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けむたい後輩 の商品レビュー

3.7

100件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2015/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本を借りよう!としたとき、ネタばれレビューを読んでしまった。一番心に残ったのが、『最後は栞子に同情した』と書いてあった。読み進むと、理由が良く分かった。私も激しく同意する。 最初読み始めた時は、村上龍の69のような内容なのかしら?な~んて。それっぽいところもある。結局主人公にキレちゃう所は同じだけれど、やはり女性だからか、こちらの方が感情移入しやすかった。 私はやはり栞子の気持ちが良く分かる。気持ちいい言葉と尊敬のまなざしはやはり心地よいものだ。でも、努力をしないところが栞子の悪い所で、何事も集中してやり遂げる素直で従順な真実子はそれが長所ではあるのだが、栞子には腹立たしい所でもある。栞子も、もうちょっと真実子に誠意を持って接してあげれば、あんなに傷つく事はなかったのに…。ま、それを言っちゃったらこの小説の面白みがなくなるんだけどw 私はちゃんと他山の石としよう。と思う。 自分の中にも栞子が居る。だから、後味が悪かった。 私の中にも真実子が居る。だから、よく言った!と思った。

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2015/01/03

私は万実子みたいなタイプの子は苦手だなーと思いながら読んだ。だけど栞子のように、昔の栄光(?)を忘れられない人間にとっては万実子みたいに称えてくれる人間の存在は必要なのかもしれないな、と思う。 だけどモラトリアム人間って…私もそうかも。 栞子とは全然ちがうけど、ちょっと気持ちは分...

私は万実子みたいなタイプの子は苦手だなーと思いながら読んだ。だけど栞子のように、昔の栄光(?)を忘れられない人間にとっては万実子みたいに称えてくれる人間の存在は必要なのかもしれないな、と思う。 だけどモラトリアム人間って…私もそうかも。 栞子とは全然ちがうけど、ちょっと気持ちは分かるかもしれない。

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2015/01/02

栞子も真実子もどうしようもないな~、と思った。 いつまでも過去の栄光にしがみつく栞子と、そんな栞子を崇める真実子と。 最後、真実子が真っ当に(それ以上に)成長していて良かった。が、何だか読後感が悪かった… 2015年1月2日

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2014/12/30

柚木さんの作品を読むのは『終点のあの子』に続き二作目。 ちまちま頁を繰るつもりだったのに、つい一息で読み終えてしまった。 あらすじを見た段階では、こんなにも可笑しくって、どこか胃がきゅっとするようなもの哀しさがある物語だとは思わず。 ヒトの自尊心。 端から見ると滑稽に思えるよ...

柚木さんの作品を読むのは『終点のあの子』に続き二作目。 ちまちま頁を繰るつもりだったのに、つい一息で読み終えてしまった。 あらすじを見た段階では、こんなにも可笑しくって、どこか胃がきゅっとするようなもの哀しさがある物語だとは思わず。 ヒトの自尊心。 端から見ると滑稽に思えるような姿を描き出すのが本当に巧みな作家さん。 柚木さんの凄さを改めて感じた一冊でした。

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2015/11/24

女子校とか、寮とか分からないので… へぇ~、面白い~…という外部視線の感想。 というか、この栞子さんって、いつ時代の人ですか? 80年代? 『なんとなくクリスタル』とか、荒井由美とか。 今時、山手のドルフィンで、ソーダ水すかして貨物船を見ようとする女子なんかいるのだろうか? ア...

女子校とか、寮とか分からないので… へぇ~、面白い~…という外部視線の感想。 というか、この栞子さんって、いつ時代の人ですか? 80年代? 『なんとなくクリスタル』とか、荒井由美とか。 今時、山手のドルフィンで、ソーダ水すかして貨物船を見ようとする女子なんかいるのだろうか? アンニュイな表情でタバコ吸ってるのが最先端で、人と違うと思ってる女子とかいるのだろうか? しかし、行動も起こさないで夢ばかり語る、そして、心のどこかでジレンマ、フツーに就職活動して大人になって行く周りを冷ややかに見ながら、本当は置いて行かれ感。 そういうものがすごくうまく描かれている。 モラトリアム? ピーターパン症候群? 多分、学生運動時代に間に合わなかった世代をイメージして、その時代の単語を織り込んでいるのだろう。 そうかと思うと、マリ見てとか、バガボンドといった作品名が上がって、ますます、どの時代なんだろうと混乱する。 真実子は、うっとおしい女だ。 読めばわかる。 でも、最後のどんでん返しが…ある意味ホラー

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2014/12/25

真実子が主人公なのに、ストーリーは栞子か美里の目線で書かれている。 ずーっと、真実子が栞子に憧れて追っ掛けをしているのを、モヤモヤとした気分で読んでいた。なんでこんな先輩に…? でも、エピローグでやっとすっきりした。そう、それが言いたかったんだよ‼︎って。 自分は特別とか、自...

真実子が主人公なのに、ストーリーは栞子か美里の目線で書かれている。 ずーっと、真実子が栞子に憧れて追っ掛けをしているのを、モヤモヤとした気分で読んでいた。なんでこんな先輩に…? でも、エピローグでやっとすっきりした。そう、それが言いたかったんだよ‼︎って。 自分は特別とか、自分は人とは違うと思いたい気持ちは分かる。年齢を重ねると段々、分かってくるのだろうけど、栞子は気付けなかった。そこが、痛々しくてかわいそうだった。

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2014/12/21

読んでる途中で、「うわぁぁ。。。」と何度も声をあげたくなるような本。人の弱さとか、純粋な残酷さとか、惨めさとか、醜いまでの強がりとかが浮き彫りになっていて、なんというのか読んでるこちらも恥ずかしいと言うか、辛い気持ちになります。 何もかもから逃げ続けている栞子が、色んな経験を積み...

読んでる途中で、「うわぁぁ。。。」と何度も声をあげたくなるような本。人の弱さとか、純粋な残酷さとか、惨めさとか、醜いまでの強がりとかが浮き彫りになっていて、なんというのか読んでるこちらも恥ずかしいと言うか、辛い気持ちになります。 何もかもから逃げ続けている栞子が、色んな経験を積み、今もなお戦い続けている真理子から、最終的に煙たがられるというオチも、悲しさがあります。 色んな感情が湧き上がった本で、結果とても面白かったです。何より、読み終わった後、ちゃんと生きようと強く思いました。

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2014/12/19

うわー女子のやなとこ露骨に書いてるなあって感じ。栞子はもっともっと不幸になっても良かったけど、自分の下僕のように扱っていた真美子に最後に逆転勝ちされたのはプライドの高い彼女にとっては最大の転落だったんだろうなあ。個人的には狂言回しかつ読者の代弁者的な位置付けで書かれている美里が好...

うわー女子のやなとこ露骨に書いてるなあって感じ。栞子はもっともっと不幸になっても良かったけど、自分の下僕のように扱っていた真美子に最後に逆転勝ちされたのはプライドの高い彼女にとっては最大の転落だったんだろうなあ。個人的には狂言回しかつ読者の代弁者的な位置付けで書かれている美里が好きだったな。

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2014/12/09

女の子のやっかみ、劣等感、優越感、下劣など様々な下心がこれでもかというくらい描かれている。 栞子… 自分を特別な存在だと信じ込み、周りを下に見ることによって優位性を保とうとしている。本当は自分が最も嫌いな普通な人間だと分かっているのに、真実子の存在によって良くも悪くも普通であると...

女の子のやっかみ、劣等感、優越感、下劣など様々な下心がこれでもかというくらい描かれている。 栞子… 自分を特別な存在だと信じ込み、周りを下に見ることによって優位性を保とうとしている。本当は自分が最も嫌いな普通な人間だと分かっているのに、真実子の存在によって良くも悪くも普通であるということを認めることができない。 こういう時期に陥る時は誰でもあるような気がする。今思えば馬鹿馬鹿しいことなのだが自分を他の人と同じだということを認めたくない、自分だけが特別で素晴らしい将来があるみたいな。 美里… 美人、努力家、ガッツがあって…と女の子が欲しいもの全てを持ってる才色兼備。しかし、美人には美人なりに悩みの一つだってある。だけど、美人は悩みをもつことすらできない。誰もが彼女を美化している。美人は、悪口なんて言っちゃダメ、お嬢様はおしとやかでなくちゃだめ。誰よりも幸せでなくちゃだめ。なんでもできなくちゃだめ。 真実子は、なんだってできる。なんでも手にしている。素敵な彼氏、シンデレラストーリー、セックス、将来の夢。同じくらい、いやそれ以上に頑張っても報われないのはどうして??親友なのに、幸せを心から願えないのはなぜ?親友だと思ってるのに自分以上に恋い焦がれる友人、栞子の魅力のなさに気づかないし、大切に扱われない自分に対する不満。 美人っていいことばかりじゃないのかなー。期待を背負ってる分人の何倍も努力が必要だし、強い心を持ってないといけないのってつらいだろうな。 教授… 過去の栄光(女の子にモテていたこと)にしがみついて、老化している自分が許せない。今の自分は昔ほどイケてないということを、美里への恋心などで知り躍起になって自滅。教授と栞子の関係って、栞子と真実子の関係に似てる。 黒木… 親の金で悠々自適に過ごす毎日。自分は他の人とは違う。才能がないことに気づくとすぐに自分から逃げ出す。大学に通ったり、パリへ旅をしたり、豪華マンションにいたりと。とりあえず金があるから暮らせてはいるものの、親の後ろ盾がなければ、カス同然の暮らしっぷり。真実子の、写真、シナリオがきっかけでまた夢を失う。だけど本当に一生懸命に死ぬ気で何かに取り組んだことがあるのか。きっとお金があるし、優勝なんてしなくても生きていけるから気持ちが中途半端なのだ。 劣等感。 この物語の芯中だと思う。他人を知ることで自分にはないもの、いや自分の本来嫌な姿が見えてくる。 本作は真実子によって様々な登場人物が持つ弱さが見えてくる。

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2014/12/09

びっくりした。 ラストにではなく、全体に! いきなり試験問題の回答を見せられたみたいな感じ。柚木さんはすごく頭の冴えてる方ですね。 文庫版の解説を読んだら、そのびっくりした回答がものすごくわかりやすく解説されてて、さらに目からウロコが落ちました。

Posted byブクログ