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春の庭 の商品レビュー

3.1

154件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    64

  4. 2つ

    23

  5. 1つ

    7

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2023/03/19

あまりよくわからなかったな。 運がいいとはまさに。というか、なんというか。 日常が出会いで変わっていく様子がすらすら読めた。

Posted byブクログ

2023/03/11

何気ない日常のよう。 ある日、同じアパートに住む女が不可解な行動をしていた。 気になってあとをつけると裏に建つ水色の家を眺めてアパートに戻るというだけ。 そのうちベランダを貸してくれと言う。 水色の家を見たいだけたと。 そんな会話から彼女が、「春の庭」という写真集を見せて、それが...

何気ない日常のよう。 ある日、同じアパートに住む女が不可解な行動をしていた。 気になってあとをつけると裏に建つ水色の家を眺めてアパートに戻るというだけ。 そのうちベランダを貸してくれと言う。 水色の家を見たいだけたと。 そんな会話から彼女が、「春の庭」という写真集を見せて、それが水色の家であること。 本当は家の中までも見たいのだと… そんな流れで始まる物語。 そこに人が住み始め、仲良くなり念願かなって家の中に入ることもでき… やがて、引っ越してゆく。 アパートの住民も次々と…。 そう、春は引っ越しも多いのだと感じた。 つい昨日も息子が引っ越しする予定だと言ってた。 これから物件探しだそうだ。 春の庭を見ていると引っ越ししたくなってきた。 行くあても理由もないけれど。 なぜか、そんな気持ちになってきた。

Posted byブクログ

2023/02/26

高度経済成長期に建てられた一戸建て住宅とその隣のアパートを舞台に、代々の住人やご近所の人々が交差していく物語。二つの建物の、年月に伴う移り変わりを味わうような作品。

Posted byブクログ

2022/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

庭というか、築50年ほどの東京の住宅をめぐる話。写真集に残された過去の家の記憶の物語。それにこだわって近接するアパートに引っ越してきた女、アパートの他の人たち、主人公、それぞれの物語がはっきりとはわからない形で織り込まれ、不思議な世界を形づくっている。 本筋は件の家に新しい家族が入り、家は様子が違って見える。その家族が出ていくとき、またそれは記憶になる。アパートも取り壊しが決まっており住人はすべて居なくなる。 部屋をソファだらけにし、かの家の庭に父の遺骨の残りを埋めに行った主人公は突然、姉に語りを取って代わられる。死んだか刑務所に入ったか、そんな不安を残すラスト。 大きな事件が起きる流れはなく、小さなエピソードがあちこちに埋め込まれ不穏。意味はわからないがなぜか思いが伝わってくるような、作者の手法だと思う。

Posted byブクログ

2022/05/08

劇的な展開はなく、登場人物の感情の起伏も少ない、穏やかな作品。 丁寧な描写で建物を立体的に想像できた。模型を作ってみたくなる。 本名を知っているのに、同僚の名前を旧姓のまま、アパートの住民を部屋名で呼んでいたのが、主人公の面倒くさがりなところ、ゆるい雰囲気、本名が出てくるほかの登...

劇的な展開はなく、登場人物の感情の起伏も少ない、穏やかな作品。 丁寧な描写で建物を立体的に想像できた。模型を作ってみたくなる。 本名を知っているのに、同僚の名前を旧姓のまま、アパートの住民を部屋名で呼んでいたのが、主人公の面倒くさがりなところ、ゆるい雰囲気、本名が出てくるほかの登場人物との距離感の違いや印象の弱さなどを感じさせた。

Posted byブクログ

2021/09/19

自分の思考が体を離れて、自分をみている、そんな気持ちになることが時折あります。 行動と想いとの間や、時間の流れのよどみも感じられるような、作者の文章が、心地よい。 雨のように降り注ぐ情報でなく、名前も知らない種から咲いた花の色のように、時間をかけて育ててわかるようなことがある一方...

自分の思考が体を離れて、自分をみている、そんな気持ちになることが時折あります。 行動と想いとの間や、時間の流れのよどみも感じられるような、作者の文章が、心地よい。 雨のように降り注ぐ情報でなく、名前も知らない種から咲いた花の色のように、時間をかけて育ててわかるようなことがある一方、夢中だったことさえ、忘れてしまうことも。 青春というと、青臭いけれど、なんだか生きている儚さも感じました。

Posted byブクログ

2021/09/05

不思議な本。 1冊の写真集の中の家に惹かれた女と それを見つめる男の生活を それで? だから? なにが? と戸惑いながら追いかけているうちに 気づくとページが終わっている… 街とか家とか人とか 形あるものはいつか失くなるんだよ 悲しいよね、淋しいよね なんだか落ち着かないよね と...

不思議な本。 1冊の写真集の中の家に惹かれた女と それを見つめる男の生活を それで? だから? なにが? と戸惑いながら追いかけているうちに 気づくとページが終わっている… 街とか家とか人とか 形あるものはいつか失くなるんだよ 悲しいよね、淋しいよね なんだか落ち着かないよね と離別に対するノスタルジーに ずっと脅しをかけられているみたいな。 嫌いじゃないけど、好きとも言えない やっぱり不思議な本。

Posted byブクログ

2021/05/03

図形に弱いので頭の中で間取りとかを想像するのに苦労した(笑) 白じゃなくて生成りみたいな 地味な仕事イイネみたいなとこ好き

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2021/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最近は、その形がどのようなものであれ、この小説のような付かず離れずのご近所付き合いが珍しくなっている。だからこそ、同じアパートに住むこと以外何の接点もない人々が、ゆっくりとした流れで0から人間関係を作っていく過程がどこか羨ましいのかもしれない。 人が、家やそこに住む人に関心を向け、そこから広がる素朴で、個性的な登場人物たちのハタからみたら一封変わった人間関係が面白い。都会の住宅街の取り壊し間近のアパートで織りなされる素朴なやり取り。登場人物たちは、ひとりだが、孤独ではない。 全体的に、今住んでいる東京と昔住んでいた場所、豪邸と取り壊し直近のアパート、絵に描いたような家族と親を亡くしバツイチとなった主人公など、華やかさと陰のコントラストが際立つ。文章の端々に、共感できる表現もあり、読んでいてなぐさめになった。 最初数ページは文章から情景を思い描くのが難しく、少し我慢して読み続けたら、半分過ぎ、気づけば読了。2時間強。 メモ 先日の飲み過ぎとしゃべりすぎを反省したのか、顔を合わせると妙に愛想よく挨拶はするが、どこかよそよそしく、部屋を訪ねてくることも向こうから話しかけてくることもなかった  子供が通う私立幼稚園で会う他のお母さんたちは教育熱心で仲間意識も強く、情報通の人が多いので、気がひける 男は多少腕白でもたくましく育って自分の好きな道を見つけるべきだ 願いが叶うまでは誰にも言わない、が信条で。

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2021/03/10

◎あらすじ◎ 築三十一年のアパートで暮らす太郎はある日、2階の窓から身を乗り出し隣家を眺める女性を目撃する。彼女はアパートの隣に立つ洋館風の水色の一軒家に強く興味を惹かれていた。それは彼女が読んだ写真集『春の庭』に出てくる家なのだと言う。彼女はやがてその洋館に住む住民と親しくなり...

◎あらすじ◎ 築三十一年のアパートで暮らす太郎はある日、2階の窓から身を乗り出し隣家を眺める女性を目撃する。彼女はアパートの隣に立つ洋館風の水色の一軒家に強く興味を惹かれていた。それは彼女が読んだ写真集『春の庭』に出てくる家なのだと言う。彼女はやがてその洋館に住む住民と親しくなり出入りするように。彼女の執着を不思議に思いつつ、ひょんなことから太郎も一緒に洋館を訪れ、特に興味のあるお風呂場を見たいという彼女と行動をともにすることとなる…。 ◎感想◎ 2014年に芥川賞を受賞した作品。以前はあまり読めなかった"純文学"だけれどこの作品は好きだと思った。私が年齢を重ねたからっていうのもあるかもしれない。 家は確かに人が住んでいるか否か、または住人によって雰囲気を大きく変えるというのにうなずけた。住人の住んでいない家はどこかノスタルジックだけど、誰かが住みつくと途端に息づく。それが表現からまざまざと伝わってきて、読んでるうち、私も水色の洋館に惹かれてしまった!ぜひ写真集を見てみたいものです。 太郎と、同じアパートの隣人、職場の人、姉との関わりも描き方が良いなと思った。彼らは深すぎず、ささやかにつながっている。その淡々とした描き方も好きだった。 難しい考察はできないけれど、輪郭のある情景を想像させるきれいな文章と雰囲気を楽しみながら読みました。

Posted byブクログ