鳩の撃退法(下) の商品レビュー
大作なのは理解できる。主人公は小説家で、自らが置かれた状況と経過を舞台に小説を練り上げていく工程を読者に提供する視点も面白いとは思う。しかし、いかんせん読みにくかった。上下で2週間かかってしまった。入りこめなかった。読み疲れた。
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なんだっけ? 酔っ払って書いてるからわかんなくなっちゃったけど、アヒルと鴨となんちゃら…を書いた方と似たような作風で、伏線多くて…しかも長い。 だけどなんとなく可笑しみもある。ちゃんと読める話。 でも長〜い!
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ほんと面白かった。普通に書かれたら多分おもしろくない話なんだと思うけど,ほんと凝ってて,えぇーそうなのーと思った話しも後からそりゃそうかと納得するし,最後はやられたなぁと思わされるし。ピーターパンを読んでみたくなる。 『月の満ち欠け』よりこっちの方がよくできてるんじゃないかと思う...
ほんと面白かった。普通に書かれたら多分おもしろくない話なんだと思うけど,ほんと凝ってて,えぇーそうなのーと思った話しも後からそりゃそうかと納得するし,最後はやられたなぁと思わされるし。ピーターパンを読んでみたくなる。 『月の満ち欠け』よりこっちの方がよくできてるんじゃないかと思うのだけど,内容が不謹慎だからダメなのかな。
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面白かったけど、色々混乱した。 書いてくれなかったことは、それぞれ自分で想像するしかない。 好き嫌いははっきり分かれる作品だと思う。 私は嫌いじゃないけどね。長いけど、長さを感じなかった。
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現実なのか、創作なのか、ところどころ煙に巻かれながら終わったようで始まった津田さんの話。 大雪の日は、いつも違う状況が生まれる。交通機関が麻痺し、タクシーもつかまらない。時間をやり過ごすためにファミレスにとどまり、出会うはずのなかった人たちが出会う。今度大雪になったら自ら面白いシチュエーションに遭遇したと思って楽しめるかもしれない。 あと、津田さんとの会話は、微妙に噛み合わないLINEのやり取りのようだった。とりあえず加奈子先輩がキレるのは理解できる。私も間違いなくキレる。
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どこまでが小説でどこまでが現実なのか、そもそもこれは小説で。。。と時間軸だけではなく、物語内でその設定さえも自由自在に書き上げる。そして本当のオチは、著者自身が直木賞を受賞してしまうことだ!
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変人たちが出そろった上巻が終わり、主人公の活躍の場は東京の中野ふれあいロードに移る。仕事もデリヘル会社の専属ドライバーからバーテンへ。その店の女社長もなかなか個性的。そんな中、主人公の副業としての作家活動はノリに乗る。 ようやく「鳩」の正体が判明するが、それはたいした問題じゃな...
変人たちが出そろった上巻が終わり、主人公の活躍の場は東京の中野ふれあいロードに移る。仕事もデリヘル会社の専属ドライバーからバーテンへ。その店の女社長もなかなか個性的。そんな中、主人公の副業としての作家活動はノリに乗る。 ようやく「鳩」の正体が判明するが、それはたいした問題じゃない。いや、結構な大事件ではあるんだけど、本作品の最大のミステリーはこの話がどこまでが事実で、どこまでが主人公の創作なのかってことだ。そして、主人公はやっぱり著者の佐藤正午自身なのか? 主人公の津田同様、この小説発表の数年後に著者、佐藤正午は本当に直木賞を取ってしまう。それが本作品の本当のオチだ。
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いささかミステリーを装いつつ、敢えてか狙ってか、時間を往来しながらくどくど長々した文章に付き合わされる。少しばかりスリリングな成り行きに浸ったかと思えば、またしても薄っぺらい津田の日常に引き戻され、耐読しなくてはならない。そして、とどのつまりが極めてお粗末な謎解きである。幸地一家...
いささかミステリーを装いつつ、敢えてか狙ってか、時間を往来しながらくどくど長々した文章に付き合わされる。少しばかりスリリングな成り行きに浸ったかと思えば、またしても薄っぺらい津田の日常に引き戻され、耐読しなくてはならない。そして、とどのつまりが極めてお粗末な謎解きである。幸地一家は?倉田は?晴山青年と共に溺死した女は?二羽の鳩を混ぜた房州老人の真意は?長編に著者がどう手間をかけようと勝手だが、間違ってそれを読み始め、人生の無駄遣いをしてしまった読者は災難だ。
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内容(「BOOK」データベースより) 「このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。おれたちというのは、床屋のまえだとおれ、それにもちろん津田さんの三人組のことだ。だけど厳密にやばいのはあんただよ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ」いきな...
内容(「BOOK」データベースより) 「このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。おれたちというのは、床屋のまえだとおれ、それにもちろん津田さんの三人組のことだ。だけど厳密にやばいのはあんただよ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ」いきなり退職金を手渡された津田伸一にいよいよ決断の機会が訪れる―忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、裏社会の蠢き、疑惑つきの大金…たった一日の交錯が多くのひとの人生を思わぬ方向へと導いてゆく。 どういう話なのかという説明を求められたら割と簡単に答えられます。でも話の入り組みかたと無駄とも思われる絢爛たる豪華な文章で全体像の把握にとても骨が折れますです。小説の中の現実の話と、メタフィクションが入り組み、混乱が深まっていき最終的にはミキサーでがーっと混ぜたように脳の至る所に気になる部分がこびりついて茫洋としました。これを理解して読める人はよっぽど頭がいいか勤勉な人なんだろうなあと思います。 主人公津田の情けない姿に共感できないという意見よく分かります。でも実は男はこういう奴と友達になれるもんで、自分勝手でいい方にどんどん流されて失敗していくのに、友達はいる奴って結構こういう男な気がします。モテる女に女は冷たい印象有りますが、モテる男に男は寛容です。でも本当にくずですね津田さんは。 焦点になるポイントに大量の偽札があります。この大金によって大騒動が起きるのかと思いきや意外とそうならないのが不思議でしたが、最後まで読むとなるほどと手を打ちました。叙述ミステリー否定派なので、こういう風に徐々に徐々にパーツを開示展開していく話は好きです。ストーリー自体はさほど難しいものではなく割とシンプルですが、普通つまびらかにされるであろう所が色々ほったらかしなのでそこが僕には粋に感じました。人々の過去の動きは全て津田の頭で作ったメタという設定なんでしょうね。よくこの小説を書けたと思います。素直にすごいです。普通頭こんがらがるでしょう。
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上下巻読了。確かに会話と描写から登場人物像を浮かび上がらせる手腕は素晴らしいの一言。熟練という言葉が似合うと思います。しかしプロットが納得できない箇所があり、また主人公の小説家が魅力に乏しい。どちらかというと、房州老人や床屋のまえだ、「ぬまもと」こと沼本店員、鳥飼やハラコ(ヒラコ...
上下巻読了。確かに会話と描写から登場人物像を浮かび上がらせる手腕は素晴らしいの一言。熟練という言葉が似合うと思います。しかしプロットが納得できない箇所があり、また主人公の小説家が魅力に乏しい。どちらかというと、房州老人や床屋のまえだ、「ぬまもと」こと沼本店員、鳥飼やハラコ(ヒラコ)の方がよっぽど魅力的だ。沼本店員でもう一冊書けそうな位だ。個人的にだが、わざとなのが明確でも人の名前を間違え続けるのが非常に気になってこれも負の要因だった。伊坂幸太郎と同じでふざけすぎているところがマイナス。
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