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大いなる眠り の商品レビュー

3.8

53件のお客様レビュー

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2016/03/09

私立探偵フィリップ・マーロウの登場する最初の長編作品。双葉十三郎訳で昔読んだのだが、内容は全く忘れてしまっていたので、最近の村上訳で読み直してみた。やはり素晴らしい作品。

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2016/08/15

チャンドラー作品を読むのは四作目。本作が長編一作目らしい。マーロウの荒っぽい行動と冷静な分析力は相変わらず。村上氏もあとがきに書いていたが、細かい整合が取れているかは考えず、マーロウの動きに身をゆだねて読むくらいが一番楽しく読めると思う。

Posted byブクログ

2015/10/07

『落書きのある壁の陰になった角には、青白いゴムの避妊リングが落ちていた。それを片付けるものもいない。実に心温まるビルディングだ』 チャンドラーを読んでいたのは二十代。三十年程前のこと。シニカルな言い回しに惹かれていた。あの頃はミステリーマガジンも読んでいた。もっともエンゲル係数...

『落書きのある壁の陰になった角には、青白いゴムの避妊リングが落ちていた。それを片付けるものもいない。実に心温まるビルディングだ』 チャンドラーを読んでいたのは二十代。三十年程前のこと。シニカルな言い回しに惹かれていた。あの頃はミステリーマガジンも読んでいた。もっともエンゲル係数の高い生活をしていたので日比谷図書館には随分と世話になった。 シニカルには二通りある。何に対しても否定的な態度で返すやり方。これは誰にでも真似ができる。思春期の子供にでも。もう一つは思っていることと反対のこというやり方。これは比喩が冴えていなければ芯を捉えることは出来ない。往々にして言った方にも言葉の持つ力の反作用で負荷が掛かる。目の周りの青黒い痣と冴えた頭が無ければ決まらない。「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」。 チャンドラーの言い回しはどれも冴えている。しかしそれが活きるのは都市という背景の中だけ。それも決して表通りではない。ブリキのゴミ箱が転がる薄暗い裏通り、雨が降っていれば尚よい。そこでずぶ濡れとなって頼まれ仕事をこなす。マーロウに魅せられはするが、そんな風に「撃たれる覚悟」は自分にはない。それが妙に苦しくてミステリーから遠ざかっていった。今、再び手に取るのは村上春樹の翻訳だからということもある。だがそれ以上に人生の、少なくとも宮仕えの終わりを意識するようになったことと関係しているのだろう。 シャーロック・ホームズに本格的な推理がないように、フィリップ・マーロウにあるのも二転三転する推理の面白さではない。両者に共通するのは、ひょっとすると日本人が遠山左衛門尉に、あるいは水戸黄門に感じる爽快感と似たものだ。ジェームズ・ティプトリー・ジュニア(と言っても男性ではない)ではないけれど、それがマーロウの「たった一つの冴えたやりかた」であるから人は惹かれるのだ。何故なら皆解っているから。「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」、と。

Posted byブクログ

2015/06/30

先に『ロング・グッドバイ』で感動してしまったので、正直物足りなかった。 あまり引き込まれもしなかったし、期待したほどではなかった。ざっと読んだので、ハードボイルドを読みたくなったら、もう一度じっくり読んでみたい。

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2015/05/27

この世界観に入れればとても面白い。クリント・イーストウッドのダーティー・ハリーもこんな感じで昔から好きだな。

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2015/05/16

文章を読み始めると、まるで映画が始まったように、美しく威厳のある大邸宅、淫靡な小部屋、雨の降るロサンゼルスのちょっと擦れた街の様子が広がって、はっと気付くと降車駅、そうそう通勤途中でしたねと現実に立ち返ります。 この幻惑力はチャンドラー+村上春樹の賜物なのではと思ったり。 あ...

文章を読み始めると、まるで映画が始まったように、美しく威厳のある大邸宅、淫靡な小部屋、雨の降るロサンゼルスのちょっと擦れた街の様子が広がって、はっと気付くと降車駅、そうそう通勤途中でしたねと現実に立ち返ります。 この幻惑力はチャンドラー+村上春樹の賜物なのではと思ったり。 あと、家で読んでるとお酒が飲みたくなります。喫煙者ならタバコが手放せなくなるのでは。

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2014/10/13

フィリップ・マーロウは、 他の男の人がみんなダメに見えてくるほど、完璧である笑。 優しい 女になびかない 女にいくときは自分からいく 女の魅力を分からない冷血漢ではなく、 意思でそうしている 自由を愛していて 孤独で 曲がらないし 自分の弱さを知っている 生きることに妥協してい...

フィリップ・マーロウは、 他の男の人がみんなダメに見えてくるほど、完璧である笑。 優しい 女になびかない 女にいくときは自分からいく 女の魅力を分からない冷血漢ではなく、 意思でそうしている 自由を愛していて 孤独で 曲がらないし 自分の弱さを知っている 生きることに妥協していない おいおい。 男に生まれてたら、こんな風になりたかったぜ、俺はよ。 ともかく完璧である。 レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウのシリーズを読むときは、マーロウに会いたいときだ。 マーロウに会いたくて、本を開く。 筋がどうとか、それももちろん大事だけど、 一番はこの男に会うために読んでるんだ。 というわけで、店頭で久々に知らないシリーズに出会って、久しぶりに会いたくなったので読みました。 またいつものマーロウに会えた。 にしても、 アメリカ人の器のでかさは、 どの状況までアメリカンジョークで対応できるかが ものさしなんじゃないかと思う。

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2014/09/17

「すごい」と思わされる読後感なのですが、ミステリーというストーリーで囲ってしまうと、何がすごかったのか分からなくなってしまいます。「結局、何がどうだったのか?」「誰がどうなって、誰が悪かったのか」が分かりにくい。しかし、そんなものどうでもよい、というくらいに面白い小説です。主人公...

「すごい」と思わされる読後感なのですが、ミステリーというストーリーで囲ってしまうと、何がすごかったのか分からなくなってしまいます。「結局、何がどうだったのか?」「誰がどうなって、誰が悪かったのか」が分かりにくい。しかし、そんなものどうでもよい、というくらいに面白い小説です。主人公フィリップ・マーロウ無茶苦茶かっこいいです。そして、彼がかっこいいから、それに周りの人物が影響されて、それだけで話が出来上がってしまう。だから筋なんかそれに比べたらどうでも良い。ただの舞台装置になってしまう。 ゴタクは良い。ただ読んで楽しんでください。その価値のレベルが他の小説を陵駕しています。

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2014/09/03

ハードボイルド小説の金字塔。 世界で二番目に有名な私立探偵フィリップ•マーロウの初登場作品。 警察にできなくて、マーロウにはできることがある。 大手仲介業者にできて、街の不動産屋にはできることができる。

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2014/08/31

「ハードボイルドならまずこの人を」というフィリップ・マーロウの最初の活躍を描いた本。マーロウが資産家から恐喝に関する相談を受け、その解決に動き出す。しかし、実はその背後には様々な思惑が乱れ飛んでいて・・・・というお話。マーロウのカッコよさは、長いお別れ(The long good...

「ハードボイルドならまずこの人を」というフィリップ・マーロウの最初の活躍を描いた本。マーロウが資産家から恐喝に関する相談を受け、その解決に動き出す。しかし、実はその背後には様々な思惑が乱れ飛んでいて・・・・というお話。マーロウのカッコよさは、長いお別れ(The long good-bye)と変わらないのですが、少し文章がチャンドラー独特の表現が少なく、チャプター最後のカッコ良さが弱い気も(苦笑。しかし、最後のページの文章は、「これぞハードボイルド」というもの。一人で「男ver1」に浸りたい老若男女はぜひ読んでほしい一冊です。

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