傷口から人生。 の商品レビュー
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“この道で皆が直情的になるのは、幼稚な願望の発露なのかもしれない。けれど、自分の国に帰った時、こんなふうに自分の感情を素直にぶつけられる場所や相手がいないことは、本当はとても悲しいことなのではないだろうか。うまくやらないといけないんだろうか。私たちは。「いい人」以外は価値がないんだろうか。泣きたい時に泣いて、怒りたい時に怒りたいと思うのは、幼稚だろうか。心が弱い証拠なのだろうか。弱いのはいけないことなのか。” 私に壮絶な過去はないけど、 辛くて全部周りのせいにしたくて、でもどこか前に進みたいって気持ちは私にも共感できた。 人生につまづいたり転んだりしてこのまま立ち直れないんじゃないかって不安になったとき、背中を押してくれる本だと思った。
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スペインの聖地巡礼の中で、誰しも心当たりがあるんじゃないかと思うどす黒い感情と、その感情を薄めてくれる他人とのやり取りがつづられている。つまらないという意味ではなく、読み進めるのがシンドイと感じた本。
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サンティアゴ・デ・コンポステーラについて記載されている記事で知った本。 読中はジェットコースターに乗っているときのように目まぐるしく感じた。 こういう人もいるんだな、というのが一番の感想。
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若いなぁと思った。 荒削りだなぁと思った。 だからといって必ずしも珠に育つかどうかは分からないけど。ね。
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うぉぉ…作者の小野さん、めっちゃ勉強できますやん。 TOEIC950点とか、慶應義塾大学とか……うちの親だったらそんな成績持って帰ったら泣いて喜ぶな。 でも、それでも、小野さんの母は満足しなかったんだねえ。贅沢者だな〜。 途中で、友人(確か)に、「お前は自分の不幸をお母さんと祖母のせいにしている」って言われてたけど、実際そうでは? 確かに、不本意でも人生は自分で選択したことの連続ではあるけれど、小野さんの場合実際そうじゃん…と思うわ。 子供時代に母親からの無関心ってつらいと思うぞ〜。 でもお母さんも祖母も改心してくれて良かったよね。 人間って普通なかなか変われないし、継続しているようですごい。 エリートでもこんなに悩んでるんだな〜って思うと、人生が果てしなく辛く思えて救いがない。 勉強して、いい学校入っても、辛いなら意味ないじゃん! 改めて、人生って「何をするか」よりも、「何を考えるか」で楽しさや辛さが変わるものなんだなと思った。 辛いけど、私も与えられた今の自分の人生の中で「幸せ」だと思いながら生きるしかないんだな。 人生は辛いな。
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読みやすくてスラスラ読める。作者に感情移入してしまったり、自分重ねてしまう部分があり、少し読んでいて辛かった。自分の中の色々が思い出されてきて少し泣いた。 以下特に好きな章 ✩特別になりたい?(p28〜34) 書いてあること全て良い。特別になりたいって誰もが少しは思ってることだと思う。他人を馬鹿にして見下して自分の自尊心を守る。 ✩魂の速度(p35〜45) リタの台詞「大事なのはね」「自分の、魂の速度で生きることなのよ。」社会から振り落とされないように必死に他人と並走して、だけど疲れていつの日か振り落とされる。ずっと他人の目を気にしていたけど、この台詞のおかげで、自分の魂の速度を見直してみようと思えた。他人と並走する必要なんてない。 ✩他人のものさしに傷つかない方法(p69〜75) 他人が話す幸せと自分を比べて、あぁ私は幸せじゃないんだ普通じゃないんだと傷付いたことが私にはたくさんある。他人の目が気になるから他人と違う幸せが怖い。同じじゃないと不安。でも人それぞれ人生があるように、幸せの感じ方も人それぞれなんだと改めて気付いた。 ✩a part of crew(p130〜139) 薄っぺらい人間関係の中でSNSのいいね!だけを気にして生きる。いいね!の数=自分の価値。SNSを開けば友人がいるけどその友人に何かを相談したりできない。上辺だけで綺麗な言葉だけを並べていく。私も魂をぶつけ合う人間関係が欲しい。 他人を馬鹿にしないとか、自分の魂の速度で生きるとか、幸せの感じ方も人それぞれとか、魂をぶつけ合う仲間を作るとか、当たり前のようだけどできない。でもこの作者のように、就活を辞めて旅に出ることができる人なんて、そんなにいないと思う。みんな本当は気付いているのに目を背けて“いい感じの私”を演じている。私もそうだ。きっとこの本を読んでもいい感じの私で社会の中で生きる。だから私からしたら、作者は特別だ。
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少し寂しくなる。 だがとてもスッキリする。 変な感じだ。 こんな感覚は今までにない。 と言うことは、良書ではないかと考える。 読む前と読み終わった後の自分の世界観が変わった。 俯瞰的にものを見ないとなどと良く言いますが、今まで見てた世の中の完全に外側の話だなと。 自らの考え方の枠...
少し寂しくなる。 だがとてもスッキリする。 変な感じだ。 こんな感覚は今までにない。 と言うことは、良書ではないかと考える。 読む前と読み終わった後の自分の世界観が変わった。 俯瞰的にものを見ないとなどと良く言いますが、今まで見てた世の中の完全に外側の話だなと。 自らの考え方の枠の小ささを痛感する。 生憎私は両親や祖父母がいる中で育った。 両親の愛を感じれなかった時は祖父母が愛をくれた。 だから心のバランスが取れていて、ここまで来れたんだと思う。当時の僕はそれは当たり前だと思っていた。 普通だと思っていた。 でも今思えば、片親の友達もいたし名字が変わる子もいた。 不登校の子もいたし、不良もいた。 自分の家には愛があったから、そう言う人たちもいていいんだと認めれたし交友関係を続けることが出来ていたんだ。 でもだ。 それは自分の小さな世界観の一方通行な見方だったんだ。 当の本人たちはもっと違ったんだろう。 いや、違ったはずなんだ。 それを37歳の今、感じることが出来たことはとても良かった。 自分では当たり前だと感じていた世界を、そうでもない世界もあると分かってるつもりだったけどなー。 さらにそのむこう側があったんだなー。 TOEIC950点、留学、最高峰の大学、インターン。 最強の履歴を引っさげ大企業に面接。 パニック障害、リストカットに、タンポンを売って小遣いを稼ぐことも僕には分からない世界。 だけどもだ。 負であったことを文字にし伝えるパワー。 色んな人が存在しているんだと今一度感じることが出来たことが、また僕の豊さへ繋がります。 また1人僕の中に生まれました。
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朝帰りの電車の中で少しずつ読んだ。 読む前と読んだ後で世界の見え方が変わる本が良い本で、変わらない本は悪い本だと思っている。 この本は前者だ。 ちょっぴりハッとさせてくれる。
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なんだろ…文章はうまい。 けど、家族と上手くやっていけないとか、社会に馴染めないとかをさらーっと書いて、自分なりに解決するために気づいたことをまとめているので、それぞれの問題が突出して悩んでいる人には物足りなく思う部分があるだろう。 ただし、自分の殻を突き破るために、「なんとな...
なんだろ…文章はうまい。 けど、家族と上手くやっていけないとか、社会に馴染めないとかをさらーっと書いて、自分なりに解決するために気づいたことをまとめているので、それぞれの問題が突出して悩んでいる人には物足りなく思う部分があるだろう。 ただし、自分の殻を突き破るために、「なんとなく」とか「自分の思いとは裏腹」に筆者が経験した体験というのは、いささかショッキングでもあり、誰もがやってみたかったと思う物事だったりする。 まるで5歳の自分がSMや性癖に関する本を覗いてのめり込んでしまうような感触である。 ひきこもりだけじゃなくて、身の周りの何かに違和感を感じる人に読んでほしい一冊。
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勿体ねー。 第一声はそれだった。 第一志望のしかも最終面接まで漕ぎ着けたのに、ぶん投げてメキシコへの旅とか、ほんと、勿体ねー。 それは筆者も分かりきっているはずだと分かるのだけれももそれでも、思ってしまう。勿体ねー。 誰もが羨む才能や持ち札の数々。 留学経験、インター...
勿体ねー。 第一声はそれだった。 第一志望のしかも最終面接まで漕ぎ着けたのに、ぶん投げてメキシコへの旅とか、ほんと、勿体ねー。 それは筆者も分かりきっているはずだと分かるのだけれももそれでも、思ってしまう。勿体ねー。 誰もが羨む才能や持ち札の数々。 留学経験、インターンシップ、その他諸々、みなが喉から手が出るほどに欲しいそれらを持ち、持っていて、だのにパニック障害という存在のために不意にせざるを得なくなる。 しかもそれを理解しながらも彼女はやはり人を見下しているのだな、と虚しくも思う部分まで多々ある。 そんな憎まれ口をたたくなら、そもそもはチューターのわけのわからん問いかけなぞ無視しときゃよかったのにそれが出来ず自分にできることはなんだ?とか思い始めてぐるぐるしちまった自分をまず恨む必要があるかなぁとは。 穿った見方だけれども。 誰にでも蔑みの心や羨みの心はあるから、それが悪いってわけじゃない。 ただ、それでも、ねぇ。
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