「好き嫌い」と経営 の商品レビュー
★本書のメッセージ 経営は「正しいか」だけでなく「好き嫌い」で決まっていることが多い。その好き嫌いを自覚することが、ハッピーにとって重要 ★読んだきっかけ 自分にフィットする企業、職場はどんなものかをよくよく考えるため ★本の概要 楠木教授が、日本の名だたる経営陣に対して、ひ...
★本書のメッセージ 経営は「正しいか」だけでなく「好き嫌い」で決まっていることが多い。その好き嫌いを自覚することが、ハッピーにとって重要 ★読んだきっかけ 自分にフィットする企業、職場はどんなものかをよくよく考えるため ★本の概要 楠木教授が、日本の名だたる経営陣に対して、ひたすら好き嫌いを問うインタビューを行っていく。柳井正さんから大前研一まで、非常に豪華な経営陣ばかり ★本の面白かった点、学びになった点 *この世にはオポチュニティ企業と、クオリティ企業が存在する ・経済成長や事業成長の機会をとらえ、ガンガン成長をしていくのがオポチュニティ企業。鴻海とか ・クオリティ企業は、世の中の流れ、外部環境に目を向けるのではなく、内部環境から価値を生み出す企業。たとえば、哺乳瓶のピジョン、マクロミル、ゾゾ、ユナイテッドアロウズ等はクオリティ企業。M3や、一休などもクオリティ企業と言える ・クオリティ企業かオポチュニティ企業は、事業利益を、どういう時間軸で追っているか、ということが大きい規模の大小にかかわらず、独自の戦略コンセプトがあるのが、クオリティ企業 ・クオリティ企業はコンセプトが重要。コンセプトを大切にしていること、本質的な、顧客価値を考えていることが起業 *「正しい選択」VS「正しい選択」がぶつかったとき、「好き嫌い」が現れる ・社会的通念でいえば、正しい選択同士がぶつかる ・その時、本人の好き嫌いが現れる ・自分の好きを自覚して、行動を起こしてこそ、楽しいし、ハッピーになるし、うまくいく *ブラック企業VSホワイト企業ではなく、ピンク企業VSブルー企業が実態 ・世の中の一般的基準だけで評価するのが、ブラック企業かホワイト企業か、という議論 ・良し悪しではなく、キャリアという個人的問題は、もっと個人個人の価値観によって形成されるもののはず ・だから、ある人にとっては良くないと思えることが、他の人にとっては良いということはざらにある ・しがって、正しいかどうか、という観点で、ブラックか、ホワイトか、という整理をするのはそんなに簡単ではない ・実際は、ブルーか、ピンクか、というように、かなり個人個人の問題に立脚することになる *柳井さんや永森さんはわりと近い気質 ・二人とも、結構モーレツ系、というか ・年がら年中経営のことしか頭にないです、という感じ ・できる限り経営をし続けたい、というようなイメージ →できる限り自分たちに若い世代の方が経営する企業で働きたいと思った →仕事上の価値観は、わりと、 *永井さん「虚業はやりたくない」と言い切る。すごい人であっても、やりたくない仕事は山ほどある。むしろ、すごい人ほど、自分の行う仕事を選ぶのかも ・スーパービジネスパーソンである永井さん、虚業である金融やITなどは絶対にやりたくない、と言い切っていた ・そこに、別に社会的な正しい理由はなく、個人的な好き嫌いの問題 ・やはり、仕事や職業は自分の好みで選んでいいんだ、と再認識した *楠木先生「よく考えるためには、入ってくる情報を少なくすることが重要dだ。入ってくる情報が多ければ多いほど、自分は注意散漫になる」 ●学んだことをどうアクションに生かすか *オポチュニティ企業より、クオリティ企業が俺は好き ・外部環境を見て、ガンガン儲かることや追い風になることをやっていこうぜ、というよりも、その企業の独自のコンセプトを大切にしている、クオリティ企業がいい *「世の中の正しい基準」よりも前に「自分の好きな基準」を考えだす ・いわゆる、成長産業だからいいとか、スキルアップになるからとか、そういった観点で仕事を選んでも何も面白くない ・自分が好きと思えるか、わくわくするか、時間とエネルギーを投下したいと思えるか、そういった職であることが何より重要なのではないだろうか *自分は、企業や事業を成長することを、無条件で面白がれるようなタイプではない →事業のコンセプトありき。自分にとって、「こkれいいじゃんけ!」って思えるストーリーやコンセプトがあるならば、その事業の拡大のため、走れると思う
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ストーリーとしての競争戦略が面白かったので興味を持つ。 いろいろな経営者の考え方を垣間見ることができた。 実務に役立つかは微妙だが面白い書籍ではありました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本の有名起業家、コンサルタントと著者のインタビュー形式で 好き嫌いなものを聴きながら、その人の真髄に迫ってくれる 多種多様な価値観と考えがあり、自分ならどう思うとか 自分はこの人に似てるなとか考えながら読めるので 非常に読みやすい本になっている こういった方にインタビューできるのは著者の凄さだと思う 個人的にはバダラッコのケーススタディは短文だったが印象的だった
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楠木建にハマり出してここまで来た。そして今回著名な経営者たちの好き嫌いを抉り出すというコンセプトで対談集になっている。彼らの胸に響く言葉は以下に引用したが、その中でも出口治明の言葉に意表を突かれ、その深い言葉に感銘を受けた。 【原田泳幸】 複雑なことを簡単に理解させる。これで初め...
楠木建にハマり出してここまで来た。そして今回著名な経営者たちの好き嫌いを抉り出すというコンセプトで対談集になっている。彼らの胸に響く言葉は以下に引用したが、その中でも出口治明の言葉に意表を突かれ、その深い言葉に感銘を受けた。 【原田泳幸】 複雑なことを簡単に理解させる。これで初めて相手が行動するわけです。常に簡単に考える。非常にシンプルに考える。 【佐山展生】 自分のことは人に相談をしないことですね。 自分のことは自分が一番わかっていますし、私はみんなが行かない道ばかりを歩んできていて、だから面白いのです。みんなと違う道を歩いてこそ誰も知らない発見や喜びがあるのです。みんなにそんなことできないでしょうと言われたことが、やってみたらできたりしますしね。 人生というのは自作自演のドラマ。自演というのは変えられないが、自作の部分、シナリオは自分で変えられます。人生が面白くないなら自分でシナリオを面白く作り替えればいい。 悩みは案外ちっぽけなものでしかないことがわかることや、また今ある世界がすべてではない。 結局人間は自分が一番自分のことをわかっている。自分が好きなことをやって力を発揮する。 【藤田晋】 本当に好きなことだったらパワーが出るし、好きじゃなかったら出ない。結局そういうところで自分自身が勝負する土俵が決まっていくのだろうと思う。 【出口治明】 一番つまらない生き方は何か。それは人生の目的のために一心不乱になること。川の流れのように自然に流れていくのが、一番素晴らしいですから。 楽しければいいと思います。僕は価値観の押しつけが一番嫌いなので。 みんな失敗するんだから、失敗しても何も怖くない。成功したら儲けもの、という認識がわかったら、気軽にチャレンジできるようになります。 仕事なんかどうでもいいと思っているんですよ。 人間にとって大事なのは、良いパートナーを見つけて楽しい生活を送ることで、仕事なんて価値がない。価値がないものだったら、何でそんなもののために上司にごまをするとか、人からどう思われるとか、そんなしょうもないことを考えるんだと。どうでもいいことだったら好きにやればいいじゃないか。思うとおりやって、チャレンジして、いやだったらチェンジすればいい。 仕事で落ち込んだり悩んだりしている人は、人生における仕事の位置づけが間違っている。 人間と人間が作る社会に対する洞察力が欠けている。 小説、飲み、遊び、世界旅行が大事で、仕事なんかどうでもいい。 【前澤友作】 反省して悪いところを改めるだけじゃなく、自分本来のスタイルや考え方まで変えてしまうと元も子もなくなる。 【楠木建】 仕事がきついかどうかなどということは、そもそも良し悪しというよりその人の好き嫌いで決まる。 向いてなかったら次行ってみよう!というのが正しい姿勢。
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科学的に見える「経営」を「好き嫌い」という感情という視点から見てみようという本。よく考えてみたらその会社が持っている考え方というのは,経営者の頭の中とイコールでないとしても同期が取られているはずである。対談形式で書かれており,分厚い本であるが,難しいこと無しに読み進めることができ...
科学的に見える「経営」を「好き嫌い」という感情という視点から見てみようという本。よく考えてみたらその会社が持っている考え方というのは,経営者の頭の中とイコールでないとしても同期が取られているはずである。対談形式で書かれており,分厚い本であるが,難しいこと無しに読み進めることができる。
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・事業コンセプトの創造は論理的なプロセスというよりも、その経営者の直観やセンスとしか言いようがないものにかかっている、その元をたどれば、その人の好き嫌いに突き当たる。 (原田泳幸) ・練習してもできない状態が続いても、ある日ストンとできるようになる。あとはもう自転車に乗っているよ...
・事業コンセプトの創造は論理的なプロセスというよりも、その経営者の直観やセンスとしか言いようがないものにかかっている、その元をたどれば、その人の好き嫌いに突き当たる。 (原田泳幸) ・練習してもできない状態が続いても、ある日ストンとできるようになる。あとはもう自転車に乗っているような感じです。 (新浪剛史) ・パッションとリスクテイキングが合わされば大体のことはやれるものだ。 (出口治明) ・この世界を理解し、どこを変えたいと思うのか、それは世界を経営するということ。でも世界は広いので自分はその一部分を受け持つしか無い。それがサブシステムです。置かれた状況の中で常に世界を理解し、何を変えたいと思い、何をして生きるのかということ、つまり、世界経営計画のサブシステムを生きることが、人間にとって一番大事だと思い、言い続けています、 ・生命保険という商品はジェームズ・ドットソンというイギリス人が生み出した理論に基いて250年前に作られたものですが、彼が今、日本の生命保険を見たら驚愕する「こんな複雑で高いものを俺は作ったんじゃない」と嘆くと思う。
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経営者14人の好き嫌いを聞くインタビュー。経営の話もあるがメインは好き嫌いなので他のメディアよりも素の姿が見え隠れする。経営判断は「正しいこと」と「正しいこと」を選ぶこと、その選択には正しさではなく好き嫌いが強く関連している。とりとめもない各インタビューと最後の著者による総括で腹...
経営者14人の好き嫌いを聞くインタビュー。経営の話もあるがメインは好き嫌いなので他のメディアよりも素の姿が見え隠れする。経営判断は「正しいこと」と「正しいこと」を選ぶこと、その選択には正しさではなく好き嫌いが強く関連している。とりとめもない各インタビューと最後の著者による総括で腹落ち。現実に接している様々なシーンでも意思決定者の好き嫌いが強く影響していることは振り返ればよくある。良い視点を得た。
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経営者にも様々なタイプがいて、 好き嫌いも違う。 自分と似た真似しやすいタイプから、学ぶ、真似ぶことが大事だ。 というより、 そっちの方が楽しいから好きだ。
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有名経営者の好き嫌いが激しくてすごく面白かった。"それぞれに異なった好き嫌いを持つ人々が、それを仕事や生活のなかでできるだけ前面に出していく。なおかつ、好き嫌いを異にする人々の間で対立もない。お互いに尊重し合い、共有しあって、世の中が回っていく。これが僕の考える成熟した...
有名経営者の好き嫌いが激しくてすごく面白かった。"それぞれに異なった好き嫌いを持つ人々が、それを仕事や生活のなかでできるだけ前面に出していく。なおかつ、好き嫌いを異にする人々の間で対立もない。お互いに尊重し合い、共有しあって、世の中が回っていく。これが僕の考える成熟した良い社会です"
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楠木教授が著名な経営者14名へインタビュー。その経営者が「好き」なことと「嫌い」なことに焦点を当てる。経営というと「良い」「悪い」に二分されそうだが、この書籍ではそれを省く。 面白いのは経営者Aが好きなことは、経営者Bは嫌いだったるすることが大いにあること。この対談から見えてき...
楠木教授が著名な経営者14名へインタビュー。その経営者が「好き」なことと「嫌い」なことに焦点を当てる。経営というと「良い」「悪い」に二分されそうだが、この書籍ではそれを省く。 面白いのは経営者Aが好きなことは、経営者Bは嫌いだったるすることが大いにあること。この対談から見えてきたことを著者は、経営者を動かすエンジンはインセンティブではなく、その人の中から湧き上がる動因、動因とはすなわち好き嫌い、と説く。 他社の方法を、好きでもないのになぞることは必ずしも正しくない。このことは会社組織ではなく個人にも当てはまると個人的には思う。「すべては『好き嫌い』で始まる」の一文は頷ける。
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