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キャベツ炒めに捧ぐ の商品レビュー

3.8

82件のお客様レビュー

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2024/09/03

こんなお惣菜屋さんが近くに欲しいなー。 お料理全部美味しそう。ちゃんと料理して、しっかり食べよう。 年を重ねてた先輩の生活のお裾分け、元気でる!

Posted byブクログ

2024/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

突然同僚が貸してくれたのですが、そういえば井上荒野さんの作品は読んだことがなかったなと思って、ありがたく読んでみました。 なんだか不思議なお話でした。SFとかファンタジーという意味ではなくて。なのに、すごく地に足の着いたというか、ちゃんと人生を感じられる小説でした。 たぶん不思議な感じがしたのは、ストーリーに対する主要人物三人の年齢のせい。東京のとある町でお惣菜屋さんを営む江子と従業員の麻津子、郁子ともに60歳前後のいわゆるおばさんである。それなのに、江子は「きゃはは」と笑い、麻津子はダーリンとうまくいくことを望み、郁子は「いやーん」と色っぽい声をだしたりする。3人とも年齢が年齢だけにこれまでの人生ままならずにここまできている。江子は意気投合して一緒にお惣菜屋を始めた友人と自分の夫ができててしまい、離婚され、今も夫から精神的に自立できず、たまに二人を訪れたりする。なんだか、痛すぎて「あちゃー」と思うのだけど、人生そんなことになったりもするのかも、なんて思ったりして心の底から江子を「痛い人」とは思えない。麻津子のダーリンはかつて麻津子と婚約しながらも他の女と結婚、そして離婚したような男である。そんなやつを今でも麻津子は待っているようでこれまた「あちゃー」となる。個人的には江子より麻津子が痛いかなぁ。そして、郁子の事情は一番辛い。息子を二歳で亡くしており、そのことで夫を憎みつつ、本当には憎んではいなかったと思うけれど、その夫も前年に亡くしている。人生ままならないもの。本当にそうだとしても特に郁子の場合そう思えるまでどれくらいの時間が必要だっただろうと思いをはせてしまう。 そんなこんなで歳を重ねてきた三人が一緒に働く総菜屋はなんだかんだうまくいっていて、何より美味しそうな料理の数々に、なんだかホッとする。色々な食材と次々に出てくるお惣菜に、地に足の着いた生活を感じるのである。 いい歳した三人のおばさんが米屋の配達の若い進くんを気に入って、なんやかんやと彼を誘ったり、どこまでいっても「あちゃー」なんだけど、やはり憎めない。読んでいてい途中で三人の年齢がわからなくなるようなあれこれがある小説で、不思議な感じがしつつも、なんだか元気がもらえた気がします。 「人生はままならないもの」。 三人三様の中高年の孤独をただの淋しいものとしてだけでなく、噛みしめ受け容れながら、元気にお惣菜屋をやりくりする三人に、こんな人がたくさんいたらいいなと純粋に思いました。三人が元気なのは、美味しいものを美味しいと食べることができるからなのだと思います。恥ずかしながらここに出てくるお惣菜の数々、作ったこともなければ食べたこともないものもたくさんありました。ひとつの食材を前にしたときに三人からポンポン出てくるお料理のアイデアに、これまでの人生きちんと食事をしてきた人たちだとわかります。バタバタの毎日で、凝ったものは作れないけれど、それでも何とか「食」が生活の土台となるようきちんと気を配ろうと思いました。

Posted byブクログ

2024/06/08

手作りごはんって、お料理っていいなあと思った。最近同じ楽チン!ボリューム!て感じのおかずばっかり作ったり食べたりしていたけど、こんな風に味わって食べるのいいな。 さーて今週はどんな副菜作ってみようかな(^^)

Posted byブクログ

2024/05/20

「ここ家」のお惣菜、どれも美味しそうで読むだけで気持ちが上がる。 が、江子、麻津子、郁子 それぞれの事情はちくちく刺さる。 それでも明るく楽しく?毎日を過ごす三人の醸し出す空気はたまらない。 三人とも「いい女」だと思うんだけど、気が利きすぎたり考えすぎたり事情が重すぎたりして、必...

「ここ家」のお惣菜、どれも美味しそうで読むだけで気持ちが上がる。 が、江子、麻津子、郁子 それぞれの事情はちくちく刺さる。 それでも明るく楽しく?毎日を過ごす三人の醸し出す空気はたまらない。 三人とも「いい女」だと思うんだけど、気が利きすぎたり考えすぎたり事情が重すぎたりして、必要以上に不器用になっているところが歯がゆい。 にしてもどれも美味しそうなお惣菜、近所にあったらいいのに「ここ家」

Posted byブクログ

2024/05/11

料理の描写が巧みで、お惣菜っていいなぁと思わせてくれた。料理と食事を通して、登場人物が気持ちの整理をして行くのが良かった

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2023/10/31

初老を迎えたシングルの3人の女性。 いつまで経っても女は女。 恋心はあるんだなと思いました。 料理を通して昔の恋愛の想い出をかみしめながら 日常をこなしていく様子に、共感できたりそこまでするかなと思ったり。 郁子が自分と近いですが、マツコのツンデレもツボです。 3人それぞれ心に落...

初老を迎えたシングルの3人の女性。 いつまで経っても女は女。 恋心はあるんだなと思いました。 料理を通して昔の恋愛の想い出をかみしめながら 日常をこなしていく様子に、共感できたりそこまでするかなと思ったり。 郁子が自分と近いですが、マツコのツンデレもツボです。 3人それぞれ心に落としどころがつく様子と、最後のハッピーエンドは良かったです。

Posted byブクログ

2023/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・夫(のせい?)で息子を失ったと思っている ・ずっと好きだった人に振られても思い続けている ・結婚して同じ職場の人に主人を取られる もう少し本の中では詳細に語られるけど 3人の抱える大人な事情はこんな感じ。 これが本を読むにつれて徐々に明らかになる。 どれも苦しいけど、のらりくらりと それを受け入れながら日々を過ごしていく。 嫌な思いをさせられたと相手が思っている その気持ちにかこつけて、前の旦那さんに 気まぐれに電話をしてしまう江子には 同情もしちゃうし、奥さんにも気を遣って あげたらいいのにと両方思ってしまう自分がいた。 自分は悪くない上に、まだ好きだもんね… たかが風邪でくらいで病院に 行かなくてもいいよと言った矢先に 肺炎で息子をなくしてしまう郁子。 前に進めそうなときに限って その話を引き合いに旦那さんに当たってしまう。 とてもいたたまれないと思って読んでいた。 この二つはもしかしたら一番近い未来で ありえるかもしれないという意味で 感情移入が一番できてしまった二人。 3人ともしっかりキャラクターがあってよかった。 3人ともパワフルなので60代というのが まったく想像できずに読み終わってしまった笑

Posted byブクログ

2023/08/28

何事も起こらないお話ではないのに、読んでる側の気持ちとしては終始穏やかだった。 自分がこの年代になったら何してるんだろうと物語の中で何か起こるたびに嫌でもいちいち引き込まれて考えさせられる。 食べ物で幸せになるお話は大好きで、現実に自分もそうなることが多い。この作品は特に文章...

何事も起こらないお話ではないのに、読んでる側の気持ちとしては終始穏やかだった。 自分がこの年代になったら何してるんだろうと物語の中で何か起こるたびに嫌でもいちいち引き込まれて考えさせられる。 食べ物で幸せになるお話は大好きで、現実に自分もそうなることが多い。この作品は特に文章自体が好きなのもあってより幸せな気持ちになった。

Posted byブクログ

2023/08/26

生きることは楽ではないけど、ささやかでも自分の居場所があれば、喜びも訪れる。読み終えて少し元気を貰えました。

Posted byブクログ

2023/08/16

荒野さんの筆力のせいだと思うけど、とても疲れた。 いちいちため息が出そうになる 3人が恐ろしく近い存在に感じて1行読むごとに共感しようとしてしまう。 人生っていろいろあるなあと思うし、一方で私にはなにもないなあと思う。 読む前後でタイトルの意味合いが全然違ってくるのも面白い。 ...

荒野さんの筆力のせいだと思うけど、とても疲れた。 いちいちため息が出そうになる 3人が恐ろしく近い存在に感じて1行読むごとに共感しようとしてしまう。 人生っていろいろあるなあと思うし、一方で私にはなにもないなあと思う。 読む前後でタイトルの意味合いが全然違ってくるのも面白い。 元気なかった時に赤坂のタコス屋さんでお腹いっぱいタコスを食べて元気でたのを思い出した。 食べるって素敵。

Posted byブクログ