サーカスの夜に の商品レビュー

小川糸(著者)

2022/06/11

10歳くらいの身体からは大きくなれない少年、サーカス団に入団するお話。出てくる人物一人一人皆んな悲しい事情を抱えつつ、懸命にサーカス団の中で生きていく。
昨今の事情もありつつ、旅する場末のサーカス団の大変が描かれ、その中で成長していく少年。コックとのやりとりが暖かい。
食べ物の描写はどれも美味しそうでサーカスの技は細かくやり方が描かれるが出来そうにはない。あーだから皆んな観に行くんだもんねー

2022/05/23

「もしかするとサーカスっていうのは、悲しみを忘れて笑っていられるようにするための、ちょっとした可愛い魔法なのかもしれない。魔法は、あっという間に消えてしまうけど」と、語る。だから、虹の上を渡るような綱渡り。それが、掴んだ道。

私自身、サーカスを実際に見たことはなく、映画やアニメのサーカス場面の理解のため、レインボーサーカスのイメージが勝手にデフォルメされているのかもしれない。（きっと、グランマと発想は同じ）と感じながら。

「このサーカスは自由なんでしょ。国籍も、宗教も、性別も、肌の色も、年齢も、政治的な信条も、」叫ぶ姿に、サーカスの団員一人ひとりの悲しい過去が浮かび上がるようです。主人公だけでなく、誰もが過去を捨てて、寄せ集まっている姿が哀しい。
そして、誰もが、現状に甘えずに、虹の上を見ているようです。「あなたが想像できることは、実現できることよ。道は、自分で切り開くものなんだから！」その気持ちを集めた集団なのかも、と。

最後、自分の道を見つけられてよかった。13歳。大冒険の始まり、ですね。
我が身を振り返るのはよしましょう。今回だけは。

2022/05/09

サーカス団に入るため奮闘する、13歳の少年の成長譚。舞台は恐らくフランス、様々なバックグラウンドを持つ団員とサーカスの芸、厨房で作られる美味しそうな料理、少しずつ役割を得ながら自分と向き合う少年。
読み始めは「子ども向けかな…」と思ったけど全然そんなことなかった。少年の成長に自然とエールを送ってしまう、あたたかい物語。

2022/04/13

両親に置いていかれ祖母と暮らす少年。少年は薬の副作用で10歳の体で成長が止まってしまいそれ以上大きくなれない。少年はサーカスに魅せられ祖母の元を離れてサーカスに入る。そこは年齢も性別も国籍も経歴も事情もばらばらの人たちの集まり。少年はその中で人との関わりを通して自分の居場所や本分を見つけていく。
みんなそれぞれ抱えていて、だからみんなそれはもう、ありのままでOKだと思う。そこにいるその人をまるっとそのまま受け入れられたら優しくて程よい世の中になるんじゃないかなあなんて。

2022/02/09

サーカスという現実離れした世界のお話で、少しファンタジー？と思いきや、スマホを操る人がいたり、サーカス団がインターネットで炎上したりと、妙に現実的な描写があり、そのギャップが新鮮だった。
でも、全体的にはロマンティックな演出に魅了される場面が多くあり、サーカス団の人々や演技に夢中になる少年の気持ちに共感しながら読んだ。
少し現実から離れて、夢を見ている気分になりたい人におすすめ。

2021/12/12

成長していく姿、努力する姿にとても心動かされる小説でした。

特に、海での巡業のシーンや、ナットーとの別れ、冷蔵庫に写真を貼るシーンは、とても感動でした。

どの情景を思い描いても、サーカスの光や海辺の波がキラキラしていて..

そして、ローズはもちろんですが、
コックや団長の、大雑把で、でもとても心が広くてあたたかく、たくましい姿にグランマの代わりに感謝を伝えたくなりました。
（最後にグランマと少年と、サーカスの家族たちで暖かく、談笑できているといいなぁ.）

2021/04/22

自分じゃ思いつかないような表現がいっぱいの本だった

「僕」は13歳でもう小さくないって言っていたけど、13歳の、特に男の子はまだまだ小さい子な気がする笑 それでも大人っぽく振舞おうとする「僕」が可愛かった

グランマになかなか会えない生活、耐えられるのがすごい

2021/02/27

文章がきれいで安心して読める作品でした。
もう少し主人公のその後を描いてほしかったです。
完全にファンタジーかと思いきや近現代的な部分もあり、そのたびに、え？と思わされるのがなんだか不思議な気分でした。

2021/02/26

主人公の少年が、様々な人と出会うことで成長し、夢を見つけ、最後にはグランマに見てもらえたことがとてもよかった。

2020/09/08

とっても素敵な本でした。
少年の清い心とまわりのサーカス仲間たちの優しさが感じられるる本でした。
思いやりと素直な気持ちが大事なんだなと思った。