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鹿の王(下) の商品レビュー

4.2

502件のお客様レビュー

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    188

  2. 4つ

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  4. 2つ

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2023/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読。こんな話だっけ? 忘れてました。というか、以前はわかってなかったかも。やっぱりすごい。 7年前に読んでいるんだけど、その時の自分は、この深い結末を理解できていたんだろうか。多分出来てなかった気がする。 以前は、私の理解できる世界は単純で、いい人と悪い人しかいなかったりした。でも、そんな単純に世界は構成されてなくて、ある人からみたらその人は良い人、ある立場から見たら悪い人であり、利益と陰謀と駆け引きの上に成り立っていたりする。 それを知ったら、昔の私なら、それを不誠実だと思ったかもしれない。誰も信じることが出来ないと思ったかもしれない。与多瑠が、優しさだけじゃなく冷静に計算して人々を治めている姿に、チイハナの冷酷さに、まるで裏切られたような気持ちになったかも。 でも、7年歳を重ねて、社会で生きていくためには、そういった計算がなければ成り立たないことを理解した気がする。 優しさ、きれいごとだけでは治められない。だったら治めなくて良いと投げ捨てれば、それは大きな悪となったりする。それを理解した今だから受け取れたものってある気がする。 それを、遠慮一切なく、上橋さんが書き切っていることに胸熱。 『他者の命を奪おうとするもの、他者の命を支えて生きるもの、雑多な生き方がせめぎ合い、交じり合い、流れて行く、このすべてが、生きる、ということなのだろう』 世界も社会も人も、そうやって複雑怪奇の中を生きてる。のかも。 そう思った。 ヴァンは、自分の持っている力を、人を助けるために使うことを選んだ。それがもう胸熱すぎる。尊すぎて、涙が止まらなすぎる。 亡くなった奥さんと息子さんに問いかけながら、『死者は答えぬ。ーー答えはいつも、我が身のうちにある』と自分の選択として選び取ったところがカッコ良すぎる。 そして、キンマの犬たちを殺さず、病を抱いたままでも生きていけるところを求めて駆けて行った姿が素敵すぎる。 大人で、世の中の不条理さをわかってるヴァンがした選択だからこそ、尊すぎる。 ヴァンはユナを温かい家族に託して行ったけど、ヴァンが慈しんだ人々が、ヴァンを独りにはしなかった。 きっと、みんなで幸せに暮らしたと思うんだ。 そうやって、誰も傷つけずに生きていける世界は作れると思うんだ。とっても難しいけど。 本当に素晴らしい作品です。最高。何度でも言いたい。最高。もう一度言いましょう。最高。最高。

Posted byブクログ

2023/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

未知の疫病について発生した経緯や疫病に免疫のある人ない人の違いなど医学的に色々明らかになっていく過程がすごく面白かった! 即効薬や予防薬の仕組みとかもわかりやすくて、確かにコロナ前に読んでおきたかった。 ホッサル視点の話はすごく興味深くて面白かったけど、ヴァンとユナ視点の話は個人的には不完全燃焼だったかも。最後までなぜ2人には身体の変化が起きたのかの理由がよくわからなかったし2人の今後も読者側に委ねられすぎてたような気がした。

Posted byブクログ

2023/07/23

生きることを諦めたヴァンが様々な人と出会い、生命を考え、再び生きていく。 医術師のホッサルは人を、国を救おうと道を探す。 壮大なスケールのファンタジーですが、その世界観にすんなり入っていけました。 コロナウイルスが蔓延した現代とリンクする部分もあって、非常に考えさせられました。 ...

生きることを諦めたヴァンが様々な人と出会い、生命を考え、再び生きていく。 医術師のホッサルは人を、国を救おうと道を探す。 壮大なスケールのファンタジーですが、その世界観にすんなり入っていけました。 コロナウイルスが蔓延した現代とリンクする部分もあって、非常に考えさせられました。 また時間をおいて再読したい本です!

Posted byブクログ

2023/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻は、ストーリー以外に、人が病とどう向き合ってきたか、向き合っているか、という部分が興味深く、考えさせられた。 下巻はこの世界の政治がメインで、謎がどんどん明らかになっていくが、読みやすい文章で目が滑ってしまうのと、上巻を読んでから少し時間が空いてしまったのもあって、途中や氏族の関係性がごちゃごちゃしてきた。 もっと理解しながらしっかり読めればよかったが……… 物語はぷっつりと終わりを迎えてしまって、あれ?と思ってしまった。 ヴァンとユナがどうなったかを語らないのは知りたいとは思うけど納得できる。帝国とオタワル医術はどうなっていくか、ということも、ホッサルがなぜ医術を志したかという原点に返ったことで、彼が政治とどう向き合っていくのかも想像できる。 だけど「ここで終わり?」感はあった。 何があればよかったかはよくわからない。

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2023/06/28

児童書ですが大人が読んでも面白いファンタジー小説です。ファンタジーあるあるですが専門用語が多くて最初は大変ですが、ストーリーに引き込まれてさくさく読めます! 子供が大きくなったらオススメしたい本です。

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2023/05/15

最後の最後まで不完全燃焼で読み終わった… 子供の頃に同じ作者の「獣の奏者」や「精霊の守り人」シリーズを読んだ記憶があるけど、当時はあんまり面白いと思えず。 自分が幼かったからなのかなーとなんとなく思っていたけど、大人になってこの「鹿の王」を読んでみても正直楽しめなくて、もしかして...

最後の最後まで不完全燃焼で読み終わった… 子供の頃に同じ作者の「獣の奏者」や「精霊の守り人」シリーズを読んだ記憶があるけど、当時はあんまり面白いと思えず。 自分が幼かったからなのかなーとなんとなく思っていたけど、大人になってこの「鹿の王」を読んでみても正直楽しめなくて、もしかしてそもそも私が上橋作品に適性なかっただけなのか?と思っちゃった(それとも私の理解力の成長が皆無なのか?) まず登場人物が圧倒的に多いので覚えきれない。上巻から下巻を読むまでに間を開けちゃったのもあるけど、物語の要になるシカンとかオーファンとか「え?誰だっけ?」ってなってた。それと主人公たちを取り巻く政治情勢が複雑複雑。なんとか理解に努めたけど、最後までアカファとツォル、オタワルなどの国同士の関係がいまいち理解できないまま終わりました。これを全て理解して楽しめる人は本当に尊敬。 この本をいつかもう一度読もうとは絶対思わないけど、他の上橋菜穂子さんの作品もリベンジしてみて自分の適性を確かめてみたいなぁと思ってる。

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2023/05/04

一気に読んでしまいました。失速なく駆け抜けていった感じです。 病になって、死ぬものと死なないものがいる、そのちがいは何か?というヴァンとホッサルの問答が、この話の軸なんじゃないかなぁと思いつつ。 結局、病がどうこう、というのではなく、政治的なもの、それぞれの思惑が色々介入してしま...

一気に読んでしまいました。失速なく駆け抜けていった感じです。 病になって、死ぬものと死なないものがいる、そのちがいは何か?というヴァンとホッサルの問答が、この話の軸なんじゃないかなぁと思いつつ。 結局、病がどうこう、というのではなく、政治的なもの、それぞれの思惑が色々介入してしまうのでしょう。 ヴァンが幸せに過ごしてほしいなぁって思います。

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2023/04/28

身体の中には無数の生命があって私の身体を生かしている わかっていたつもりで、 改めてハッとさせられた。

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2023/04/18

伏線回収が始まるがそんなに複雑な伏線はないのでシンプルに回収されていく ラストも最後まで息が抜けなかったが、終わればあっけなく感じた もっと10巻ほど続けても良い話ではと思った、せっかくの世界観が不完全燃焼で終わってるように思える

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2023/04/13

いろいろ、深い、物語だと思った。 キャラクターも魅力的だと思ったし、 色んな人たちの思惑と背景が絡まりあって、 なんとも哀しくて温かい、そしてこれぞ真理では。 という印象を受けた気がする。 現実ともリンクする、感じるところが沢山ある、素敵な物語だと思った。

Posted byブクログ