丹生都比売 の商品レビュー
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やはり一番は『ニオツヒメ』かなぁ。切ないような、ほんのりあたたかいような。日本史が好きだから~と言う事を抜きにしても、この話が一番好き。 それ以外だと『本棚にならぶ』が、え…?そう言う事…?って、よくわからないままの恐怖。コワイけど、こんな本屋さんがあったら行ってみたいかも。かけていって収納ってどんな時に思いつくのか……。 “トウネン”も“トウネンの耳”もひたすらに気になる。表紙にいるのがトウネン?
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「丹生都比売 梨木香歩作品集」(梨木香歩)を読んだ。 「トウネンの耳」はなんとも愛おしい作品。こういうのたまらなく好き。 「夏の朝」もいい。 しかし何と言っても表題作の「丹生都比」は出色だな。 『草壁皇子』のしだいに透き通っていく命の美しさが胸を打つ。 さすが梨木香歩である。
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梨木さんの短編集。 表題作の「丹生都比売(におつひめ)」が ほぼ半分を占めています。 丹生都比売は史実を基にしたファンタジーっぽくて 面白かったです。個人的に好きなのは「夏の朝」。 母親と子供の先生とのやり取りのイラつく状況を イラつかずに読めるのは梨木さんの文章の なせる業でした。この題材は作者さんによって 書き方が変わるでしょうね(´艸`*)
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いい意味で初期梨木先生の空気感の詰まった短編集でした。 ほんとにめっちゃ短いのばかりで、どれも良かったな~~。 『裏庭』のときからだけど、優しくて穏やかな世界の中にも、どこか死の香りが漂ってるってのが梨木香歩ワールドだよなあ。
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本のオビに「初の短篇集」とある。 そうか、そういえば梨木果歩さんの短篇集って読んだことがなかったな、と気が付く。 まぁ、あの「家守奇譚」なんかは連作短篇だったけど。 全9篇の短篇で構成されている。 短いものは数頁、最長で100頁の作品が収められている。 古くは...
本のオビに「初の短篇集」とある。 そうか、そういえば梨木果歩さんの短篇集って読んだことがなかったな、と気が付く。 まぁ、あの「家守奇譚」なんかは連作短篇だったけど。 全9篇の短篇で構成されている。 短いものは数頁、最長で100頁の作品が収められている。 古くは1994年、新しいもので2011年に発表され、2篇は未発表作品。 最初の「月と潮騒」「トウネンの耳」は現実と非現実が混淆としている、少しとらえどころのない不思議な作品。 「カコの話」も似たような作品だが、ユーモアやシニカルな味が加わっている。 既婚の男性が読んだら、思わず考え込んでしまうかも。 この「月と潮騒」「トウネンの耳」「カコの話」はあの「家守綺譚」をちらりと思い出させたりもする。 「本棚にならぶ」「旅行鞄のなかから」も不思議な内容の話なのだが、その奥底には何か意義深い教訓めいたものが潜んでいるようにも思える。 この2篇はどう読み取っていいのか、少し迷ってしまう内容だったりした。 次の「コート」は5頁の小品なのだが、この短い中に心を大きく揺さぶってくれる密度の濃い話がつまっている。 この「コート」のみが現実の世界に終始した作品になっている。 「夏の朝」もホロリとさせてくれると共に、清々しい読後感を味わわせてくれる素晴らしい内容……ちなみに話の語り手は幽霊だったりする。 表題作である「丹生都比売」は本書の中では最長の100頁に及ぶ作品。 歴史物になるのだろうが、歴史の知識が無くても充分に面白く読み進めることが出来る。 最後の「ハクガン異聞」は鳥や自然を愛してやまない梨木果歩さんならではの作品。 ちなみに、この話の中で語られている「スノーグース」のレコードとはロック・バンド「キャメル」の作品である。 作品の世界感に多少の違いはあるが、やはりここにあるのは、一貫して梨木果歩さんの世界であり、魅力に満ち満ちている。 僕としてはこうした短篇よりも長篇の方がより面白いと感じているのだが、それでもこうして短篇をまとめて読み終えた今は、心が浄化されてとても気持ちが良い。
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緑表紙のニオツヒメを読んでから、こっちも読んでみた。 短篇集ってことで、うーん、やはり一番はニオツヒメかなぁ。 切ないような、ほんのりあったかいような。 日本史好きだから〜とか諸々のプラスαをひいたにしても、やっぱりこの話が好きだなぁ。 それ以外だと『本棚にならぶ』が、え…?...
緑表紙のニオツヒメを読んでから、こっちも読んでみた。 短篇集ってことで、うーん、やはり一番はニオツヒメかなぁ。 切ないような、ほんのりあったかいような。 日本史好きだから〜とか諸々のプラスαをひいたにしても、やっぱりこの話が好きだなぁ。 それ以外だと『本棚にならぶ』が、え…?そう言うこと?ってよくわからないままの恐怖感。コワイけど、そんな本屋さんあったら行ってみたいかも。 欠けていって収納って、どんな時に思いつくんだろうと思った。 特にココ!ってのがあったわけではないが、トウネンもトウネンの耳もひたすらきになる。 表紙にいるのがトウネン? 2017.2.16 読了
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シンプルな紺地のカバーが、文学的な雰囲気の短編集。 しんとした気持ちで読みたい。 短篇集とはいえ、表題作の『丹生都比売』(におつひめ)は独立して一冊で出版されたことのある長さであり、あとがきによれば、これは核になるお話で、他の作品もここから同じ蔓が伸びていった…ということだ。 ...
シンプルな紺地のカバーが、文学的な雰囲気の短編集。 しんとした気持ちで読みたい。 短篇集とはいえ、表題作の『丹生都比売』(におつひめ)は独立して一冊で出版されたことのある長さであり、あとがきによれば、これは核になるお話で、他の作品もここから同じ蔓が伸びていった…ということだ。 対象年齢も主人公の年齢もまちまちの、「ジャンル分けできない一冊」になった、というが、確かに同じ種から伸びている蔓のように感じられる。 登場人物も、人なのかどうなのかよく分からない物もあり、しかし読んでいて、目に見える形が人であれ植物であれ鳥であれ、それは些細なことのようにも思えてくる。 草壁皇子に関する、吉野裕子氏の説というのは初めて知るが、ああ、あるかも知れないと思ってしまった。 かなしい皇子である。 月と潮騒/トウネンの耳/カコの話/本棚にならぶ/旅行鞄の中からなかから/コート/夏の朝/丹生都比売/ハクガン異聞 『コート』は、姉妹のかさねた歴史がしみじみと、最後になつかしく哀しかった。
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ブクログ談話室での質問「古代日本が舞台の小説」の回答にあったのに惹かれて読む。短編集である。表題作「丹生都比売」が古代日本を舞台にした小説。迫力、スピード感がありひきつけられた。植物、鳥などが多くさりげなく,あるいは主張をもって静かに流れる梨木作品は、自然とともに生きたい身には近...
ブクログ談話室での質問「古代日本が舞台の小説」の回答にあったのに惹かれて読む。短編集である。表題作「丹生都比売」が古代日本を舞台にした小説。迫力、スピード感がありひきつけられた。植物、鳥などが多くさりげなく,あるいは主張をもって静かに流れる梨木作品は、自然とともに生きたい身には近い。
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梨木さんらしい、ほの暗い世界 自分が孤独であっても寂しくない いろんな世界があるから大丈夫って教えてくれる ファンタジーと言えばそうかもしれないけど ちょっと違う気がする ・月と潮騒/冷蔵庫 ・カコの話 ・夏の朝/夏ちゃんにガンダムとは…意外な表現(^_^; ・丹生都比売/再...
梨木さんらしい、ほの暗い世界 自分が孤独であっても寂しくない いろんな世界があるから大丈夫って教えてくれる ファンタジーと言えばそうかもしれないけど ちょっと違う気がする ・月と潮騒/冷蔵庫 ・カコの話 ・夏の朝/夏ちゃんにガンダムとは…意外な表現(^_^; ・丹生都比売/再読 筋が分かっているので草壁がより可哀相に感じた ハッピーエンドになればいいのにと何度も思った ・ハクガン異聞/ピアノ調律
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胸奥の深い森へと還って行く。見失っていた自分に立ち返るために……。 蘇りの水と水銀を司る神霊に守られて吉野の地に生きる草壁皇子の物語―― 歴史に材をとった中篇「丹生都比売」と、「月と潮騒」「トウネンの耳」「カコの話」「本棚にならぶ」「旅行鞄のなかから」「コート」「夏の朝」「ハクガ...
胸奥の深い森へと還って行く。見失っていた自分に立ち返るために……。 蘇りの水と水銀を司る神霊に守られて吉野の地に生きる草壁皇子の物語―― 歴史に材をとった中篇「丹生都比売」と、「月と潮騒」「トウネンの耳」「カコの話」「本棚にならぶ」「旅行鞄のなかから」「コート」「夏の朝」「ハクガン異聞」、1994年から2011年の8篇の作品を収録する、初めての作品集。 しずかに澄みわたる、梨木香歩の小説世界。
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