屍者の帝国 の商品レビュー
文庫にて再読。前回読んだときの記憶がまばらにしかない状態で映画を観てこんなんだったっけ?とは思ったんですがまさかこんなに違うとは。映画はザ・ワンとワトソン足してしまった感じであれはあれで面白かったので円盤出たら買おう。 エピローグのフライデーの語りは以前読んだときにもそういう事...
文庫にて再読。前回読んだときの記憶がまばらにしかない状態で映画を観てこんなんだったっけ?とは思ったんですがまさかこんなに違うとは。映画はザ・ワンとワトソン足してしまった感じであれはあれで面白かったので円盤出たら買おう。 エピローグのフライデーの語りは以前読んだときにもそういう事なのだろうなとは思っていたのですが、文庫あとがきでしっかり言葉にされたのを読むともう...。そうか、お二人が過ごされた時間とワトソンとフライデーの旅の時間と...そうか...。
Posted by
ブクログがレスポンシブ対応になってた。びっくり。PCで見てると文字が大きいな~ 少し前に購入してそのまま置いておいた屍者の帝国。この頃映画の宣伝がよく流れてますが君の言葉の続きが聞きたい、みたいなセリフは本編では出てこなかったような。まあ良いんですが。よくできた娯楽作品だなあと...
ブクログがレスポンシブ対応になってた。びっくり。PCで見てると文字が大きいな~ 少し前に購入してそのまま置いておいた屍者の帝国。この頃映画の宣伝がよく流れてますが君の言葉の続きが聞きたい、みたいなセリフは本編では出てこなかったような。まあ良いんですが。よくできた娯楽作品だなあと思いました。 ワトソン博士やグラント将軍、レッド・バトラーやらなんだか史実やフィクション取り交ぜた有名人が贅沢に登場して繰り広げられるミステリーのようなラブロマンスのような。何となくパロディ小説みたいだなあ、と面白く読みました。死体が屍者となって労働力として使役されている世界って…面白いけど腐敗とか病原菌とかは大丈夫なんだろうか、と心配になりました。一度ホルマリンか何かにつけてから加工するんだろうか。 言葉の力とパターンで操られる人格。魂という概念が人間と共存する未知の生命体、という考え方も面白かったです。結末を知って、違う…屍者観点から読み返してみるとまた新たな発見がありそうで面白そう。 そして後書きがしみます。賛辞は両名に送りたいと思います。
Posted by
屍者。死亡後、魂・つまり霊素を失い21gの重量を失った遺体。その脳に、プログラムによってつくられた疑似の霊素・ネクロウェアをインストールすることによって再生したもの。 その技術が全世界に拡散した19世紀末。ロンドン大学医学部生、ジョン・H・ワトソンは大英帝国の諜報員としてスカウ...
屍者。死亡後、魂・つまり霊素を失い21gの重量を失った遺体。その脳に、プログラムによってつくられた疑似の霊素・ネクロウェアをインストールすることによって再生したもの。 その技術が全世界に拡散した19世紀末。ロンドン大学医学部生、ジョン・H・ワトソンは大英帝国の諜報員としてスカウト、戦争下のアフガニスタンへの潜入を命じられる。 アフガニスタンの奥地、ワハン回廊、コクチャ渓谷。そこに“屍者の王国”があるという。 ワトソンと彼の護衛・バーナビー大尉、通訳と行動記録を担う従卒・フライデー。衝突する英国軍とアフガニスタン軍。その戦場に蠢く新型の屍者との戦いをかいくぐり、一行を王国に誘うのは、ロシア皇帝直属官房第三部のエージェント・クラソートキン。 王国で知る新型屍者の真実、そして、更なる世界への長い旅の始まり。 生者と死者を分かつものとは。魂とは。なぜ、死者は屍者として甦るのか。そしてなぜ、彼らは言葉を持たないのか。死んだ者の、本当の魂の甦りはあるのか。彼らにもう一度会うことはできるだろうか――。 これは屍者に満ちた世界の、屍者のための“物語”である。 劇場版の方を先に鑑賞、原作となる小説は後を追う形で読了。この原作にしてあの劇場版。うまくアレンジしたと思う。 主人公ワトソンは文字と映像、その展開上当然性格設定が違っているが、根底部分で立ち位置は変わっていないように思う。 原作では終盤までいくつもの他人の“物語”に流されるがまま世界の真実に近づいてゆき、劇場版では亡き親友の“物語”の中に生き、死によって途絶えてしまった“物語”の続きを渇望し、そのために真実を求めた。 そしてどちらもエピローグにおいて、ようやく自分の“物語”を持ち、生きはじめた。 ……とは自分なりの解釈である。
Posted by
導入の発想には、おおっ、と思い、いつ面白くなるのだろう、と思いながら前半を読み、面白くなってきたのが中盤。そして後半になるにつれ疑問符が頭の中で渦巻き、エピローグのⅡとあとがきを読んで「ありがとう」という気持ちでいっぱいになりました。その言葉のために、この物語があったのかもしれな...
導入の発想には、おおっ、と思い、いつ面白くなるのだろう、と思いながら前半を読み、面白くなってきたのが中盤。そして後半になるにつれ疑問符が頭の中で渦巻き、エピローグのⅡとあとがきを読んで「ありがとう」という気持ちでいっぱいになりました。その言葉のために、この物語があったのかもしれないと思うのは感傷に過ぎるかもしれませんが。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
やっと読み終わった。映画観てみたいからどうせなら原作読んでから、と思って読み始めたもののけっこう時間かかってしまった。 途中まで面白くてスイスイ読めたけど、ザ・ワン登場あたりから終盤の、物語のヤマ場が正直言葉だけではついていけなかった。何が何だか。ここの部分は映像のがいいんだろうな。ただ、魂の本質とは、という問いに最後提示される可能性にほほう、と。全然理解出来てないけど。 メタルギアのノベライズも読んでみようかな。あと円城塔のも。
Posted by
ー屍体() 虐殺器官、harmonyと物語を繋いで、なぜ伊藤計劃が3作目にこの話をもってきたか。 明らかに文体が変わる。 文字通り屍体。 全て読み終え、少し理解できた 会いたかった、もう一度 これは円城塔から伊藤計劃へ贈る物語
Posted by
2015年に映画化された、伊藤計劃の絶筆を円城塔が引き継いで完成させた1冊。 映画が気になっていたので、見る前に読んでおこうと手にした、伊藤計劃初読の本作。 あまり馴染みの無い時代背景と内容の難解さから、読むのがかなり困難でした…。笑 全編通しての題材は「意識」と「言語」。 ...
2015年に映画化された、伊藤計劃の絶筆を円城塔が引き継いで完成させた1冊。 映画が気になっていたので、見る前に読んでおこうと手にした、伊藤計劃初読の本作。 あまり馴染みの無い時代背景と内容の難解さから、読むのがかなり困難でした…。笑 全編通しての題材は「意識」と「言語」。 SFに馴染みのない自分が、「これぞSF!」と言いたくなる程に良く練られている設定と展開には脱帽ですが、自分の読書力が足りないこともあり、描写の想像と、話の展開を理解することがどうしてもままなりませんでした… 映画を見れば内容理解が深まるかなー、なんて思いましたが、映画は映画で登場人物と設定の変更があってもう降参。 折を見て再読しようと思っている1冊です…。
Posted by
映画がいつの間にか封切りになってることを知って慌てて再読。 死者を操る技術が確立された世界。優秀な医学部生ワトソンは、破天荒な陸軍大尉バーナビーと筆記特化死体のフライデーとともに祖国の驚異となりうる死者技術を追う。その中で明らかになる魂の秘奥とは!? 全体的に円城さんらしいナルシ...
映画がいつの間にか封切りになってることを知って慌てて再読。 死者を操る技術が確立された世界。優秀な医学部生ワトソンは、破天荒な陸軍大尉バーナビーと筆記特化死体のフライデーとともに祖国の驚異となりうる死者技術を追う。その中で明らかになる魂の秘奥とは!? 全体的に円城さんらしいナルシシズムと独特のセンスが満載で、しかもそれは全く分かりやすいものではない笑。知識を語ることが本当に好きな人なんだろうなぁ。それがぴたっとくる人には楽しい。あと「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」と語るおっさんを許容できるかも一つ目安か笑 ただ主人公は地の文のテンションと行動や発言がちぐはぐな印象。キャラクターがイマイチ見えてこない気がした。結末でわかる物語の構造でなんとなく説明がつくような気もするけど、言い訳がましい感じもする。 映画は回りくどい世界の説明とかしちめんどくさい語りをうまいこと省いてかなり序列立てて、キャラもたってて、スマートになってたと思います!特に前半は良い映像化だったなぁ。それでも最後の方よくわからなかったけどね!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
映画を見たので原作を. 原作はすばらしい. 魂の重さは菌類の重さということで.意識なんて菌類に感染した体の見ている夢みたいなもんであると. いう結末だと思ったんだけどさ 正体不明の菌類とはなんだ,言葉と置き換えてもいいんじゃないかね,って話はとても良い. 一周回って伊藤計劃してるのはとても良い. 円城塔を読みたくなった.
Posted by
伊藤計劃も円城塔も好きだが、 別人が続きを書いているということに少し抵抗があって今まで読んでいなかった。 映画化の前にと思い、読了。 前評判から予想していたよりは、 円城塔が引き継いでからの文体に違和感があったが、 ふたりともとても「ことば」を大切にしている作家さんのようなので...
伊藤計劃も円城塔も好きだが、 別人が続きを書いているということに少し抵抗があって今まで読んでいなかった。 映画化の前にと思い、読了。 前評判から予想していたよりは、 円城塔が引き継いでからの文体に違和感があったが、 ふたりともとても「ことば」を大切にしている作家さんのようなので、すんなり受け入れられた。 又、映画はかなりキャッチーに改変されていたので、 映画から入ると主題や主要人物の設定が異なって驚くかもしれない。 意識と菌株から言葉の発想の流れが、鮮やかで好きだった。 歴史やフィクション上の有名人が多数出演しているので、 その人達にも興味が湧く。
Posted by