依存症ビジネス の商品レビュー
【概要】 依存は病気ではなく、習慣。 そしてそれは、 いかに消費させるか 消費させ続けるか を推進してきた現代社会が仕組んだもの。 買わずにはいられない、食べずにはいられない、飲まずにはプレイせずには… 人々を「病みつき」状態にするにはどうしたらいいか? 人間の脳の...
【概要】 依存は病気ではなく、習慣。 そしてそれは、 いかに消費させるか 消費させ続けるか を推進してきた現代社会が仕組んだもの。 買わずにはいられない、食べずにはいられない、飲まずにはプレイせずには… 人々を「病みつき」状態にするにはどうしたらいいか? 人間の脳の仕組みを利用し、 生存本能を刺激し、 「欲しい」 と思わせ、必要以上に摂取させ続けられている。 依存とは、 人間の進化と社会の進化のミスマッチ。 ビジネスはテクノロジーを利用し、 ますますそのミスマッチを広げていっている。 【感想】 依存ビジネスの仕組み、面白かった。 物理的、心理的、社会的、経済的に入手しやすいものがFIX(依存対象)になりやすいと読み、なるほどと思った。 ただ、これを読んでそれこそお酒がやめられるとか、スタバのフラペチーノに興味がなくなり通わなくなれるとか、そういう本ではないので、 具体的な行動まで落とし込みたいひとには消化不良かも。 大きな枠で、人間の矛盾や依存行動の傾向が知りたいひとにはいいのかな? という感想です!
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3種の欲望=カップケーキ、iphone、鎮痛剤=バイコディン(ヒドロコドン)。 すぐに気分を良くしてくれるもの=フィックス、に手を出す。 バイコディンはセレブ用薬物=麻薬性鎮痛剤。ゾハイドロも同じ目的のもの。 依存症は病気ではなく習慣。手に入れやすいほど依存症になりやすい。ベト...
3種の欲望=カップケーキ、iphone、鎮痛剤=バイコディン(ヒドロコドン)。 すぐに気分を良くしてくれるもの=フィックス、に手を出す。 バイコディンはセレブ用薬物=麻薬性鎮痛剤。ゾハイドロも同じ目的のもの。 依存症は病気ではなく習慣。手に入れやすいほど依存症になりやすい。ベトナム戦争のときのヘロイン常習者は、帰還するとやめた。 ドーパミンのレベルが高いと何かに依存しやすい。 床屋にいれば、遅かれ早かれ散髪することになる=アルコール依存症の人が、オレンジジュースを飲むためにパブに行くのは危険。 清でアヘンの密貿易が可能だったのは、清の官僚や軍閥が自らアヘン中毒になっていたから。同じ理由でベトナムもヘロイン貿易を保護していた。 どれも入手可能性が高かった。 砂糖も薬物と同じ。コカインやアンフェタミンのように作用する。 抗肥満薬ゼニカル 食べ物からのキューに無意識に反応しないように注意する必要がある。 イタリアとスペインでは、飲むスピードはゆっくりでワインは食事の添え物だった。 アデノール(ADHDの薬)=アンフェタミンは集中力を高める。 モダニフィル=睡眠不足時にも記憶力を増強する。睡眠の必要性を減らす。 離婚訴訟ではFacebookのデータが証拠として提出される。 ポルノとドラッグは似ている。手に入れるときが一番ハイになる。 依存の治療もビジネスになる。
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"アルコール、薬物、糖分、ネットゲーム、オンラインポルノなどわれわれが夢中になりすぎて、社会生活を送れなくなるほどに依存してしまうものをつぶさに紹介している。 テクノロジーの進化とともに生まれた弊害の一つともいえる。 化学の進化がより純度の高い薬物や、脳内に幸福感をもた...
"アルコール、薬物、糖分、ネットゲーム、オンラインポルノなどわれわれが夢中になりすぎて、社会生活を送れなくなるほどに依存してしまうものをつぶさに紹介している。 テクノロジーの進化とともに生まれた弊害の一つともいえる。 化学の進化がより純度の高い薬物や、脳内に幸福感をもたらすものを薬として販売していたり、 インターネットの進化がいつでもどこでもオンラインでゲームができる環境を作っている。 簡単に手に入る環境があれば、たやすく依存症へとなってしまう恐ろしさが日常に潜んでいることを認識しておかなければいけない。"
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自分自身のアルコール依存症を何とかしようと思って、依存症に関する本を何冊か読んでいる。この本はアルコール、薬物(非合法、合法、処方薬とも)はもちろん、フラペチーノからアングリー・バード、ポルノに至るまで様々な「依存症」についての危機感を煽る本。一部は脳科学の成果を取り込んだ記述に...
自分自身のアルコール依存症を何とかしようと思って、依存症に関する本を何冊か読んでいる。この本はアルコール、薬物(非合法、合法、処方薬とも)はもちろん、フラペチーノからアングリー・バード、ポルノに至るまで様々な「依存症」についての危機感を煽る本。一部は脳科学の成果を取り込んだ記述になっているし、iPhone をはじめとする様々なデバイスやアプリケーションが人々を依存させる仕組に科学的に取り組んでいるのも事実だ(それは業界では UI/UX デザインと呼ばれていて、株主利益を最大化するために求められる当たり前の行為だ)が、ポルノあたりの記述はかなりあやしい。本書の記述(及び自分自身の経験)だけから判断すると、多くの人はポルノに依存しているのではなく、切手やコインと同じ収集癖に依存しているだけだ。糖分の危険性に対する警鐘も一読の価値はあるが、その依存性がコカインやアンフェタミンと同じだという研究結果は直観にそぐわないところがある。全体としての評価は、まあ普通。面白くはあるが、役には立たない。
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元、重度アルコール依存症のイギリス人筆者が、様々な依存症に関わる人たちの症例を交えて紹介している本。 タイトルに惹かれて購入した。 もう少しセンセーショナルな内容を期待していたが、全体的に読みづらく、分厚い割に凡長で、もっと端的にまとめられないのかと思った。英訳があまりよくない気もする…。 謝辞に「しまりのない主張」云々書いてあったが、本当にそのとおりで、途中から読むのが苦痛になり、眠れない夜の睡眠導入に役立ったくらいだ。。 イギリスの地理や宗教的な背景(キリスト教)、政治や社会保障に関する知識の前提がない日本人には親しみにくい文である。 要約すると、 ・ITテクノロジーの発展で、人間はより短期で即効性のある快楽を求めるようになった。 ・それにより人をモノのように扱えるようになった。SNSの友達を簡単に追加・削除できるのもその一例だ。 ・スイーツも、ゲームも、スマホも、アルコールも、麻薬と同じように依存性があるが、それが巨大な経済市場になっているため社会的な印象が悪くなることはなく、潜在的重度依存者を急激に増やしている。 ・砂糖はコカインと同様の中毒性がある。合法的な誘惑の多い環境で麻薬よりも簡単に手に入る。 ・依存症は遺伝でなく誰にでもなる可能性がある。 1980年代に比べ、あらゆる誘惑の洪水に対して、より理性的に欲望を自制する意識が求められている。 ・依存症はMRIや脳波などでは判別できないし、色んな要素が複合的に絡んでいるため原因を特定できない ・依存要因は、世界中の人々の日常習慣に巧妙に組み込まれている ・ゲーム開発者は、できるだけユーザーの心を長く惹きつけ、長期的に課金するような心理を綿密に研究して設計している。 ・依存症を治すリハビリ施設も需要の多いビジネス。依存症患者が増えて高い利益を上げている。
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これだけ「各種依存症」になりやすいのは、一にも二にも世の中が便利になったからに他なりません。 ネットを開けば、簡単にゲーム、ポルノ等の広告を見ることができます。街を歩けば、コンビニが目と鼻の先にあり、 そこには、魅力的なお菓子、アルコール類が、所狭しと置かれています。 便利な環...
これだけ「各種依存症」になりやすいのは、一にも二にも世の中が便利になったからに他なりません。 ネットを開けば、簡単にゲーム、ポルノ等の広告を見ることができます。街を歩けば、コンビニが目と鼻の先にあり、 そこには、魅力的なお菓子、アルコール類が、所狭しと置かれています。 便利な環境は、不便な環境よりも、生活はし易い。しかし、依存症の罠にかかりやすい環境だと思います。 この著作は、依存症になってしまう人間心理や、社会環境、そして、企業の思惑等、具体例が豊富に紹介されています。 もはや、現代人にとって、「依存症」になることを、避けられない状況のようです。 ここ10年間で、私たちの生活はがらっと変わったような感じがします。ネットの登場から、今では携帯で24時間、どこからでも アクセスすることができるようになりました。買いたいものは、瞬時に買うことができ、見たいこと、知りたいことも、一瞬にして わかるようになりました。 「気分を向上させたいときはいつでも、自分に報酬、すなわち「ごほうび」を与える習慣がますます強まったことだ」と、 本文に書かれています。「我慢」という言葉自体が、もう意味をなさなくなっているかもしれません。 お腹がすいたら、コンビニ行けば大抵満たされます、性欲が湧いたら、オンラインポルノにアクセスすれば 簡単に慰められます、退屈だったら、オンラインゲームをし、買物をしたかったら、ネット通販で事足ります。 私は今31歳ですが、10年前と比べても、格段に便利になった(買う、見る、知るという観点から)と思います。 ただ、その弊害が下手すると、自分を「廃人」にさせる、リスキーな社会になったと思います。 セルフコントロールとは、使い古された言葉ですが、今の時代、健全かつ健康に生活を送るためには、 昔以上に、自分の欲望に向き合わないといけないと感じます。「普通な人」と「廃人」には、少し前には、 明確な線引きがあったように感じます。「廃人」になる過程というものが、はっきりあったような気がしますが、 現代は、ほぼ私たちみんなに廃人になる可能性があります。 私事で恐縮ですが、私の兄がたった3ヶ月でオンラインゲームに150万程つぎ込んでいました。 もう少し、発覚が遅かったら、いったいいくら使っていたのか、、、、。 普段の真面目な兄を見ているので、その事実が発覚したときは、本人を責めましたが、 今では、今の社会環境を問題にした方がすっきりします。 この著作は、欧米の事情ですが、日本に置き換えても問題ないと思います。 それだけ今の世界に、依存症が病的に急拡大しているということです。
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ドラッグ、無料ポルノ、パンケーキ、カップケーキ、スタバのフラペチーノなど、どうして人はやめたくても止めることができないのか。それは、人を依存症にかかるように仕組まれたビジネスモデルにあることを著者は指摘しています。例えば、スマホアプリのゲームではある一定レベルまでは無料でプレイで...
ドラッグ、無料ポルノ、パンケーキ、カップケーキ、スタバのフラペチーノなど、どうして人はやめたくても止めることができないのか。それは、人を依存症にかかるように仕組まれたビジネスモデルにあることを著者は指摘しています。例えば、スマホアプリのゲームではある一定レベルまでは無料でプレイできるが、レベルアップをするためには課金を求められる。アプリ内課金は、お金を支払うという行為を限りなく簡略化した仕組みで、気付かぬ間にゲームに大金を浪費してしまう。 こうした依存体質を生み出す原因となるのが、脳から分泌されるドーパミンである。ドーパミンは、「欲しい」という衝動に強く反応し、ドーパミンが恒常的に分泌されると常に新しい刺激を求めるようになる。このドーパミンの分泌に拍車をかけているのが、あらゆるものを手にいれることが出来る環境であると、筆者は述べる。アマゾンで注文すればもれなく「この商品を注文した人は、これらの商品も注文しています」と紹介され、コンビニのレジの隣には食欲をそそるドーナッツが置かれ、無料ポルノではあらゆるジャンルのポルノ動画が公開されている。企業は顧客にこうした無数の選択肢を提示し、人々に「欲しい」という衝動抱かせることで、依存症へと追いやっている。 本書で繰り返しし述べられてるように、あらゆるものが溢れかえっている現代社会では、「依存症の人」と「普通の人」の境界線は極めて不鮮明になっており、誰もが依存症になる可能性があることを留意せねばならない。
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依存症は、手に入れやすい、中毒性がある、簡単にできるの3つがポイント。 現在のビジネスはみなこの変形。
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アメリカのルポもの。アルコール、砂糖、買い物、ギャンブル、処方薬、ゲーム、ポルノなどの依存について。 特に気になったのは処方薬の項。ADHDは日本でも増えつつあるけど製薬業界の陰謀?と思うと恐ろしい。寝ないで社交、勉強に明け暮れ、仕事でもオーバーワークに耐えるために薬に頼る過剰さ...
アメリカのルポもの。アルコール、砂糖、買い物、ギャンブル、処方薬、ゲーム、ポルノなどの依存について。 特に気になったのは処方薬の項。ADHDは日本でも増えつつあるけど製薬業界の陰謀?と思うと恐ろしい。寝ないで社交、勉強に明け暮れ、仕事でもオーバーワークに耐えるために薬に頼る過剰さに戦慄。 我が身を振り返ると、携帯をなくすと異常なまでに落ち着きがなくなったり、用もなくコンビニに立ち寄ったり、各種量販店の買い物アプリを無意識でチェックしてしまっていることに気がついた。軽度の依存はすぐそこにある。
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経済的に成熟した先進国の企業が利潤を追い求め続けた結果、消費者を「依存させる」ビジネスモデルが乱立してしまったのは確かだと思います。日本だとオンラインゲームの課金、パチンコ、そしてスマホの新作の乱発など、数えたらきりがありません。 この著者、AAという宗教的自助グループの思想を否定していますが、依存症の問題は「宗教的」アプローチで解決するか、「医学的」「社会的」に解決するか、依存症者本人、および関係者が選択すれば良いだけだと思います。恐らく著者は、アメリカではAAの12ステップが医療分野に浸透しすぎて市場として成立している事に嫌悪感を抱いているのかも知れません。 本当に読みづらい文章だったので、3章でギブアップ。なのでこの評価。
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