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いま生きる「資本論」 の商品レビュー

4.2

26件のお客様レビュー

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2021/04/11

☆☆☆2020年3月☆☆☆ 実に刺激的な本だった。マルクスの資本論から「資本主義の何たるか」を解き明かし、資本主義の暴走を食い止めるための処方箋を示す。 結局「里山資本主義」でいくしかないのかと思う。 カネに依存せず、直接の人間関係を大切にする・・・なんて、まさに「里山資本主...

☆☆☆2020年3月☆☆☆ 実に刺激的な本だった。マルクスの資本論から「資本主義の何たるか」を解き明かし、資本主義の暴走を食い止めるための処方箋を示す。 結局「里山資本主義」でいくしかないのかと思う。 カネに依存せず、直接の人間関係を大切にする・・・なんて、まさに「里山資本主義」ではないか? 労働組合や宗教団体が力をもって資本主義に対応すべきという点も同意。 「資本主義」の基本条件はこうだ。農村が解体し、私たち一人一人が自分の労働力を商品として売ることでしか生きられなくなったこと。それが前提。 =労働力の商品化 一人一人の人間が、システムにという壁に囚われてしまったのか。 このことからも、資本主義に対抗できるのは人間関係だったり、中間団体だったりするのだろう。 ★★★2021年4月★★★ 前回は図書館で借りたものを読んだが、今回は書店で買って読んだ。 「労働力の商品化」というのが資本主義を知るうえで最も重要だと改めて思った。 僕も「労働力」を売って生きている階級である以上、搾取されることは避けられない。「搾取しない会社は一つだけ、それは倒産した会社」 搾取の度合いに差があるが、搾取自体は構造的なもので資本家もそれに苦しむことがあると。これが「矛盾」。

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2020/02/16

この人の本読むといつも、ああ私は絶対知識人にはなれないなと悲しくなる。 教養の鬼すぎて。一生かけても追いつける気がしない。つらい。はぁ。

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2019/12/18

 びっくりした。資本論なんて社会主義プロパガンダだと信じてたのに、これは経済哲学の書であると。  言われてみりゃそうだ。佐藤優おそるべし。共産党のエライさんでもちゃんと読んだことのある人は殆ど居ないという下りは、笑えた。  マルクス自身はブルジョア生活を好んでいたという下りにも笑...

 びっくりした。資本論なんて社会主義プロパガンダだと信じてたのに、これは経済哲学の書であると。  言われてみりゃそうだ。佐藤優おそるべし。共産党のエライさんでもちゃんと読んだことのある人は殆ど居ないという下りは、笑えた。  マルクス自身はブルジョア生活を好んでいたという下りにも笑ってしまった。資本論が「社会主義革命」のものではないという何よりの証左ではないか。  市民講座の連続講義録なんだって。これまたぶったまげた。講座聞いててちゃんと理解している人々が大勢いるんだ。一回ごとに宿題レポートを書かせるという形式を取っており、的確なレポの紹介もある。ぼくなんか文字で読みながら行きつ戻りつしてたのに。

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2017/02/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

乏しい知識しか有していない私には敷居が高く、 完全に理解できたと言い難い、というのが正直なところ。 しかし、いわゆる共産党視点ではない視座から資本論を見つめることで見える景色であるとか 随所に挿入される現代社会での身近な例などは興味深く、かつ頭に入ってきやすかった。

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2017/01/26

『いま生きることは、楽ではありませんよね。その楽ではない状況を、どうやったらわれわれは生き抜くことができるのかと言えば、明らかに病んでいるこの社会の構造をまず、きちんと見極めることです。 病んでいる社会の構造はどこから来ているのかと言えば、労働力が商品化されることによって、すべ...

『いま生きることは、楽ではありませんよね。その楽ではない状況を、どうやったらわれわれは生き抜くことができるのかと言えば、明らかに病んでいるこの社会の構造をまず、きちんと見極めることです。 病んでいる社会の構造はどこから来ているのかと言えば、労働力が商品化されることによって、すべてが商品となった。われわれの欲望というのは充たされることがない。過剰に欲望を刺激する形で商品をどんどん購入させないと、この社会は成り立たないのだから。こういう仕組みから来ているのです。』 「資本論」は途中で挫折したけど、これは面白い。ただ、「資本論」の引用の部分はやはり難解。

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2016/09/13

佐藤優さんの博識が随所に出て頭良すぎと感じた一書。資本論自体の解説よりも、資本論を研究する学者の話や講座を受ける人が書いたレポートから派生した話がとても面白かった。ここまで頭がいいとかっこいい。 競争にとりあえず買っておくこと。身近な人を大事にしておくこと。理論から資本主義を抑え...

佐藤優さんの博識が随所に出て頭良すぎと感じた一書。資本論自体の解説よりも、資本論を研究する学者の話や講座を受ける人が書いたレポートから派生した話がとても面白かった。ここまで頭がいいとかっこいい。 競争にとりあえず買っておくこと。身近な人を大事にしておくこと。理論から資本主義を抑えておくと、時代がどんなに変化をしても軸のある人になるのかなと思った。

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2016/03/20

「文体は思想だ」って佐藤さんが文中で言ってるんですが、資本論の話より合間に出てくる雑談やその語り口の方が面白かったですね。著者の本を読むのはこれが初めてだったので、特に新鮮でした。ロシアや拘置所の実体験に基づく話ってのはやっぱり説得力があります。 いま生きるために… コモディテ...

「文体は思想だ」って佐藤さんが文中で言ってるんですが、資本論の話より合間に出てくる雑談やその語り口の方が面白かったですね。著者の本を読むのはこれが初めてだったので、特に新鮮でした。ロシアや拘置所の実体験に基づく話ってのはやっぱり説得力があります。 いま生きるために… コモディティにならないようにする。単純な代替可能労働力商品として使われないように、熟練労働者として生きる。 そしてもう一つが、自分の周りで、直接的人間関係の領域、商品経済とは違う領域を作る。 僕の場合、後者が今の課題です。

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2016/02/21

なぜいま「資本論」なのか?共産主義が崩壊したから?いや違う。資本主義の枠組みの中で生きている我々にいま、いったい何が起き、これからどう生きていけばいいかを考えるためだから。少なくとも自分はそう理解した。資本論の本質と間違いを正しく理解し、またそれを研究している著書も合わせ読みして...

なぜいま「資本論」なのか?共産主義が崩壊したから?いや違う。資本主義の枠組みの中で生きている我々にいま、いったい何が起き、これからどう生きていけばいいかを考えるためだから。少なくとも自分はそう理解した。資本論の本質と間違いを正しく理解し、またそれを研究している著書も合わせ読みして考察することも大事。さっそく実践。

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2015/12/29

普段読むことのないようなジャンルの本をと思いまして、経済の分野と思いつきまして、この一冊を選びました。 著者はベストセラーを多数書かれている佐藤優さん。 佐藤さんの本は、新書をメインにこれまでも何冊も読ませていただいておりますが、講義を文字起こししたようなこの本のようなスタイルの...

普段読むことのないようなジャンルの本をと思いまして、経済の分野と思いつきまして、この一冊を選びました。 著者はベストセラーを多数書かれている佐藤優さん。 佐藤さんの本は、新書をメインにこれまでも何冊も読ませていただいておりますが、講義を文字起こししたようなこの本のようなスタイルのものを読むのは初めてのことでした。 何しろ、私が経済学なんてものに疎いのでとにかく話が難解。 これはもちろん、本が悪いというわけではなく、私の知識レベルが低い故のことでございますので、本に非は全くございません。 そんな難解な資本論の講義であっても、随所にユーモアを散りばめた佐藤節のおかげで、なんとか読みきることが出来ました。 付箋は23枚付きました。

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2015/11/26

 1867年に第一巻が刊行されたマルクスの『資本論』は、経済学を語るときに欠かせない古典だ。けれども、岩波文庫版で9分冊ある同書は、内容も決して読みやすくはない。そこで、その重要なポイントを講義したものを書籍化したのが本書だ。  『資本論』を徹底して論理の書として読む著者は、同書...

 1867年に第一巻が刊行されたマルクスの『資本論』は、経済学を語るときに欠かせない古典だ。けれども、岩波文庫版で9分冊ある同書は、内容も決して読みやすくはない。そこで、その重要なポイントを講義したものを書籍化したのが本書だ。  『資本論』を徹底して論理の書として読む著者は、同書を「資本主義社会の内在的論理を解明した書」であると位置づけ、なぜ日本の社会で人々が生きにくくなっているのか、その根本原因を探る手段として、本書を読み解こうと試みる。  資本主義はさまざまな問題を抱えながらも、崩壊することはないだろう。であれば、「暴発をできるだけ抑え、このシステムと上手に付き合って」いかなくてはならない。そのために何が必要なのか。本書には、著者の明確な意思が込められた答えが散りばめられている。

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