サーカスの夜に の商品レビュー
母が、サーカスが好きで、居住都道府県でサーカスがある時は付き合わされる。一昨年は、木下大サーカスやシルク・ドゥ・ソレイユのキュリオスに行った。 シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマンスがサーカスにカテゴリー該当するかわからないが、ラスベガスでも、オー(O)、カー(Ka)、ズーマニテ...
母が、サーカスが好きで、居住都道府県でサーカスがある時は付き合わされる。一昨年は、木下大サーカスやシルク・ドゥ・ソレイユのキュリオスに行った。 シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマンスがサーカスにカテゴリー該当するかわからないが、ラスベガスでも、オー(O)、カー(Ka)、ズーマニティー(Zumanity)、ミスティア(Mystere)、ラブ(Love)を見た。きっと、私自信も、サーカスが好きなんだと思う。オーを初めて見た時は衝撃的で、それから5回以上は見ている。ただ、詳細なパフォーマンスの記憶はだんだんと忘却しているものの、あの時の感動は今も覚えている。特に、いつも始まった直後のあのドキドキの興奮感がたまらなくて、この瞬間が好きだなぁと、興奮を客観的に見ている自分がいる。 「離ればなれになった両親とかつて一緒に見たサーカス。忘れられないその不思議な世界の一員になることを目指して入団した少年の前に現れる、自由で個性の強い人々。クラウン、ピエロ、ブランコ乗り、ジャグラー、そして美味しいお菓子やスープを作ってくれるコック。少年は少しずつ綱渡りを学んでゆく。心躍る物語。 (本書紹介文より)」 実をいうと私の中のサーカスのイメージは、あまり良くない。イメージは見世物小屋であるからだ。それこそ、日本の時代劇で、身体的なハンディキャップのある人を小屋の中で見せ物にして、お金をとっていたようなマイナスのイメージである。外国ではそんなことはないのかもしれないが、何故か、そんな連想をする。 今では、シルク・ドゥ・ソレイユのイメージが強くなりすぎて、そんなことも忘れてしまいがちで、逆に団員の人たちは、かつてアスリートとして活躍していたような身体的に秀でた人たちが集まる集団のようなイメージがある。 そしてこの作品で、知った事実がある。 1つ目は、時代の流れ、背景である。私が小さい頃に見たサーカスでは、沢山の犬、犬だけではなく象や猿や動物がたくさん登場していた記憶がある。 しかしながら、本作でペンギンの死で、動物愛護団体から叩かれたというところを読み、「ああ、そうか。」と、いろいろな時代の流れ、背景があることを知った。 2つ目は、クリニクラウンという確立した名前を持つ職業があるということだ。確かに、身体的、精神的な病気を抱えている人達にこそ、非日常的な体験、感動、笑いが必要だと思う。パフォーマーにとっては、自分たちのパフォーマンスが人を笑顔にさせる力があると実感することが、何よりの充実感、モチベーションアップになる。それは双方向のwin-winである。だからこそクリニクラウンたる存在がいかに重要であるかは、よくわかる。主人公の少年だからこそ相手の気持ちも自分たちの気持ちもわかるのではないかと思えた。 余談ではあるが、この場面で、トロのクラウン芸に対しる表現に『運命との和解』という言葉が使用されていた。この言葉のインパクトがとても強く、クラウン芸を受ける側だけでなく、行う側が意思のようなものを感じた。 少年は、過去の幸せを求めて、サーカスという世界に飛び込んでいく。そして、その世界で自分に与えられた役割に取り組んでいく。最初は、コックの見習い、そしてトイレ掃除、そしてジャグリング、ついには綱渡り師を目指していく。ハンディギャップという世界からだんだんと離れ、生き生きとしていく様が描かれている物語であった。
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ひとりぼっちで、グランマとおじさんと暮らしていた少年は、自分を置いていなくなった両親と楽しく過ごした唯一の楽しい思い出、サーカスに行った事を思い出す。 病気で10歳より大きくなれない少年は、大好きなサーカス団に入り、自分の居場所をみつける。
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10歳の見た目のまま成長が止まってしまった13歳の少年がサーカスに入る話。両親は幼い頃に離婚しグランマに育てられた。13歳の誕生日、少年は小さい頃に見たサーカスに憧れグランマとおじさんの反対を押し切りサーカスに入団する。 レインボーサーカスには優しく、少し変わった団員がたくさん。...
10歳の見た目のまま成長が止まってしまった13歳の少年がサーカスに入る話。両親は幼い頃に離婚しグランマに育てられた。13歳の誕生日、少年は小さい頃に見たサーカスに憧れグランマとおじさんの反対を押し切りサーカスに入団する。 レインボーサーカスには優しく、少し変わった団員がたくさん。サーカスで生まれ育った団員達には叶わないと思いながらも、少しずつジャグリングや綱渡りを覚えていく。 少年が、小さいことを自分で受け入れられるようになったことに成長を感じた。団長とその娘(息子)ナットーの関係も良かった。 私もサーカス見に行ったことあるけど、ダイナミックで感動したのを覚えとるな〜。練習があっての本番なんだろうな〜って思う。命懸けでするって凄い。団長の「恐れろ」って言う言葉は娘を失った団長から出た言葉だからこそ重みがあった。
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少年、あなたが想像できることは、実現できることよ。道は、自分で切り開くものなんだから! 良くなかった点を挙げてみろ。3つ。 とにかく少年、嘘をつかずに、正直になんでも思ったことを話すんだ
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僕は子供の頃に服用した薬のせいで、成長ホルモンの分泌が止まり、見た目が10歳くらいでこれ以上大きくなれない体になった。 僕の変えられない体。しかし自分の意思で心は変えることができる。心は自由で、どこへでも行ける。 自分の変えられない体を事実として受け入れて、運命と和解し、成長して...
僕は子供の頃に服用した薬のせいで、成長ホルモンの分泌が止まり、見た目が10歳くらいでこれ以上大きくなれない体になった。 僕の変えられない体。しかし自分の意思で心は変えることができる。心は自由で、どこへでも行ける。 自分の変えられない体を事実として受け入れて、運命と和解し、成長していく姿が強く美しい。
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少年のサーカスでの暮らしぶりが読んでいて楽しいので、ページをめくるのも楽しく、すらすらと読み進める事ができる小説でした。 個性豊かな登場人物たちそれぞれに様々な背景があり、少年とのやりとりも凄く面白くて、レインボーサーカスの中に引き込まれていく感じでした。 少年のデビューが決まり、専用の箱が与えられることになった時のコックとの会話力に、ほろっとなりました。二人の会話も凄く楽しかったな。少年も淋しいだろうけど、コックはもっと淋しいだろうな。少年のデビューはうれしいけど、せっかくできた小さな相棒と箱も別々になり、今までみたいに一緒にいれなくなるコックの想いが伝わってくる場面でした。 少年がこれからも経験を重ね、少年にしかできないパフォーマンスで人々を魅了する素晴らしい綱渡り師になるのが想像できました。そんな少年の綱渡りを見に、レインボーサーカスに行きたくなるような、楽しい一冊でした。
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人を笑わせることは難しい。人生の哀しみを知らなくては、相手を笑わせることは出来ない。孤独を知っているからこそ、皆んなでバカ笑いできる幸せをありがたく思えるのよ。b yローズ
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サーカス見に行けばよかった。 さいたま市で開催されてたサーカス昨日が千秋楽だった。 グレーテストショーマンが、思い出された。 「このサーカスは、自由なんでしょっ。国籍も、宗教も、性別も、肌の色も、年齢も、政治的な信条も、あらゆる境界線から解き放たれている。」主人公の少年が叫ぶシー...
サーカス見に行けばよかった。 さいたま市で開催されてたサーカス昨日が千秋楽だった。 グレーテストショーマンが、思い出された。 「このサーカスは、自由なんでしょっ。国籍も、宗教も、性別も、肌の色も、年齢も、政治的な信条も、あらゆる境界線から解き放たれている。」主人公の少年が叫ぶシーンが好き。
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とても好きな作風とお話でした。 少年の成長と、大人たちの厳しい中でのささやかな幸せなど、 嫌なえぐ味がなく描かれていて どこか幻想的で切ない世界観がとてもあっていました。 外国が舞台ですが外国というより異国という感じで、 それがまたちょうどよかったです。 ずっとなにかこみ上げて...
とても好きな作風とお話でした。 少年の成長と、大人たちの厳しい中でのささやかな幸せなど、 嫌なえぐ味がなく描かれていて どこか幻想的で切ない世界観がとてもあっていました。 外国が舞台ですが外国というより異国という感じで、 それがまたちょうどよかったです。 ずっとなにかこみ上げてくるのを我慢しつつ読みました。 大きな波はなくても静かに感情を揺さぶってきます。 個人的に悲しみを悲壮感だけで描かないのが良かったです。 それでも生きていくのだという力強ささえありました。 登場人物もよかったです。 図書館の「本日返却された本」コーナーでなんとなくひかれて 手にとったものでしたがとてもよかったです。
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図書館で借りたもの。 離ればなれになった両親とかつて一緒に見たサーカス。忘れられないその不思議な世界の一員になることを目指して入団した少年の前に現れる、自由で個性の強い人々。クラウン、ブランコ乗り、ジャグラー、そして美味しいお菓子やスープを作ってくれるコック。少年は少しずつ綱渡りを学んでゆく。心躍る物語。 少年が主人公だから?糸さんというよりいしいしんじっぽさを感じた。 (いしいしんじさんも好きよ)
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