ソロモンの偽証(3) の商品レビュー
【感想】 6巻中3巻読了。 3巻の序盤は「学級裁判」というイベントの非現実的さからか、2巻までのシリアスな雰囲気がちょっと薄れ、「あれ?ちょっと面白くなくなってきたかも・・・」と思いましたが、そんなことありませんでした。 3巻の、途中から終盤にかけてのヒートアップがかなりヤバかっ...
【感想】 6巻中3巻読了。 3巻の序盤は「学級裁判」というイベントの非現実的さからか、2巻までのシリアスな雰囲気がちょっと薄れ、「あれ?ちょっと面白くなくなってきたかも・・・」と思いましたが、そんなことありませんでした。 3巻の、途中から終盤にかけてのヒートアップがかなりヤバかったです(笑) まず、大出俊次が見せた子どもらしさについて。 今までだとただの悪人といった印象が強い彼でしたが、3巻では相当参っているのか、しおらしい面を多く見せたような気がします。 弁護士である神原にいいように丸め込まれるシーンも多かったのが印象に残りました。 作中でも「こども大人」と揶揄されたように、やっぱり中学生なんだな~と読んでいて安心できました。 次に、終盤の茂木と涼子のラリーの応酬が本当に凄かった・・・ 涼子が茂木に対して手持ちのカードをうまく使って駆け引きを行ない、何とかマウントを取ろうとしていて、そのカードの出すタイミングなどをしっかり熟考しているあたり、こんな中学生いたら怖えーよ!!と読んでて思いました。 結果、茂木との交渉も成立させたあたり、物語の大きな進展を感じました。 また、現時点での伏線の多さも非常に気になります。 事件の真相は勿論、1巻のはじめの公衆電話の正念のエピソード、一体「神原」は何者なのか、そして間違いなく事件の真相のカギを握っているであろう"花火師"の存在などなど・・・ 続きが気になりすぎて早く続きが読みたい!! 【あらすじ】 あたしたちで真相をつかもうよ――。 二人の同級生の死。マスコミによる偏向報道。当事者の生徒たちを差し置いて、ただ事態の収束だけを目指す大人。 結局、柏井卓也はなぜ死んだのか。 なにもわからないままでは、あたしたちは前に進めない。 そんな藤野涼子の呼びかけで、中学三年生有志による「学校内裁判」が幕を上げる。 求めるはただ一つ、柏木卓也の死の真実。 【引用】 p254 津崎はふと、垣内という女性を哀れに思った。 この女性には、味方がいるのだろうか? 誰か彼女のそばにいて、慰めてくれることはあるのだろうか? 誰か、彼女の、そばに。 その考えが、不意に別の方向に結びついて、津崎の思考をちょっと乱した。 もう1人、味方してくれる者もないまま孤独の中にいるに違いない少女の顔が、瞼の裏に浮かんで消える。 p285 今回の騒動で、樹里は学んだのだった。 学校というところは、被害者には弱い。 自分が被害者であるということを訴える術を持っている被害者には、無条件で譲ってくれるのだ。 「樹里ちゃん」 すぐ後ろで、母の声が響いた。 「それ、何なの。何を書いてるの?」 ママの目はワープロの画面に釘付けだ。瞳を動かし、読み進むうちに、顔から血の気が引いてゆく。 口をパクパクさせて、樹里は必死で空気を吸い込もうとする。胸が苦しい。血が逆流する。 「あんた、ママを閉め出して、こそこそと何をやってるの?これは何?何なのよ?」 答えなさい、樹里ちゃん。樹里ちゃん!樹里ちゃん!樹里ちゃん! p459 「こっちが口を挟む間もないくらい、つんのめるみたいにして喋っててね。勢い余って口を滑らせた」 何と言ったと思う? 「“私”と言うべきところで、“うちの樹里は”と言ったんだ」 p460 「それがジャーナリストの仕事だ。だから、僕は取材を続けるよ。大出君にも、三宅さんにもね」 悔しいけれど、涼子にそれを止める術はない。ない…けれど。 まったく対抗手段がないわけでもない。 茂木の取材を止めることはできない。阻むことはできない。だぅたら、だったら、どうするか。 利用するんだ。 p464 「森内先生は、本当に告発状を受け取っていませんでした。先生に届くはずだった告発状は、途中で盗まれていたんです」 茂木がこんなに驚くのを、涼子は初めて見た。何とも痛快だ。 「番組の中で、茂木さん、森内先生のことはずいぶん責めてましたよね?大事な告発状を捨てちゃうなんて、無責任で無能だって。あれ、ちゃんと裏付けをとった上での発言じゃなかったんですね。けっこうまずいんじゃないですか?森内先生に訴えられたら」 「それ、本当なのか?」 完全に食いついた。茂木は汗をかいている。 p524 「お父さん、放火の手口で、“花火師”って言葉、知ってる?」 剛は止まった。その手がずっと降りて、湯呑みをテーブルに置く。 「何だって?今、何て言った?」 涼子は目をパチパチさせた。なんだ、この反応は? 「おまえたち、くれぐれも、大出君の家の放火の件には触れるなよ」 お父さん、真面目に言ってる。 「おまえたちが手出ししていいことじゃない。昨日も言ったろ?神原くんにも、花火師なんて言葉は忘れてしまうように言ってあげなさい」
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1,2巻は序章。 3巻から一気に面白くなる。 どんな展開になるのか検討もつかない。 これでただ裁判やって終わりって感じだったら、半分のボリュームでいいやろ、と思ってしまいそうなので、さらなる急展開を希望。
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急に面白くなった。 裁判の展開は予想外。 野口くんが大出くんとの接し方が徐々に代わっていくのが印象的。 夏休みの短い期間で、涼子が良い子ぶらず、何枚も皮がむけていくことから、経験と成長の凄まじい関係性を感じた。
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(個人的備忘録) 事件の事実を明らかにするために動き出した、 藤野涼子の頭のキレの良さに感服。 検事役として努めることになったが、 一体どんな風に考え行動して、結果を導き出すのだろう。 「裁判は、勝ち負けではない。 私たちには真実を知る必要がある」 そして、他校だが死亡した柏木卓也の友人だったという 神原和彦の存在に、謎めいたものを感じてしまう。 被告人 大出の弁護人を努めるわけとは…? そして大出家の放火に関する大きな謎とは? 告発状を出した事が一部に判明してしまった、三宅樹理の今後の行動とは? これから先もまだまだ、そして更に気になる読後感だった。
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本巻では神原和彦くんの登場が謎だなぁ。涼子ちゃんといい、この子も・・・だなぁ。 それにしても長尺、もうちょっとさっさと読みたい。
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神原くんが何者なのかがとても気になる。大出君や三宅さんも含めほとんどの登場人物の性格がわかってきているが神原くんだけは謎で、彼が裁判に参加したのには何か裏がありそうで怖い。
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模倣犯のように事態がゴロゴロ出てくるような派手さはないけど、中学生のまだ大人ではなくもう子供でもない狭間にある少年少女の繊細な心の動きが鮮明に描かれている。 とにかく藤野涼子がかっこいい。 まだ中学生だが大人になった姿が目に浮かぶ。
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GW中、手元にあるのは三巻まで。 続きも読みたいからとAmazonを見ても品切れ、ほかのサイトも同様に品切れ。 短縮営業しているという近所の本屋に行ったら、なんと休業中。。 これはじっくり読もう、ゆっくり読もうと思った三巻です。 幸い、GW明けの平日に急いで会社をあがり、本屋に...
GW中、手元にあるのは三巻まで。 続きも読みたいからとAmazonを見ても品切れ、ほかのサイトも同様に品切れ。 短縮営業しているという近所の本屋に行ったら、なんと休業中。。 これはじっくり読もう、ゆっくり読もうと思った三巻です。 幸い、GW明けの平日に急いで会社をあがり、本屋に駆け込みました。そして四~六巻を手に入れたので、心おきなく読みます!笑 とうとう子どもたちが動き出します。 大人に翻弄されてばかりいた子どもたちが必死に「真実」を見つけようと動き出します。 それは「学校内裁判」。 柏木君の死をきっかけに目まぐるしく変化する環境と、なかったことにはできない精神(心)と。 顔の見えなかった同級生の輪郭をなぞるような一冊です。 学生たちのキャラクターもだんだん浮彫になっていきます。 はやく四巻を読まなくては。
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ちょっとダレてきた印象。 そこまで詳しく書かなくてもいいよー先に進んでくれーで読み終わった。 今のところどっちにも転がる感じで、伏線をどうやって回収していくか楽しみ。
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こ、こ、こんな中学生いてたまるか〜〜〜〜〜!!!中学生ってのは内面は育っていてもどこか流されやすくて自意識過剰で独りよがりで、敏感だから傷つきやすくて、腹に何抱えてるか分からない大人と渡り合えるだけの語彙だって経験だって圧倒的に足りないもんだぞ〜〜〜〜〜!!!って思いながら一気に...
こ、こ、こんな中学生いてたまるか〜〜〜〜〜!!!中学生ってのは内面は育っていてもどこか流されやすくて自意識過剰で独りよがりで、敏感だから傷つきやすくて、腹に何抱えてるか分からない大人と渡り合えるだけの語彙だって経験だって圧倒的に足りないもんだぞ〜〜〜〜〜!!!って思いながら一気に読んだ。死ぬほど面白い。でも不思議と三宅樹里みたいな中学生はいるだろうなって思うんだよなあ。戦う手段によるんだろうなあ。 顔がどんだけ可愛くても、社会に出れば確実に「可愛げのない」女になるであろう藤野涼子のことを理解したうえで「可愛い」って思う野田くんはいい男になる、、、今のうちに捕まえておけ涼子、、、ああでもまだ中学生だからこの良さは分からないだろうな、、、とまで考えて、どんだけ大人顔負けの行動力や舌戦を展開してても、ちゃんと彼らのこと「中学生」として読者に認識させてる宮部みゆきすげえと思いました。
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