以前愛していたアリスのことを忘れ、「こんにちはキニアン先生」と以前の呼び名、以前の姿を見せてしまい彼女が泣くシーンが印象的だった。
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彼の純粋無垢さが、尊く、羨ましく、また悲しく思えた。 彼の一貫した強さが、読後、自分にとって御守りのようなものになった。 自分はもっと世界を知るべきで勉強して知識を身につけるべきで賢くなるべきなのか、はたまたもっとバカになるべきなのか、分からなくなった。 幸せとは何か、考えさ...
彼の純粋無垢さが、尊く、羨ましく、また悲しく思えた。 彼の一貫した強さが、読後、自分にとって御守りのようなものになった。 自分はもっと世界を知るべきで勉強して知識を身につけるべきで賢くなるべきなのか、はたまたもっとバカになるべきなのか、分からなくなった。 幸せとは何か、考えさせられた。 最後の一行が、泣けた。
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