依存症ビジネス の商品レビュー
我々の目の前には、“誘惑”という名の社会が広がっている。とりわけ、「買い物」・「スイーツ」・「お酒(アルコール)」・「ドラッグ」・「インターネット(SNS、ゲーム、ポルノ)」を本書ではその対象にあげている。 確かに、ここ数年のうちに人を取り巻く環境は劇的に変化し、それに合わせて...
我々の目の前には、“誘惑”という名の社会が広がっている。とりわけ、「買い物」・「スイーツ」・「お酒(アルコール)」・「ドラッグ」・「インターネット(SNS、ゲーム、ポルノ)」を本書ではその対象にあげている。 確かに、ここ数年のうちに人を取り巻く環境は劇的に変化し、それに合わせて生活スタイルも変化してきた。町のいたるところで大量に安価な製品が出回り、家に居ながらクリック一つで購入することすら可能となった。 その中にあって、本書で取り上げる“誘惑”が、単独もしくは相互に影響し合い人の関心を執拗なまでに集めるようになった。当初は種火だったものも、いつしか取り返しのつかない大きさにまでなってしまったのである。 依存症を引き起こすこれらのものがビジネスモデルとして拡大し、それに合わせて依存症から抜け出すものもまたビジネスモデルとして成立するに至っている。よくよく考えてみれば、各々が自分でセーブし依存症になる前に食い止めておけば、そこにビジネスモデルが成立する余地はなかったのだと言える。 社会は社会を創造したいような社会へと変化する。結果として、「一人一人の弱い心が今に至る依存症社会をいみじくも望んでしまった」と言わざるをえないところである。
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アルコール、ゲーム、薬物、買い物、ポルノなどあらゆるものに依存する可能性がある。 ポルノ産業で儲けている企業も増えており、子供たちは過激な動画に触れることでポルノ依存症に陥る。これにより生身の人間との付き合い方がわからなくなってしまう子もいる。 依存するものが手に入りにくくなると、より手に入りやすいものに依存するケースもある。 欲しいという欲求により、ドーパミンが駆動するが、薬物を注入するときよりも、薬物がもうすぐ手に入るというタイミングで大量のドーパミンが噴射される。企業はやみつきになる製品を開発するのにしのぎを削っている。そして依存症から抜け出すリハビリ産業が大きなマーケットになっている。
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元アル中のライターが書いた依存症についてのレポート。 スタバのフラペチーノや、i-phoneやi-padも、鎮痛剤も、ぜんぶ依存症。 砂糖たっぷりのカップケーキも。マックのハンバーガーも。もちろん依存症。 ギャンブルは言うに及ばず死に至る依存症。カジノなんかもう最悪。身の破滅...
元アル中のライターが書いた依存症についてのレポート。 スタバのフラペチーノや、i-phoneやi-padも、鎮痛剤も、ぜんぶ依存症。 砂糖たっぷりのカップケーキも。マックのハンバーガーも。もちろん依存症。 ギャンブルは言うに及ばず死に至る依存症。カジノなんかもう最悪。身の破滅に通じる依存症の道。 ギャンブルじゃないからといってゲームも危険。アプリ内課金は悪魔。オンラインゲームも身を滅ぼす。 おクスリは最悪の依存。 ヘロインやコカイン、MDMAに覚せい剤も。 ADHDの治療薬もドラッグとして使えるんだって。 インターネットの普及にともなって大量のポルノグラフィーが出回り、これも依存症に。 そして最後は多種多様な依存の解毒がビジネスになる、という。
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依存はスペクトルであり、人は皆どこかに位置しているので、依存症という病気は存在しない。 欲しいという感情に敏感に反応することで人間は進化してきたが、欲望を刺激するものが増えてきた社会ではその能力は悪用されてしまう。 依存にまつわる色んな話が書かれた本。 今の広告とかも大概人間の...
依存はスペクトルであり、人は皆どこかに位置しているので、依存症という病気は存在しない。 欲しいという感情に敏感に反応することで人間は進化してきたが、欲望を刺激するものが増えてきた社会ではその能力は悪用されてしまう。 依存にまつわる色んな話が書かれた本。 今の広告とかも大概人間の「欲しい」という感情(これがドーパミンを発生させ人を依存に陥らせる)を刺激するものばかりだからなあ。ソーシャルゲームの開発者が依存症治療の専門家にアドバイスを求めてきた(もちろん依存させるために)というのも笑えるようで空恐ろしい話。 ともかく色々学びがあったのでこういう本は高評価にしてます。
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元アルコール依存症のライター故、通説とは異なる分析や見解も披露されているが、説得力がある。 人間という未知で業をもつ存在に、そのの意志の弱さにつけ込み、いわゆる病みつきにさせてしまう、計り知れないテクノロジーとビジネスの共犯関係に迫る。
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○アメリカにおける依存症ビジネスの実態と、そのメカニズムを描いた作品。 ○依存症としてイメージしやすいドラッグやギャンブルだけでなく、iPhoneやSNSといった、身近で誰もが使っているものであっても、実は依存症の恐れがあるということを知り、大変興味深かった。 ○新しいテクノロジ...
○アメリカにおける依存症ビジネスの実態と、そのメカニズムを描いた作品。 ○依存症としてイメージしやすいドラッグやギャンブルだけでなく、iPhoneやSNSといった、身近で誰もが使っているものであっても、実は依存症の恐れがあるということを知り、大変興味深かった。 ○新しいテクノロジーやビジネスは、どれも依存症がついて回るということを自覚する必要がありそう。
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薬物依存と同じくらい恐ろしいゲーム(ネット)依存。 心理学者までも協力し、依存が進むようにプログラミングされているゲーム。依存症は病気ではない。
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著者が自分の体験から感じたことを、話している。それが、私の体験からも共感できるので、裏付けが弱くても共感して読める。 消費を加速するために企業が行う様々な手段。それにより、私たちは欲望を操られて…日々の生活で感じていたことなので、より心配が増す。
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対象物の入手し易さも選択肢のバリエーションもリターンの強烈さも増大しつつある依存症。でも結局、太刀打ちできるのは今も昔も意志の力だけなのね〜 病気自慢ならまだ可愛げもあるけど、依存症披露はグロテスクだわ…とか、非物質に対しても依存症は発生するなんて怖いわ… とか、は置いといて、スイーツ耐性の脆弱さを自覚すべきやろ、自分!
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