依存症ビジネス の商品レビュー

デイミアン・トンプソン(著者),中里京子(訳者)

2015/01/27

「依存症」と聞くとまず思い浮かぶのは「薬物」「アルコール」。本書はこれらに関する依存症の話ではありません。オンラインゲーム、スイーツ、買い物、無料ポルノ・・・私たちを取り巻く環境に普通に存在し、恩恵を受けているとすら思っているものに潜む依存性のお話。ちなみに著者は元アルコール依存症です。

そんな著者がレポートする陥りがちな怖さとは、ヘロイン依存、麻薬依存、アルコール依存が人間の脳に依存たらしめる仕組み（脳内に放出されるドーパミンが原因とのこと)と、一日中家にこもってオンラインゲームをしたり、吐くまでスイーツを食べてしまったり、聖職者すら児童ポルノコレクターにしてしまったりする仕組みが実は同じであるということ。しかし後者の例も本人すら依存症になっていることが気付かないのだといいます。

そしてこれらを提供する企業は、脳の反応を研究しつくしていて、依存してもらうような戦略を駆使していて、ますます抗うことが難しくなってきている。

この傾向は今後ますます増え、私たちは嫌でも目耳に入ってくるこれらの誘惑に打ち勝つために、敢えて意思を強く持ち、勤勉であることが求められる。一昔前はそもそもそんな環境ではなかったため、そんなことをしなくても誘惑そのものが少なく、脳科学的にも刺激的ではなかったものが、今や頼んでもないのに刺激してくるという環境。そして本人は気付かない内に誘惑の虜になっていて気付いたら社会的にどうしようもない状況になっている、という。著者は実際にそうなってしまった人の取材例を引き合いに出し、依存症は病気ではなく習慣なのだと主張しています。なんでもかんでも手に入りやすくなった状況が事を悪化させている。

最後に、「狩猟採集民がもっていた警戒心を取り戻す必要があるかもしれない」という一文は、ジャレド・ダイアモンド著『昨日までの世界』の内容を彷彿とさせます。インフラが整い、便利で安心で安全な世界を築いてきた代わりに、人類に備わっていた警戒心、観察力、判断力が損なわれてしまったという内容ですが、これにはやはり教育をしっかりしていかないと...

2015/01/24

依存症の性質と応用ビジネスの紹介。
依存症「ビジネス」とあるが、原題はThe Fixで、特にビジネスについて掘り下げているわけではない。

○依存症の性質

依存症を支配するのは、快感よりも欲しいという気持ち。

依存症は一線を踏み越えると堕ちる病気ではなく、状況の悪化は連続的。
が、筆者は悪い方に傾いていると考えている。

報酬系が機能するのは生物として自然。習慣形成のようなもの？

流行は何がきっかけで爆発するか予測できず、誰もが陥いる可能性がある。

依存症になりやすさの要因はよくわかっていない。

○ビジネス

現代は依存症にさせるよう巧妙に仕組まれたビジネスにあふれている。

砂糖菓子、蒸留酒、ショッピングモール、iPhone、ゲーム、オンラインポルノ。薬を出す精神科も？

ABテストでパラメータを調整していくことで娯楽はよりハマりやすく進化していく。

○感想

アメリカの人はヤクでトリップしすぎ。向精神薬の処方薬が足りなくなるほど。

離脱症状のつらい薬物には手を出してはならない

私はAmazon依存かもしれない

2015/01/23

依存症は高額な１２のプログラムで治療する。
プログラム外で依存症から抜け出せた人は誤診。
脳科学を駆使してコンテンツ側は依存しやすいように日々知恵を搾っている。
依存症治療の市場規模は全米で９０億ドルともいわれている。

2014/11/30

楽と依存は相関関係があるように思えた。ネット、スマホに依存している大人は年々増えてるように感じる。
企業は消費者を依存させる事を考える事が売上向上に繋がる。世界で利益を上げている企業の製品に少なくともみんな依存してると思う。主観だけど欧米人は我慢しない人の割合が多いように感じた。

2015/05/23

スイーツ、iPhone、鎮痛剤。お酒、買物、ドラッグ、ゲーム、ポルノ。欲望を利用することで社会を発展させてきたが、依存的本能を引き出すような環境も作ってしまった。

カップケーキや処方薬あたりは、日本とちょっと違うように感じますが、私が知らないだけなのでしょうか。