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まるまるの毬 の商品レビュー

4.1

85件のお客様レビュー

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    22

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  3. 3つ

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2016/03/24

小さな和菓子屋を営む治兵衛のお話。町でも評判の治兵衛のお店。美味しそうな和菓子がお話ごとに出てきます。でも旗本家の出である上に出生にも秘密がある治兵衛にいろいろな問題も起き涙したり、微笑んだり。□このお話を読んでいて我慢できなくて家にあったお饅頭にかぶりついてしまいました。

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2016/02/26

武士から転身した変わり種、諸国の菓子に通ずる店の主・治兵衛。菓子のことなら何でもござれ、驚異の記憶力を持つ出戻り娘・お永。ただいま花嫁修業中!ご存じ、南星屋の“看板娘”・お君。親子三代で営む菓子舗「南星屋」。繁盛の理由は、ここでしか買えない日本全国、銘菓の数々。でもこの一家、実は...

武士から転身した変わり種、諸国の菓子に通ずる店の主・治兵衛。菓子のことなら何でもござれ、驚異の記憶力を持つ出戻り娘・お永。ただいま花嫁修業中!ご存じ、南星屋の“看板娘”・お君。親子三代で営む菓子舗「南星屋」。繁盛の理由は、ここでしか買えない日本全国、銘菓の数々。でもこの一家、実はある秘密を抱えていて…。思わず頬がおちる、読み味絶品の時代小説!

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2016/01/27

時代劇は数々あれど、こんなにほんわかさせられる作品も珍しいのではないか。 読むぞーと気張った日は和田竜さんや伊東潤さんの作品を読んで壮大なドラマを堪能し、なんだか寂しくて暖かくなりたいなぁと思った日は西條奈加さんの作品を読む。 私は時代小説自体が初心者で、刀や武士の魂みたいなもの...

時代劇は数々あれど、こんなにほんわかさせられる作品も珍しいのではないか。 読むぞーと気張った日は和田竜さんや伊東潤さんの作品を読んで壮大なドラマを堪能し、なんだか寂しくて暖かくなりたいなぁと思った日は西條奈加さんの作品を読む。 私は時代小説自体が初心者で、刀や武士の魂みたいなものが描かれていないと時代小説ではないと思っていた。違いましたねぇ、この作品で新たな時代小説の楽しみ方を教わりました。だって、お菓子の作り方が主題で、それにまつわる人情物ってんだから。

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2016/02/06

大満足。いままでの西條作品でもいちばんすきかも。 お江戸は麹町の裏通りに、妻を亡くした年配やもめの菓子職人と出戻った娘と孫娘、3人で切り盛りする菓子屋、南星屋(なんぼしや)が舞台。むかし全国各地を旅してあちこちで覚えた地方の菓子の数々、なにがでてくるのか並んでる客も開店まで知らな...

大満足。いままでの西條作品でもいちばんすきかも。 お江戸は麹町の裏通りに、妻を亡くした年配やもめの菓子職人と出戻った娘と孫娘、3人で切り盛りする菓子屋、南星屋(なんぼしや)が舞台。むかし全国各地を旅してあちこちで覚えた地方の菓子の数々、なにがでてくるのか並んでる客も開店まで知らない、、そんな設定だけで立ち寄ってみたくなる。そして店主には出生のとある秘密もあり。。。? ひとのこころの喜怒哀楽も いまもむかしもやるせない世の中のしがらみも どうしようもないことも でもあったかい家族やまわりに助けられたり、支えたり。出会いあり、別れあり、心に秘める思いあり、胸底にしまう言葉あり。ところどころ泣けた、とくに後半。。。 思い合う家族の姿がけなげ。親心って、そうだよ、そうだよ、、と頷きながら読んだ。 西條さんはやっぱ、舞台は江戸、登場人物はちょっと苦労もしてる庶民、みたいなのがいちばん滲みる。そしてこれはまた、菓子作りの描写がとてもよかった、想像するのが楽しかった。登場人物も親しみをもって入り込めたし、五感で読める作品。いってみたいなあ、南星屋、わくわくしながら並んでみたい。オススメの1冊。

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2015/12/26

表紙のイラストが美味しそうだなと思いつつ読み始めてみたら、中味もよく…ひとつずつゆっくり楽しめる内容だった。お菓子の表現もよかったけど、出てくる人達もみんな良くて…しかしお君ちゃんの事はなんとかならないものかと、最後まで願ってたんだけど。読み終えた後は心地好い気持ちになれました。...

表紙のイラストが美味しそうだなと思いつつ読み始めてみたら、中味もよく…ひとつずつゆっくり楽しめる内容だった。お菓子の表現もよかったけど、出てくる人達もみんな良くて…しかしお君ちゃんの事はなんとかならないものかと、最後まで願ってたんだけど。読み終えた後は心地好い気持ちになれました。兄弟もよかった。

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2015/11/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

江戸の町屋の菓子屋を巡る時代小説。 出だしは連作短編集かと思いましたが、意外な展開が待っていました。 治兵衛の出生の秘密、娘のお永の失踪した夫の登場、孫娘のお君の恋愛が見事に絡んで単純な人情時代物とはなっていませんでした。 弟の五郎(石海)をはじめとして善人、悪人の脇もしっかりしていて面白いです。 もちろん、肝心なお菓子についても、江戸時代らしい蘊蓄など興味を引きます。 ラストは 元の鞘に納まってしまいますが、治兵衛とお店はもちろんお永やお君の行く末も気になりますので、続編希望です。

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2015/09/23

江戸で和菓子屋を営む家族の物語。 元武士である治兵衛には家族に言えない大きな秘密があるのだが思った以上に大きな秘密だった。 連作短編集で必ず一つ和菓子がテーマになっているので読んでいると和菓子を食べたくなるかもしれない。 それ以上に良かったのは人生の酸いも甘いもぎっしりつまってい...

江戸で和菓子屋を営む家族の物語。 元武士である治兵衛には家族に言えない大きな秘密があるのだが思った以上に大きな秘密だった。 連作短編集で必ず一つ和菓子がテーマになっているので読んでいると和菓子を食べたくなるかもしれない。 それ以上に良かったのは人生の酸いも甘いもぎっしりつまっている人情話。 家族のためにと自分を犠牲にできる3人の家族愛は心に沁みた。

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2015/09/06

特別な出自の兄弟でありながら、全く特別なところがない兄弟の関係や思い出がとっても心和ませてくれた。この兄弟のまわりにいる人は幸せになれるよって、思えてくる。そして、その期待を裏切らないお永とお君も含めた家族の物語がとってもあたたかい。そうは言いつつ出生の秘密がこれ以上なく重いだけ...

特別な出自の兄弟でありながら、全く特別なところがない兄弟の関係や思い出がとっても心和ませてくれた。この兄弟のまわりにいる人は幸せになれるよって、思えてくる。そして、その期待を裏切らないお永とお君も含めた家族の物語がとってもあたたかい。そうは言いつつ出生の秘密がこれ以上なく重いだけに次なる波乱を期待してしまう。

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2015/08/27

和菓子屋「南星屋」を舞台にした、連作短編集。 困難が降りかかったり、問題を抱えていても、治兵衛達家族がお互いを思いやる姿に、心が温かくなります。出てくるお菓子も美味しそう。

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2015/07/26

麹町にある南星屋という和菓子やさんの話。 武家を出て腕一本で菓子職人になった治兵衛は、日本全国を旅してそこで見聞きした菓子を菓子帳につけて、そこからここでしか買えない菓子を作って売っている。いわば、伝道師だ。自分が覚えたものを、自分だけ味わって満足せずに持ち帰るということは、それ...

麹町にある南星屋という和菓子やさんの話。 武家を出て腕一本で菓子職人になった治兵衛は、日本全国を旅してそこで見聞きした菓子を菓子帳につけて、そこからここでしか買えない菓子を作って売っている。いわば、伝道師だ。自分が覚えたものを、自分だけ味わって満足せずに持ち帰るということは、それだけ責任も伴うし、大それたこと。 でもそれを、どうだこんな菓子があるのだぞ、と誇示するのではなく、謙虚にさらっと提供するから素敵だ。そして、そのお菓子ひとつひとつに今の自分の気持ちを乗せているからおもしろい。 お団子は「まるまる」。 丸くて白い団子のような、まあるい気持ちでいてほしい。 その父の思いに答えようと、己の毬を表に出せず外ではなく内に纏い、理想の娘を演じ続けてきた娘。そんな娘に、敢えて毬を外にくっけたとげとげの毬餅をつくらせるお父さんがいじらしい。 暑さが和らいだ夜に、空でも見ながらもしゃもしゃ団子が食べたくなる本。

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