アイネクライネナハトムジーク の商品レビュー
短編集 時間軸が異なっているので、思いがけないところでほかの物語との繋がりがあることがわかる。楽しい。 復讐のお話の続きが気になってしょうがないのは私だけですか?
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「アイネクライネナハトムジーク」 ここにヒーローはいない。さぁ、君の出番だ。 本作は、「アイネクライネ」「ライトヘビー」から膨らんできた話をいくつか書き溜めて出来上がった作品とのこと。作品の題材が恋愛であること、特徴的な人物や奇妙な設定がほとんど出てこないことから非常にレアな...
「アイネクライネナハトムジーク」 ここにヒーローはいない。さぁ、君の出番だ。 本作は、「アイネクライネ」「ライトヘビー」から膨らんできた話をいくつか書き溜めて出来上がった作品とのこと。作品の題材が恋愛であること、特徴的な人物や奇妙な設定がほとんど出てこないことから非常にレアな作品であり、インパクトがあまり無いように感じるかも知れないけど、じわじわ身に沁みる。 因みに、特徴的な人物はほとんど出てこないわけだから、癖のある奴は出てくる。それは、織田一真である。 2枚目の部類であるが、その2枚目度合いを相殺してあまりある程に変わった性格である織田。そんな彼が大学時代、大人気であった加藤由美と付き合いだし、挙げ句の果てに結婚し、子供まで作り、僕(佐藤)の目の前にいることから、全ての話が始まっている。この織田の何かやらかす感じは、チルドレンの陣内みたいなイメージなのだがw ヒーローはいない。わかっちゃいるけどいると信じたい。キャプテンサンダーボルトとかゴレンジャーとかケンシロウとかいて欲しい。でもいない。 このヒーロー不在感は悲しい。しかし、ヒーローは、いないけどいる。例えば、将来の相手との出会いを繋ぐキューピット役の友人やお笑いの道にいくきっかけを作った同級生、争いを防ぐ為の作戦を編み出し、娘まで伝承する父。些細だけど、ヒーローっぽい。 そんなヒーローとしては「ライトヘビー」が良かった。「アイネクライネ」も含めて、全てが繋がっている中、ボクサーチャンピオンが登場するこの短編は肝である。また、このチャンピオンがヒーローのごとくばったばった挑戦相手を倒していくのではなく、ひと捻り入れている辺りは、伊坂幸太郎らしい。 因みに、一番好きなシーンは、最後のノックアウトシーンだ。あれに、あんな展開があるのは、伊坂幸太郎作品ならあり得るんだけど、あんま考えてなかっただけに、じーんときた。 あぁ、自分にもいいことあるといいな。
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1つの小さな出来事が別の何かを引き起こし、それがまた……という風に、短編集でありながらそれぞれの登場人物がどこかでかすかにつながっている。 会話や伏線の張り方は実に伊坂幸太郎らしいけれど、自ら「あまり書かない」という恋愛要素もふんだんに織り込まれているだけあって、実に穏やかな終わ...
1つの小さな出来事が別の何かを引き起こし、それがまた……という風に、短編集でありながらそれぞれの登場人物がどこかでかすかにつながっている。 会話や伏線の張り方は実に伊坂幸太郎らしいけれど、自ら「あまり書かない」という恋愛要素もふんだんに織り込まれているだけあって、実に穏やかな終わり方。いつものハラハラ感とはまた違う面白さで、一気に読めてしまった。あらためて、何を書かせてもうまい人だ。 このプロジェクトそのものが斉藤和義とのコラボから始まったお話ということで、登場する歌詞の曲を全部聴いてみたくなったなあ。
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久々の・・・こう、伊坂幸太郎の初期作品っぽい小説だな、と。伏線めいたものというか後々リンクが繋がったりするような感じの連作短編。そして犯罪めいたものが毎回入ってちょっと暗い展開もあったりするんですが今回はそういうのはなし。全体的にほのぼのしたムードでゆったり読めました。 あとがき...
久々の・・・こう、伊坂幸太郎の初期作品っぽい小説だな、と。伏線めいたものというか後々リンクが繋がったりするような感じの連作短編。そして犯罪めいたものが毎回入ってちょっと暗い展開もあったりするんですが今回はそういうのはなし。全体的にほのぼのしたムードでゆったり読めました。 あとがき読んで「恋愛小説だったのか」と初めて気づきましたが。まあそういわれてみれば・・・いつもの連作短編に犯罪とか超能力とかそういうのを除いたら残ったのが微妙な恋愛っぽい要素だった、というだけな気がしないでもないw
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ひとつの物語の様な6つの短編。 あれ、なんか伊坂幸太郎っぽくない、と感じたのもそのはず、斉藤和義さんから恋愛テーマのアルバムのために書いて欲しいと頼まれた1編が発端とか。めずらしく恋愛。 相談者の未来を暗示するような曲を即座に見つけて流す占い師(?)「斉藤さん」も登場する(笑) ...
ひとつの物語の様な6つの短編。 あれ、なんか伊坂幸太郎っぽくない、と感じたのもそのはず、斉藤和義さんから恋愛テーマのアルバムのために書いて欲しいと頼まれた1編が発端とか。めずらしく恋愛。 相談者の未来を暗示するような曲を即座に見つけて流す占い師(?)「斉藤さん」も登場する(笑) ボクシングのヘビー級世界チャンピオンとなる学くんに、「どうせ親がいなかったから乱暴なんだ、じゃなくて、行儀良くて、常識があって、でも強い、というのが恰好いいじゃない」と力説してきたお姉さん、好きだなぁ。 いつもほどはちゃめちゃな展開はないけれど、登場人物はそれぞれ面白みがあり魅力的で、やっぱり読みながら顔が笑ってしまって恥ずかしかった。 19年の時を行ったり来たり、様々に繋がりがあるストーリー仕立てになっていて、あ~面白かった!ほっこりした~!
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こういうの、やっぱり伊坂さんだなあと思う。 そこはかとなく幸せになる小説。 最後の短編は本当に爽快だった。 人物がいきいきしていて、本当に存在するみたいだ。 ドラマを見ているような、そんな感覚の本。 よかった。
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短編集。アイネクライネ、ライトヘビー、ドクメンタ、ルックスライク、メイクアップ、ナハトムジーク。 最後に全部がカッチリとハマるのかなと期待していましたが、微笑ましい沢山の小ネタとゆるやかな全体のつながり感。時間差があるのに、同時代的に違和感なく語れるんだと思いました。
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さすが、伊坂さん^_^ 軽やかなテンポと、とってもハートフルな人たちが繋がっていい作品に仕上がってます
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きらーい。伊坂幸太郎のお洒落感が悪い方に出てる気がする。というか、最後が蛇足。繋がりはそこそこでよい。全てを一つの繋がりの中におさめようとしたことで、物語がこじんまりしている。いいじゃない、繋がってなくても。あーそう繋がるのね!っていう驚きは、この作品にはいらないよ。一つ一つの物...
きらーい。伊坂幸太郎のお洒落感が悪い方に出てる気がする。というか、最後が蛇足。繋がりはそこそこでよい。全てを一つの繋がりの中におさめようとしたことで、物語がこじんまりしている。いいじゃない、繋がってなくても。あーそう繋がるのね!っていう驚きは、この作品にはいらないよ。一つ一つの物語がそれぞれ独立していい味出してるんだから、それを一つにまとめてござっぱりとした知性を演出しなくてもよいね。そういうところは嫌いだなー。ただ、前述したように一つ一つの物語は面白いし、佐藤のちょっとおっとりとした感じとか、織田夫のブッとんだ性格は巧みに描かれている。そこは本当にすごい。伊坂幸太郎のユーモアって一つの固有名詞なんだなってぐらい完成されてる。
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短編6編。 『アイネクライネ』、『ライトヘビー』、『ルックスライク』が好み。 こんな偶然な出会いがあったら盛り上がりそう。 「こちらがどなたの娘さんか、ご存知で―」という言い方がなんだかグーです。 そんな手があったか。
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