キャベツ炒めに捧ぐ の商品レビュー
恋と食い気の物語、少しお年を召した女性が主人公。 主人公は3人。一人一人の内面が、至極現実的な料理とともに描かれてゆく。 ドロドロしたものもあまりなく、読んでいて嫌なものがない。 諸々の事情で数ヶ月ぶりの読書、復帰一冊目には合っていたと思う。
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60代女3人で営む小さな総菜屋「ここや」 3人それぞれに悩みや屈託がありながらも たくましく生きてゆく 中年女性の恋や悩み、吹っ切れ等 頑張れ頑張れと前に進みたくなる1冊
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やはり再読したくなった本。ネタバレありです要注意。 江子、麻津子、郁子の60代の女性3人が営むお惣菜屋「ここ屋」の、ご飯が炊ける描写から、この物語が始まる。 料理の(しかも、単なる家庭料理ではなく、売れるお惣菜を作る)腕は確からしい。 3人にはいずれも、それぞれの人生で関わりのあった男性への想いがある。離婚した相手を諦めきれない江子、1人をずっと思い続ける麻津子、夫を亡くした郁子。それぞれが持っている「想い」は、それぞれの「思い込み」でもある。現実とのすれ違いを認められず、捨てきれないところを、物語が一つずつ解いていく。共通の想いびととして描かれる進くんは、3人のおばさんたちに翻弄されて面白いが、ある意味重要人物でもある。 人って、簡単に思いを捨てられないし、吹っ切ることも難しい。それは美味しいご飯やお酒があっても振り切れることではない。でも、生きるための営みの中に、想いはある。 炊きたての米の旺盛な湯気に始まり、キャベツ炒めのシンプルな味付けで終わる、と思っていたら、最後に一波乱あった。この物語の妙味を味わう。
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惣菜屋さんで働く3人の女性の物語。 3人とも60歳前後でそれぞれが大人の事情を抱えている。でも表立ってそれを出そうとせず、あくまでいつも通り淡々と働いている感じが、あぁ大人だなと思った。 3人の距離感もいい。かなり個性が強くて一見折り合いがつかなさそうに見えるけど、あくまで素のままで無理してない感じが心地いい。それぞれ事情があるのを察した上で、変に詮索したり気を遣ったりせず、いつも通りの自分で接してにいるのが、上手く回ってる秘訣な気がする。 (こんな大人な3人だけど、だからなのか?進に対してのアグレッシブさがおもしろかった。笑) スタート時点での郁子の生気のなさが不安だったけど、徐々に元気になっていく様子がわかった。素敵な仕事仲間と美味しい食べ物に囲まれたいい居場所があってよかった。 それにしてもお料理がどれも美味しそう…!旬の食材を取り入れてる感じとか、使ってる調味料とかが、ちゃんと料理をやってきた人たちのそれだなーと思った。かっこいい。
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60前後の女性3人。 それぞれに過去に苦い思いを抱えているが、それぞれどうにか過去を抱きしめて少しずつ安全になっていく。 ちょっとまだそれぞれの気持ちを正確にはわからないけど、それぞれ前向きに生きていくのは希望がある。 おいしそうなお惣菜の話が多くて、近くにこんなお店があれば...
60前後の女性3人。 それぞれに過去に苦い思いを抱えているが、それぞれどうにか過去を抱きしめて少しずつ安全になっていく。 ちょっとまだそれぞれの気持ちを正確にはわからないけど、それぞれ前向きに生きていくのは希望がある。 おいしそうなお惣菜の話が多くて、近くにこんなお店があればなぁと思った。 ※まつこさんのダーリンの怖くなった、という話は、わからんでもなかったけど、白さんの必要以上に優しいエピソードはちょっとなぁと思ってしまった。
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面白い。主人公3人とも所謂女性の人生の定型(語弊があるのも文句も認める)から外れているんだけど、それぞれにあるドラマが面白く読ませてくれた。この惣菜屋いいなあ。食い物の描写もうまそうで物語に花を添えてる。ひとりで歳とるのも楽しそうじゃん、と思わせてもくれた。ひろうすとあさりフライ...
面白い。主人公3人とも所謂女性の人生の定型(語弊があるのも文句も認める)から外れているんだけど、それぞれにあるドラマが面白く読ませてくれた。この惣菜屋いいなあ。食い物の描写もうまそうで物語に花を添えてる。ひとりで歳とるのも楽しそうじゃん、と思わせてもくれた。ひろうすとあさりフライとキャベツ炒めが食べてみたい。
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図書館本。 惣菜屋「ここ家」で働く60代の女性達のお話。いくつ年を重ねても、やっぱり女子。若い男の子を取り合ったり、色恋沙汰にモヤモヤしたり、そっと仲間内で寄り添ってみたりと、3人の程よい関係性がとても良い。そして何より美味しそうな料理が出て来て思わず食べてみたいなと思うものばか...
図書館本。 惣菜屋「ここ家」で働く60代の女性達のお話。いくつ年を重ねても、やっぱり女子。若い男の子を取り合ったり、色恋沙汰にモヤモヤしたり、そっと仲間内で寄り添ってみたりと、3人の程よい関係性がとても良い。そして何より美味しそうな料理が出て来て思わず食べてみたいなと思うものばかり。ほんのり温かく、じんわりと切ない読後感だった。
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惣菜屋「ここ屋」のコーコ、マツコ、イクコのオーバー60の波乱なる穏やかな日常。 御惣菜屋さんの方がメインキャストなので、おいしそうな季節のおかずの名前が次々出てきて「うーん、飯食べたい」ってなるお話です。 女60もこえりゃアレコレ抱えているもので、三人三様の人生模様。米屋の新米...
惣菜屋「ここ屋」のコーコ、マツコ、イクコのオーバー60の波乱なる穏やかな日常。 御惣菜屋さんの方がメインキャストなので、おいしそうな季節のおかずの名前が次々出てきて「うーん、飯食べたい」ってなるお話です。 女60もこえりゃアレコレ抱えているもので、三人三様の人生模様。米屋の新米バイト進をアイドルに、三人の毎日が綴られる。 じんわり染みたり、キャッキャしたり、ドキドキしたりして、年齢を重ねるのも悪くないと思わせてくれます。 毎日を大切にできないときに読むといいかもしれません。
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食べ物屋さんの小説なんだけだ、ただ『美味しそう』なだけではなく、人生の世知辛さとかほろ苦さとかのほうが感じられるお話でした。 でも楽しそうだったな。3人で仲良くて。私が同年代になったとき、そんな友達いるんだろうか…?とか考えてしまった。
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あさりフライ→ビール→レモン→ソース! いいなぁ。 おいしいものをおいしいと感じて、 みんなが安全になっていくのがすきです。
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