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木暮荘物語 の商品レビュー

3.7

325件のお客様レビュー

  1. 5つ

    58

  2. 4つ

    116

  3. 3つ

    97

  4. 2つ

    16

  5. 1つ

    2

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2020/09/22

短編集の最初の1話が、三浦しをんさんのわりにキラキラ少女漫画みたい、と思ったけれど、次の話からどんどん引き込まれて最終的に大好きな短編集になっていた。やっぱり三浦しをんさんの書く文章が好きだなあと実感。まだまだ読んでない本が多いから読み続けたい。

Posted byブクログ

2020/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

和らげ癒すのは隣人たちのぬくもり、というあらすじを読んで手にとったものの。ぬくもりを感じるまでのネットリとした暗さにギョッとする。 感想をどう書こうか、とぐるぐるしてしまう。 築ウン十年の木造ボロアパート小暮荘の7篇。 花屋で働く繭は、伊藤と穏やかな交際を続けていたが、そこに3年前にふらりといなくなった元彼の並木が転がり込んで。 大家の小暮老人の突然湧いた性の衝動。 トリマーの美禰がホームで見つけた卑猥な形のキノコとそれが結ぶ縁。 花屋兼喫茶店を営む夫妻と変化したコーヒーの味。 会社員の神崎のストレスの吐口は階下の女子大生の部屋の覗きだった。 誰にも言えない秘密を抱えた光子。大学の友達が産んだ赤ちゃんを預かることになるが。 繭に執着する並木と嘘付きの味がわかるフジコ。 それぞれの想いと生活が小暮荘を中心に、時にかすめて混ざり合う。 そんなに安らぎを与える場所でもないような。 でもやっぱり、なんとなく癒されているのかも。

Posted byブクログ

2020/06/14

一つのアパートに住む人々の生活を性を中心に描いている。人の生活のなかで、性はとても大きな大事なファクターだと思った。

Posted byブクログ

2020/05/22

帯に書かれた「あぁ、私はこの物語がとっても好きだ」と言う小泉今日子さんのコメントと、住宅街に建つ古びた二階建て木造アパート「小暮荘物語」の説明から「メゾン一刻」を想像し管理人さんとその住人との仄々とした話と思い読み始めた。 が、その想像は全く異なっていた。そこに住む人たちは、変な...

帯に書かれた「あぁ、私はこの物語がとっても好きだ」と言う小泉今日子さんのコメントと、住宅街に建つ古びた二階建て木造アパート「小暮荘物語」の説明から「メゾン一刻」を想像し管理人さんとその住人との仄々とした話と思い読み始めた。 が、その想像は全く異なっていた。そこに住む人たちは、変な人たち。そしてどれもが性に絡んでいる。今までの三浦しをん先生とは異質のこの作品に「戸惑った」と、言うのが正直な感想。 アパート1階には70を過ぎているのに女性とセックスがしたいと移ってきた大家の小暮。その隣に住む男性にもルーズな女子大生の光子。女子大生の生活を自分の隣の空き部屋に侵入して覗き見をする会社員の神崎。そして、元彼が押し掛けてきて今彼と3人で暮らすフラワーショップの繭。 読み終えてどこが面白かったのか振り返った時、自分が三浦しをん先生の作品に性を求めているのではなく、小説としての感動を求めていたのに…と、いう想いが、戸惑った原因だとわかった。 この作品は何を伝えたかったのかを考えた時、性ではなく生をメッセージとして、人間の子孫繁栄という潜在的意識に「自分の心に真摯に生きていく」と言うことを伝えたかったのかもしれないとも思った。時間をおいてもう一度読んで見て、改めて考えてみたい。

Posted byブクログ

2020/04/27

木造2階建…おんぼろアパート木暮荘に住む4人とそこに関わる人々にまつわるあれこれ。 1人ひとり、7つのエピソードからなる短編連作。 元彼に居座られるもなんとなく許してしまう繭と今彼。 70歳を過ぎて突如として性に目覚めてしまった大家でもある木暮。 人殺しをしたかもしれない美禰。 ...

木造2階建…おんぼろアパート木暮荘に住む4人とそこに関わる人々にまつわるあれこれ。 1人ひとり、7つのエピソードからなる短編連作。 元彼に居座られるもなんとなく許してしまう繭と今彼。 70歳を過ぎて突如として性に目覚めてしまった大家でもある木暮。 人殺しをしたかもしれない美禰。 階下の女子大生の部屋を覗き見するサラリーマン神崎。 彼氏が1号から3号までいる女子大生。 真夜中に出かける夫に浮気を疑う佐伯さん。 食べ物から嘘や浮気が分かってしまうニジコ。 ざっくり見る人間らしさはコメディなんだけど、それぞれの抱える事情は切ない。 共通のテーマは〝性〟ですが結局〝性〟も人それぞれで正しいとか間違ってるとか言えるはずもない。どうにもならないことだってある。 ただ自分にしか分からない苦しみや哀しみに折り合いをつけて生きていく。それだけ。 奇異に思える癖やあれこれも木暮荘の人々だけでなく誰にとってもあり得ることなのかも知れない。 誰だってみんな自分は〝まとも〟 と思っているからね。 今年の12冊目。 2020.4.27

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2020/03/16

小田急線世田谷代田駅徒歩5分、築年数不明のポロアパート「木暮荘」を中心に綴られた7篇の短編連作小説。 「せっかくいい天気なんだし、どっか行こうか」 「そうだね。でもいい天気だから、どこも混んでいそうだ」 などと、坂田繭と伊藤晃生が日曜の昼下がりにアパートの一室でごろごろしながら...

小田急線世田谷代田駅徒歩5分、築年数不明のポロアパート「木暮荘」を中心に綴られた7篇の短編連作小説。 「せっかくいい天気なんだし、どっか行こうか」 「そうだね。でもいい天気だから、どこも混んでいそうだ」 などと、坂田繭と伊藤晃生が日曜の昼下がりにアパートの一室でごろごろしながらしゃべっていたら、大家の飼い犬のジョンが「ワン、ワン」お庭で吠えた。 始まりの数行で、すっかり引き込まれてしまった。それぞれの主人公の視点が明確だからだろうか。決して多くの言葉を使っていないのに、情景がはっきりと思い浮かべることが出来る。小説を読んでいるというよりは、映像を見ているような。映像作家ではないけれど、映像化したくなるような文章だと思った。個人的に並木は松田龍平かな、と思ってたけど最終的に菅田将暉くんに落ち着いた。 読み終わってしまうのが惜しく、寂しいとさえ思える作品は久しぶりだった。普段読まないあとがき代わりの「木暮荘に寄せられた声」までしっかり読んでしまった。 この空気感を永遠に味わっていたくなる一冊でした。かといって続編を出すのは蛇足になりそうだと思うジレンマ。

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2020/03/05

みんな「そんなこと」ばっかり考えて一体何だよ~と、思わないでもない話(笑) でも、他の話では得体のしれない、軽い女子大生に見えた子が、実はそんな深刻な問題を抱えていたのかとか、人を見かけで判断しちゃいけないよな、と再確認させられることも。 登場人物みんなに焦点が当たっていて、...

みんな「そんなこと」ばっかり考えて一体何だよ~と、思わないでもない話(笑) でも、他の話では得体のしれない、軽い女子大生に見えた子が、実はそんな深刻な問題を抱えていたのかとか、人を見かけで判断しちゃいけないよな、と再確認させられることも。 登場人物みんなに焦点が当たっていて、よかった。

Posted byブクログ

2020/02/22

登場人物はちょっと変わってるけど極当たり前の人が抱くのと変わらない願望や欲求があって、だけど極当たり前のように叶わない。自分自身にも関わる人にもゆるっとした折り合いをつけている感じが 安普請ゆえの木暮荘のゆるっとした感じと呼応してるみたいで なんか良かった!

Posted byブクログ

2020/02/18

2020年2月17日読了。東京・新代田にあるぼろぼろの木造アパート「木暮荘」に住む男女の7つの物語。登場人物の一人・神崎だけでなく、この本を読んでいる自分も他人の人生をのぞき見て喜ぶ人間の一人であるのか…。いずれ程度の差はあれど、小さなことで真剣に思い悩む登場人物たちは皆滑稽に感...

2020年2月17日読了。東京・新代田にあるぼろぼろの木造アパート「木暮荘」に住む男女の7つの物語。登場人物の一人・神崎だけでなく、この本を読んでいる自分も他人の人生をのぞき見て喜ぶ人間の一人であるのか…。いずれ程度の差はあれど、小さなことで真剣に思い悩む登場人物たちは皆滑稽に感じられるが、他人の人生は結局滑稽なものだし、当事者の真剣さは当事者にしかわからないものなのかな…。小さな日常を大切にし、小さな悩みを真剣に捉える彼らが少々うらやましくも思えてくる。ちなみにこの本は妻のおすすめにより読んだが、その意図は3話目「黒い飲み物」の夫婦の顛末を私に読ませることにあったのか…?まさか、な…。

Posted byブクログ

2019/12/22

おんボロアパートに住む人々や気になる人々の日常生活。 住人それぞれの性について悩み戸惑うあり様に、 笑いや情やらがうまく合わさり、ほっこりと読了。 【2019.12】

Posted byブクログ