山女日記 の商品レビュー
心にわだかまりを抱えた人たちが、苦しい山道を延々と歩きながら、 もやもやを吹き飛ばしクリアな自分を取り戻す、山が舞台の短編連作。 何かを決断するための、あるいは何かを徹底的に考え抜くための登山。 あぁ、そういう登り方もあるんだ。 確かに考え事をするときは、一人で部屋に籠るより、...
心にわだかまりを抱えた人たちが、苦しい山道を延々と歩きながら、 もやもやを吹き飛ばしクリアな自分を取り戻す、山が舞台の短編連作。 何かを決断するための、あるいは何かを徹底的に考え抜くための登山。 あぁ、そういう登り方もあるんだ。 確かに考え事をするときは、一人で部屋に籠るより、 青空の下で体を動かしながらの方が、絶対前向きな答えに辿り着くだろう。 頂上から見る果てしない大空に、心が晴れ渡っていくのが分かる。 湊さんの作品は、登場人物の腹黒さやエキセントリックさに辟易し、 「境遇」以来長くご無沙汰していた。 山好きなので今回久しぶりに読んでみたら、 山から下りてきたような爽やかな読後感で、これまでの印象ががらりと変わった。 私はこっちの路線がいいな。
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山を題材にしている色んな人々の話で最後には全て分かるという。 人と人の繋がりはどこでどうなるか分からない。 山に登りたくなる本でした。 過去があるから今があるんだなぁって思いました。
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「私の人生はこんなはずではなかったのに…」そんなモヤモヤを抱えた女性たちが登山を通じて希望を見出していくお話です。短いお話で、読みやすく、少しずつ話がつながっているので、おもしろいです。
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ハイキングに近い初心者向きの登山レベルの私でも、共感できる部分がたくさんありました。山登りのエピソードは、みんなそれぞれ違った物語があると思います。 それにしても、ブラックじゃない湊かなえ作品にオドロキ!
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自分で自分でってなんでも一人でやろうとするくせに、人からは頼られたいって思ってるんだから。そのうえちょっとでも自分が頼らなくちゃいけない状況になったら、もうダメ人間になってしまったように思いこんじゃって。立派な人っていうのはね、自分がダメな時には、お願いします、ってちゃんと頭を下...
自分で自分でってなんでも一人でやろうとするくせに、人からは頼られたいって思ってるんだから。そのうえちょっとでも自分が頼らなくちゃいけない状況になったら、もうダメ人間になってしまったように思いこんじゃって。立派な人っていうのはね、自分がダメな時には、お願いします、ってちゃんと頭を下げられる人のことなんじゃないの?ダメ人間って思われたくないからって、自分から離れていこうとするなんて、間違っている。
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登山する女性達が主人公のお話。 短編、連作長編? 結婚に悩んだり、離婚問題、バブル世代だったり。 色々な悩みを抱えた人達が登山する話。 派手さはないけど、サラリと読み終え、読みやすかった。 山に登った後、少しだけ変化した彼女たちの姿が爽やかで好印象。
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初読。図書館。「Story Seller」の中の「約束」を読んだときには、湊さんらしい黒さがなくて物足りない、と書いたばかり。なのに、この連作短編集は黒さがなくてひたすら爽やかで、新境地開拓か、って驚いた。それぞれの短編で登場人物が少しずつ重なりあって、それぞれの女性がそれぞれの荷物を背負って山に登る。思わず登場人物マトリックスを作ってしまった。絶対海派の私は登山してみたいとは思わないが、山のほうが物語として成立しやすいんだろうなあと、ちょっと悔しい。今後の湊さんがどんな作品を書くのか楽しみ。
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私の選択は、間違っていたのですか。悩める7人の胸に去来するのは-。誰にも言えない苦い思いを抱いて、女たちは、一歩一歩、頂を目指す。新しい景色が小さな答えをくれる連作長編。『GINGER L.』連載を単行本化。
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7つの短編 帯にあるように女性心理を書いたのだろうが、登場人物らが結構な辛辣な言葉を使うので、読んでいていい気持ちがしなかった。 1つのストーリーも短く消化不良のまま。 こんなものかぁ、と思っていたけど、なんと、読み進めるうちに、話がつながっていって、いつの間にか暖かいストー...
7つの短編 帯にあるように女性心理を書いたのだろうが、登場人物らが結構な辛辣な言葉を使うので、読んでいていい気持ちがしなかった。 1つのストーリーも短く消化不良のまま。 こんなものかぁ、と思っていたけど、なんと、読み進めるうちに、話がつながっていって、いつの間にか暖かいストーリーになったいた 2014.8.24
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著者は登山の経験があるのだろうか。 あまりにもデティールが鮮明?で資料や取材だけではこれだけ書けないよなと感心。 許せるデブ(固いデブ)と許せないデブ(柔らかいデブ)には笑った。 七つの短編の中でも、ブランドに身を固めた派手な女子(トウのたった)と地味な男性の話が好きだった。キーワードはとんぼ玉。
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