ワン・モア の商品レビュー
あと一つ手を伸ばし、幸せを掴もうとする人達の物語。 北海道の日本海側、昼は空と海、夜は月と星しかない小さい島の診療所の医師美和。まっすぐで奔放な美和、安楽死事件をおこし、離島に飛ばされてきた。ここでも島の男性と逢瀬を重ね村人の知るところとなっている。 連作短編で、友人医師鈴音、関...
あと一つ手を伸ばし、幸せを掴もうとする人達の物語。 北海道の日本海側、昼は空と海、夜は月と星しかない小さい島の診療所の医師美和。まっすぐで奔放な美和、安楽死事件をおこし、離島に飛ばされてきた。ここでも島の男性と逢瀬を重ね村人の知るところとなっている。 連作短編で、友人医師鈴音、関わる人達と話は進む。 個人的には、亮太と詩織の「おでん」が好みだった。亮太は真面目でいい人だが、女性には縁が無い。偶然目の前に詩織が転がり込んでくる。別れたのか、と思える終わりかた。が後半の連作で結ばれたことがわかる。良かった。 全体に、思わぬ方向に明るく進んだ。暗さから明るさへイメージが逆転した感が強かった。 余命宣告された、医師鈴音。別れた夫に「一緒に居てほしい(また住もう)」と懇願するところは、正直微妙な気分になった。自分だったら、と考える。
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「十六夜」安楽死事件を起こし離島へと左遷された内科医柿崎美和と昴。 「ワンダフル・ライフ」美和の同級生で末期癌の滝澤鈴音と元夫志田拓郎。 「おでん」本屋の店長佐藤亮太と坂木詩織。 「ラッキーカラー」看護師浦田寿美子と!赤沢邦夫。 「感傷主義」同級生八木浩一と米倉レイナ。 「ワン・モア」志田拓郎と鈴音と父。 其々の人生に関わる桜木紫乃らしい連作長編。 最後はリンとその子たちで繋がっている。 何度も込み上げる感情で、最高に面白い。
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その日のまえにを彷彿とさせる連続性のある短編集。ドラマになりそうな感じもするが今の私にはどの人もそこまでリアルには迫ってこなかった。
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それぞれの物語が描かれていて、いろいろ抱える中でも前向きな小説でよかったと思う。不器用だな、人間って
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週末の土日にサラッと読めた。この世界に入って、小説の楽しみ方の王道か。 初めに登場するのは柿崎美和。安楽死を施した疑いで、北海道の日本海側に浮かぶ島に飛ばされた医師。そこへ高校の同期生、医師の滝沢鈴音から、余命僅かなので、自分の医院を継いでほしいと電話が入る。 そこから、何人...
週末の土日にサラッと読めた。この世界に入って、小説の楽しみ方の王道か。 初めに登場するのは柿崎美和。安楽死を施した疑いで、北海道の日本海側に浮かぶ島に飛ばされた医師。そこへ高校の同期生、医師の滝沢鈴音から、余命僅かなので、自分の医院を継いでほしいと電話が入る。 そこから、何人かの登場人物があるが、物語の軸は鈴音。皆が鈴音を頼っているとか、自分の望みを賭けていたり。 なぜ、ワン・モアなのか。いろいろ可能性、感じ方が残されるのが面白い。
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特に今回のお話は、美和をはじめ、かなり芯のずしんとした強い女性が多いが、どのひとも可愛さがある。一人ひとり登場するごとに人物に色や形が増していき大きな物語となった。少し大袈裟だが曲「ボレロ」を感じた。 最後のワンちゃんまで加わる大集合には、好き嫌いが分かれるようだが、自分はとても...
特に今回のお話は、美和をはじめ、かなり芯のずしんとした強い女性が多いが、どのひとも可愛さがある。一人ひとり登場するごとに人物に色や形が増していき大きな物語となった。少し大袈裟だが曲「ボレロ」を感じた。 最後のワンちゃんまで加わる大集合には、好き嫌いが分かれるようだが、自分はとても好き。みんなのワンモアが積み重なっている。それにしてもものすごく上手い。 このところ桜木さん作品が多くなり、一旦休憩します。
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短編集なようだけど、登場人物を介して全てが繋がっている構成。桜木紫乃、やっぱいいわぁ。世界観が好き。
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美和、問題ありの医者の危ない恋から始まる物語。美和は自分の信念に基づき行動する。白い目で見られても後ろ指さされても自分が信じた道を歩く。大切なことは何かを分かっている。だからかっこいい。美和を中心にいろいろな人物が関わり合ってくる連作短編集。佐藤店長の話はどうなることかと。あと赤...
美和、問題ありの医者の危ない恋から始まる物語。美和は自分の信念に基づき行動する。白い目で見られても後ろ指さされても自分が信じた道を歩く。大切なことは何かを分かっている。だからかっこいい。美和を中心にいろいろな人物が関わり合ってくる連作短編集。佐藤店長の話はどうなることかと。あと赤沢さんのけじめ。そして鈴音が捨て身で拓郎にぶつかっていった結果。どれも良かった。泣かされた。登場人物が全員集合する最終話。人生はまだまだ続く、問題もあるだろう。けれどなんとかなる。希望を捨てずに前に進めば。そんな気持ちになる一冊。
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連作短篇集。「十六夜」と「ワンダフル・ライフ」が好き。犬じゃない方のすばるは結局みつからないままだろうか?どうなったか気になる。短編を読み進めるごとに、美和の人物像がどんどん人間臭くなっている気がする。 余命が短いとわかった時側にいて欲しい誰かがいることだけでも幸せだと思う。生まれた子犬を託すことで託した相手に幸せでいることを約束させる行為はエゴなんだけど、愛を感じる。
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