3時のおやつ の商品レビュー
最近我が子たちの「おやつ」に頭を悩ませている。ふかし芋やおにぎりといった健康的なものをあげればいいんだろうけど、既にクッキーやらチョコレートやらの魅力を知っている子らはまったく受けつけず、またおやつを食べているときだけはおとなしいのでつい黙らせる目的で甘いものを与えてしまう。かく...
最近我が子たちの「おやつ」に頭を悩ませている。ふかし芋やおにぎりといった健康的なものをあげればいいんだろうけど、既にクッキーやらチョコレートやらの魅力を知っている子らはまったく受けつけず、またおやつを食べているときだけはおとなしいのでつい黙らせる目的で甘いものを与えてしまう。かくて小さいお腹はおやつで膨れてしまい、子らは夕飯を残す。夫は「自分が子どもの頃はおやつなんか食べていなかった!」と怒り、おやつ禁止を言い渡す。 本の感想のつもりが身の上話になってしまったけれど、そんな悩みを抱えているときにふと手に取ったのが本書。結論から言えば、おやつって案外いいものじゃないかと思った。お腹じゃなくて心を満たすものというか。様々なクリエイターさんたちの綴る文章からは、幸福な思い出がじわりと滲む。おやつは必然性がない(これは女優ミムラさんの言葉)からこそ日常とは切り離されて、嬉しさや楽しさと結びつくのかもしれない。日常そのものである当然的な食事は、幸福な時も病める時も摂るものだし、なんなら家族を亡くして絶望的に悲しい時だってお腹は減る。食べることは生きること。一方でおやつを食べることは、生を楽しむことなのかななんて。 加えて、おやつはひとりで食べることが多い、故に味や食感や食べている時見ている風景が強く記憶に残るのかな、とも思った。もちろん例外もあり、本書でも加藤千恵さんや益田ミリさんのように誰かと食べるからこそおいしいというエッセイもあるんだけど、多くは「共働きの両親にお金だけ渡されてひとりで買いに行った駄菓子」などが多い。そしてクリエイターの方々の、適度に放っておかれた率の高さにも驚く。ひとりの時間が多かったからこそ、ものを作る職(執筆陣の大多数は小説家だけど詩人や映画監督もいる)に就かれるのかなあ。 おやつによって幸福な記憶とクリエイティビティを養うことができるのなら多少夕飯を残すくらいいいじゃないか──と思わされる1冊だった。これは夫と相談だな。
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お母さんがつくってくれたケーキ、友だちの家でごちそうになった不思議なおやつ、豪華なおかしより魅力的だったアレ…。30人のクリエイターが、おやつにまつわる思い出を語ったエッセイ集。『asta*』掲載を文庫化。 思い出はいろいろ。
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3時のおやつ いろんな分野で活躍してる方のおやつエッセイ 益田ミリさんや女優の美村里江さんなどの懐かしくて、読んでるだけでお腹がすいてくる1冊 中でもペヤングソースやきそばのエッセイは笑ってツッコミを入れてしまうほど
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さまざまな人たちのおやつにまつわる話を 美味しそうだなぁと、ゆるり楽しめる。 が、犬童一心さんのエッセイは別格だった。 ホームランバーの当たりに見つける幸せ。 大げさがちょっと恥ずかしい。 そんな懐かしいおやつ。 2度と出会うことのない「幸せ」。 じんときて、自分の懐かしい...
さまざまな人たちのおやつにまつわる話を 美味しそうだなぁと、ゆるり楽しめる。 が、犬童一心さんのエッセイは別格だった。 ホームランバーの当たりに見つける幸せ。 大げさがちょっと恥ずかしい。 そんな懐かしいおやつ。 2度と出会うことのない「幸せ」。 じんときて、自分の懐かしいおやつに 思いを馳せた。
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一か月以上かけてようやく読み終わった。おやつにはおいしさだけではなく、思い出や生き様、価値観が詰まっていた。 おやつのおともに一遍ずつ読んでいくのもおもしろいかも。 私のお目当ては宮下さん。 エッセイをこんなに物語っぽく書ける方はいない。 お母さんの描写が切ない。
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午前3時は3時のおやつじゃない、に笑った。 キーリ書いてる人が1本目で、わ!なつかし!!ってなった
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ごかぼうとか、ココナッツサブレとか、父親が好きだったおやつが出てきて、懐かしくなった。 自分の思い出のおやつは…母が作った揚げパンかな? 自分が過ごしてきた小さい頃のこと、一緒に思い出せる家族がいるうちに、もっとたくさん話しておこうと思う。
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なぜにアイウエオ順にタイトルをら並べているのか。 読みながら、「あ、いいかもって。ちょっと心が動いてるかも」ってのがあっても、どれと言われると思いだせない。 ただ、家族とか周りの人のやさしや溢れる話は心が暖かくなる。
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思い出のおやつの話 ほっこり気分になれる事間違いなしです! そしてこの本のメリットは、知らなかった作家さんをたくさん知れたこと!! また読んでみたい本が増えました!
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おやつにまつわるエッセイを50音順に読める贅沢な一冊。 登場するクリエイター(作家さん)は、なんと30名。 食エッセイにハマっているの大満足だった。
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