それをお金で買いますか の商品レビュー
積読状態の本書を漸く読み終えた『これからの「正義」の話をしよう』のほうが私には面白く感じたが、本書からも多くの示唆を得ることができた。あらゆるものが金銭化され、その価値によってあらゆるものが評価される市場主義に生きる者にとって、目に触れるものを漫然と受容し深く考えずに選択すること...
積読状態の本書を漸く読み終えた『これからの「正義」の話をしよう』のほうが私には面白く感じたが、本書からも多くの示唆を得ることができた。あらゆるものが金銭化され、その価値によってあらゆるものが評価される市場主義に生きる者にとって、目に触れるものを漫然と受容し深く考えずに選択することの危険性を感じた。ところで、本書で書かれていた命名権の話、ネーミングライツは日本でも結構見られるようになったが、顔面の額にまで広告を入れるというのは驚いた。やはり市場にふさわしくない場所はあるのではないだろうか。
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すべてが売り物の社会は貧しい人が生きていくのが大変。 お金の重要性が増す。市場には腐敗を招く「傾向がある。値段をつけると腐敗してしまう。子供に本を読むたびにお金を払うなど。 ファストトラック、レクサスゾーン、ダフ屋、コンシェルジュドクター、マンキューはダフ屋は効率的とする 芝居を...
すべてが売り物の社会は貧しい人が生きていくのが大変。 お金の重要性が増す。市場には腐敗を招く「傾向がある。値段をつけると腐敗してしまう。子供に本を読むたびにお金を払うなど。 ファストトラック、レクサスゾーン、ダフ屋、コンシェルジュドクター、マンキューはダフ屋は効率的とする 芝居を最も見たい人が高値を付けると考えるのは支払い能力を無視している。 公聴会の議席に入場料をつけるのは、一種の腐敗。 コンサートは社会的行事、商品にすると台無しになる。一種の贈りもの。高値をつけるとファンは失望する。 良い成績をとるとお金がもらえる。お金が多いからと言って成績が上がるわけではない。お金には表現効果があった。 難民を押し付けあう市場の論理は、社会規範を損なう。 スピード違反が収入によって違う=ヘルシンキ 定額だと、高額所得者には違反切符がスピードを出すためのチケットになる。 カーボンオフセットは道徳心を損なう。 人々はインセンティブに反応する。経済学はインセンティブを研究する学問になり下がった。 保育園のお迎えに延滞金をとると、遅れる人が増えた。 おカネでは買えないもの、おカネで買えるが間違いなくすべきではないもの、大学の入学は売買できる 公正の観点からの異論と腐敗の観点からの異論は違う。 公正の観点からだけだと、不平等でなければ可能になるが、腐敗からでは、公正な取引が保証されたとしても市場化が許されないものは許されない。 核兵器処理工場は、補助金がつくと賛成派が減った。スイスの例。公共心が穢された。 血液を売買物にすると、義務感が生まれ贈与関係が崩壊する。自発的献血の減少。 生命保険の売買と被保険利益。生命保険の買取産業。デスプール(有名人の死亡に賭ける)と同じ。アメリカでは被保険利益が拡大解釈されて第三者に売却ができることになった。生命保険はほかのものと同じ財産になった。解約して解約返戻金を貰うより高額に売れる。ライフセツルメント。 kindleの広告付きバージョンは安い。
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市場主義や資本主義と道徳ってのは切っても切れない関係ですね。誰も損をしない、みんなが得をする、でもやりきれないことがある。そんな本でした。
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とっても、考え深い内容でした。 特に、あぁ、深い、深すぎると思った事を 1つ、分かりやすくメモします。 (内容違うかもしれません。笑) 子供に本をより多く読んでもらいたい。 という課題があって、 より多く読んでもらうために、 子供が本を読めば、親はお金が貰えるビジネスモデ...
とっても、考え深い内容でした。 特に、あぁ、深い、深すぎると思った事を 1つ、分かりやすくメモします。 (内容違うかもしれません。笑) 子供に本をより多く読んでもらいたい。 という課題があって、 より多く読んでもらうために、 子供が本を読めば、親はお金が貰えるビジネスモデル を作りました。 すると、どうなったか、、 本を読む回数は増えました。 しかし、本を読みたい!と思って読むのではなく、 お金が貰えるから。 という理由でした。 本を読む機会が増えるが、 作業になり、いつしか面倒な仕事という感覚に陥り、 本来の意味をなさなくなる。 価値が腐敗してしまっては、意味がないということ。 日常的にも起こりうる現象だなと感じました。 勉強が嫌いになる理由はそうかな? と、感じました。 宿題をしている学生に、 『 なんで宿題してるの?』 と質問した時に、 『 やらないと先生に怒られるから。』 と答えられて、 なるほど。確かにね。 と感じてしまっている間は、価値が腐っているんだと 僕は思いました。いつからか、勉強が嫌いな理由は、 怒られるから。と、価値が腐っていた自分がアホだったな と感じました。 真の目的を見失わず、考え、行動していこう。 と、改めて気づかせてくれる、 名著だな!と思いました!!
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マグワイヤの70号ホームラン 300万ドル 翌年 ティム・フォーネリスは62号のホームランをマグワイヤに差し出した。 あなたのものです、おめでとう! この寛容な振る舞いに22歳の本人は ディズニーワールドで称賛され、トーク番組に出演し、ホワイトハウスに招かれクリントンに会い、小学...
マグワイヤの70号ホームラン 300万ドル 翌年 ティム・フォーネリスは62号のホームランをマグワイヤに差し出した。 あなたのものです、おめでとう! この寛容な振る舞いに22歳の本人は ディズニーワールドで称賛され、トーク番組に出演し、ホワイトハウスに招かれクリントンに会い、小学校に出向き正しい行いについて子供たちに話した。 三年後、バリーボンズ73号ホームランボールを 取り合い 裁判 判決は売って折半するようにというものに。45万ドルで売れた。 なんでもコレクターがお金に変える 折れたバッド、噛んでたチューインガムなど。 マネーゲームという映画 効率性だけが美徳でない 退屈な見せ物になる バント盗塁が減り 打席にいる時間が伸び フォアボールが増え 投球数が増え ピッチャー交代が増え バットが自由に触れる回数が減り 走路場で思い切ったプレーが減る 九回裏満塁同点の場面 昔ながらの醍醐味を味わうひとときがなく 退屈な見せ物になる。
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確かになんでもお金に変えられる世の中 売る権利は誰にでもある 非市場的なところにお金を導入する事が、強制や不平等や搾取につながる事。 また、その結果腐敗や堕落に繋がる事 これらを理解せず、格差が広がり、腐敗が進む事が本当に人々のためになるのだろうか?
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面白い本です。世界には色々な商売があるなと思いました。 その中でのお気に入りは。 セイウチ狩りの商売 これはもともとセイウチはイヌイットという民族しか狩ることができないのですが、 そのイヌイットが自分たちがセイウチを狩る権利を少なくして、 その分をお金を払ってくれる人に狩らしてあげるということです。 しかしセイウチの一部などを持ち帰ることはできないので本当に狩るのみです。 しかしそれだけで約60万くらいの費用がかかります。 つまり60万くらい払えばセイウチなどを狩ることができるということです。 なのでイヌイットたちからすると、自分たちで狩るという手間がなくなるので、 かなりお得な商売になります。 この権利を買いたいと思う人たちはどんな人たちかというと、 富裕層というのは間違い無いのですが、主に狩猟クラブのリストの動物を制覇したいという人たちです。 「ビッグファイブ」や「グランドスラム」などを制覇するという趣味の世界ですね。
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本書での主張は全て腐敗の議論を行っていると思える。 一番わかり易いのが保育園の例だ。 保育園の引取時間に遅れてくる親がいる。保育士はサービス残業をしていたが、ある時から罰金を取ることにした。すると、遅れてくる親は増加した。そして、罰金をなくしても遅れてくる親は増えたままだった。 これが腐敗の議論の本質で、一度倫理的に行われていることを経済的問題に置き換えてしまうと、それは倫理の低下を引き起こしてしまう。 だが、筆者はそれが悪い。とは言わない。それを考えろ。としか言わない。もう一つの重大なテーマである公平の議論(麻薬中毒者が不妊手術をお金をもらって行うのは、正常な判断力を失っている可能性があるから正しくない。という議論)より腐敗の議論(妊娠を金銭問題に置き換えるとそのことが物質的になり、人間としての倫理・尊厳が社会として失われてしまうという議論)の方が大事であることを示しつつも、結論は自分で出すべきであるのが、筆者の主張だ。 今現在、この社会にはいろいろな問題があり、古き良き時代はサブプライム化され切り売りされている。この倫理の解体が続いていった先に待ち受けているものは何か。そんなことを考えさせてくれるのだ。
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子供の名前、命名権! 入れ墨とランチ プレゼントケーキ 初心者には難しく感じる所が多々あった 事例集みたいな
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色んな角度から、現在の経済のお金の流動性について分析した一冊。 アメリカの話がメインで難しく感じる部分もあったが、面白かった。
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