すべて真夜中の恋人たち の商品レビュー
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いつもは読み終わったらすぐに売るんだけど、 久しぶりに死ぬまで手元に取っておきたいと思う本に出会いました。読後ずっと放心状態! 一生忘れない本かもしれない。 以下ネタバレあり 〆 読めば読むほど聖が私にそっくりだったので、 心から血を噴き出しながら読みました。 入江さんと三束さんの恋もイイ。 入江さんはやべー女!大嫌いな人種!イライラする! だけど、三束さんは、超トキメキ男子。 こんな人絶対に現実にはいないと分かりつつ、 紳士的で知性的でどうも近づけない三束さんに、 入江さんと同時に恋する気持ちで読んでいました。 ラスト、 誕生日のデートに三束さんはこなかった。 のちに「実は高校教師というのは嘘だった。もう会えない」という手紙が届くのですが、 それに対して入江さんがどう思ったのか一切書いてないのが芸術だなと思った。 「それでもいいから付き合いたかった」のか、 「嘘をついてたことに幻滅した」のか、 もし書いてあったら賛否の分かれる本になっていたと思う。 書かないことで解釈を読み手次第にさせたのが、 川上未映子マジですげーと思った。 入江さんの嘘が本当なのか検証しようもない、 実は他に理由があるのだろうなと思ってしまうもどかしさ、悲しさ、寂しさ…切ないラストだった。 また、本質的には恋愛小説ではなく、 女の人間関係を秀逸に描いた作品だと思った。 出てくる女はいわゆる「社会的強者」ばかり。 バリキャリで金もあって気が強く、男を狩りまくっているアグレッシブな聖。 恭子さんもバリキャリで、 聖を嫌いながらも、プレゼントが同じだったことから、実は似たもの同士、同族嫌悪な関係性なのが伺える。 典子さんは田舎で子育てをする専業主婦で、 仕事もなく社会から置いてかれている気持ちで卑屈になっているけど、実は裏では恋をしているという。 きっと性的魅力がある人なんだろうし、子供も2人いるから、周りから見たら「持ってる人」なんだよね… 3人とも受動的な入江さんを内心は下に見て(?)、 無意識のうちにサンドバッグとして使っている。 リアルだな〜…と思いました。
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世界との接し方が分からない酒弱34歳がアル中になって、引き続き自分の得られないものに普通に憧れて辛くなる話。どうしようもなくてどうしようもなく辛い。 かくいう私はこれを読み終えながら明日仕事があるのに身体の酔いに身を委ねている。 「あなたになぜ頑張ったって言ってもらわなきゃいけないの」って、その通りだよな。それも言い訳なのかな。
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言葉が綺麗なのは確かだったが、主人公の性格、ストーリーの進み方など、理解できない部分が多く感情移入しにくかった。 主人公が不器用というか、あまりにも恋愛下手すぎて、もどかしかったし、歯切れ悪いなと思ってた
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たまには恋愛小説も、と思い、以前からタイトルだけ頭に残っていて世界的にも評価されてる作品のようだったので、読んでみたけれど、 意中の相手が出てくるのも中盤に差し掛かってからだし、一人一人のセリフも長いし‥ストーリーはすすまないし‥で、結果何も起こらないという 自分のせっかちさを測...
たまには恋愛小説も、と思い、以前からタイトルだけ頭に残っていて世界的にも評価されてる作品のようだったので、読んでみたけれど、 意中の相手が出てくるのも中盤に差し掛かってからだし、一人一人のセリフも長いし‥ストーリーはすすまないし‥で、結果何も起こらないという 自分のせっかちさを測れただけの心が動かされない1冊でした。こんなに本を読んで何も思わない事はないので逆に印象に残ったと同時に 世界的には評価が高いという事で自分の感性に自信を失いました。ただ、作者の川上さんが美しすぎて ファンになったので他の作品もまた読んでみたい。
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冬子、聖、三束さん。 ありきたりだけれど、人それぞれ生き方や人との関わり方に悩んで葛藤して生きているんだなと改めて思わせてくれた作品でした。 作中の雑談に出てくる光や音の話。光や音に対しての私自身の捉え方も変わり、そこも面白いポイントでした。
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まだ携帯が二つ折りなことに、懐かしさを感じた。 鬱々した日々とか、冬子の暗さとか、弱さとか苦しかったけど少しでもそのままの冬子を見せられる他人に出会えたことは救いなのかな?その人が、結局そばにいなくても、救いといえるのかな?と思った。久しぶりの小説よかった、冬の光をみる散歩、私も...
まだ携帯が二つ折りなことに、懐かしさを感じた。 鬱々した日々とか、冬子の暗さとか、弱さとか苦しかったけど少しでもそのままの冬子を見せられる他人に出会えたことは救いなのかな?その人が、結局そばにいなくても、救いといえるのかな?と思った。久しぶりの小説よかった、冬の光をみる散歩、私も今年したい!
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女性らしい言い回しが妙に生々しい表現だった。冬子への感情移入が止まらない。雨の中現れた三束さんの場面では、思わず私も涙した。
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男だけど入江さんにどっぷりと感情移入しながら読んだ。 最後の冬子と聖の言い合いのシーン、聖の言ってることが全部正論だと思って自分に響きすぎてしまうし、でも少しだけ苛立ちもあって言い返すけど抽象的なことしか言えなくて自己嫌悪になりそうなところ、聖も泣き崩れたところでハッとした。 つい自分だけが不器用で生きにくいとか思っちゃうけど、誰しもが悩んでいてそれでも強く生きて行動に移す聖を尊敬する。 遅くなった帰り道思わず最寄り駅からバスに乗らずにイヤホンでショパンの子守歌を聴きながら真夜中を歩いちゃったよね。
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冒頭の文にとても惹かれて久しぶりに読んだ小説。 小説(映画なども)は登場人物に感情移入しすぎて疲れてしまうので、もうずっと避けていたけれど、どうしようもなくやるせなくて、自分でいることが辛いときに逃げるように読んだ。 全体的に明るいわけではなく、救われないような、最後もハッピー...
冒頭の文にとても惹かれて久しぶりに読んだ小説。 小説(映画なども)は登場人物に感情移入しすぎて疲れてしまうので、もうずっと避けていたけれど、どうしようもなくやるせなくて、自分でいることが辛いときに逃げるように読んだ。 全体的に明るいわけではなく、救われないような、最後もハッピーエンドとは言い難い結末だが、その一種の憂鬱さを含んだ空気感が、今の私には心地よかった。変に明るくもなく、無理に前を向かなくてよかったから。 冬子や聖に自分を重ねながら、呼吸を思い出すように読み進めた。どうしようもない自分を許してくれるような、繊細で優しい表現を何度も何度も読み返した。一瞬を美しく、そして優しく捉えた表現がずっと心に残っている。
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表現が抽象的すぎたのか全然内容が入ってこなく途中で離脱しそうになりましたが表現の仕方が刺さる人には刺さる本だなと思いました。
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