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銀の匙 の商品レビュー

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44件のお客様レビュー

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2024/10/23

文学として素晴らしい。 昔の日本の暮らしや幸せを描きつつ、今と変わらない部分も感じられる。おばさんの子煩悩さに頭が下がる思いがした。

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2024/07/26

自分の幼少期が思い出された。缶蹴りやめんこ、かごめ、竹馬、ふき玉鉄砲など先輩や友だちと一緒にした記憶がよみがえった。いまではそんな遊びをしている子どもはいない。そんなに古い時代ではないのに。スマホもゲームもなかったけど田舎の遊びは楽しかった。

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2024/04/17

幼少期から思春期までよくこんな細密な描写ができるなと感嘆ばかり。内容は、子供の遊びひとつとっても、現代と比べなんと豊かなことか。まだまだ自然とたくさん接点のあった時代かな。

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2023/11/17

病弱で祖母にかじりつきの中勘助の幼少期から青年までの自伝的エッセイということになるのかな。 本当に小さな頃からの話を事細かに、その時の自身の気持ちを主軸に書かれているんだが、それがすごいのなんの。 記憶をその時その時にわけて真空パックにでもしているのかというほどありありと書かれ...

病弱で祖母にかじりつきの中勘助の幼少期から青年までの自伝的エッセイということになるのかな。 本当に小さな頃からの話を事細かに、その時の自身の気持ちを主軸に書かれているんだが、それがすごいのなんの。 記憶をその時その時にわけて真空パックにでもしているのかというほどありありと書かれてらっしゃる。 ずっとただの日常の話なんだけど人間味というか生活感というか…それが溢れていてとても好きな1冊になりました。 解説にも書かれてたことになりますが、他の作家の影響がなく世界観が無二だそうで、なるほど新鮮に読めた気がしたのもあながち間違いではなかったかと思いました。 そういう事なのでもしかしたら好き嫌いがわかれる作品かもしれません。

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2023/10/22

ただ、起承転結なストーリーではなく、少年の日常がかかれてるだけですが、惹き込まれていきました!心理描写、情景描写を綺麗に表現されてて、ずっと読んでいたい気持ちにさせられました。

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2023/10/10

細やかな描写が美しいな〜なんとなく夏目漱石っぽいな〜と思いながら読了すると、本作が発表された当時漱石がベタ褒めしていたそうな。やっぱり?

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2023/09/18

 美しすぎる日本語。  主人公が子供の頃から大切にしている小箱。 (抜粋) なにもとりたてて美しいのではないけれど、木の色合いがくすんで手ざわりの柔らかいこと、ふたをするとき ぱん とふっくらした音のすることなどのために今でもお気に入りのもののひとつになっている。なかには子安貝...

 美しすぎる日本語。  主人公が子供の頃から大切にしている小箱。 (抜粋) なにもとりたてて美しいのではないけれど、木の色合いがくすんで手ざわりの柔らかいこと、ふたをするとき ぱん とふっくらした音のすることなどのために今でもお気に入りのもののひとつになっている。なかには子安貝や、椿の実や小さいときの玩びであったこまごましたものがいっぱいつめてあるが、そのうちにひとつ珍しい形の銀の小匙のあることをかつて忘れたことはない。  主人公の宝物ばかりをしまった小箱の中にある“銀の匙“。そこから、小さい頃、病弱であった自分を母親代わりに大切に育ててくれた叔母さんの思い出、繊細な“私“が見てきたもの、触れてきたもの…。近所の仲良しの女の子と夕方まで遊んだ楽しい思い出。腕白な同級生にいじめられた思い出…。  脳内で私は絵本を見ているようだった。主人公の銀の匙をしまっている小箱は素朴なコルク質の木の小箱だけれど、主人公の思い出はまるで寄木細工のように美しく箱の表面を覆っているかのように思えた。  繊細なあまり、知らない人のことは皆嫌いだったが、幼児の時に出会ったお国ちゃんと小学生の時に出会ったお恵ちゃんとの友情とそこからほのかに恋心が芽生えた場面などは、まるで中嶋潔さんの絵の世界。  けれど、この主人公は弱々しいだけではない。繊細な神経は人の真実を見抜いてしまい、日清戦争で「大和魂、大和魂」と教師も生徒も盛り上がっているときに、「先生、日本人に大和魂があればシナ人にはシナ魂があるでしょう。…先生は敵を憐れむのが武士道だなんて教えておきながらなんだってそんなにシナ人の悪口ばかしいうんです」と楯突いた。そして“修身“の時間に「孝行」という言葉を百万べんも聞かされるので「先生、人はなぜ孝行しなければならないんです」と質問して教師を困らせもした。太平洋戦争の時代なら憲兵に捕まっていたのではないだろうか?この小説が発行された大正十年には大丈夫だったようだ。とにかく、こんなに冷静な見識が書かれていて良かった。  小さい頃育ててくれた伯母さんを訪ねていったとき、すっかり年老いて、目も悪くなった伯母さんが (抜粋) ひざのつきあうほど間ぢかにちょこんとすわって、その小さな目のなかに私の姿をしまってあの十万億土までも持ってゆこうとするかのようにじっとみつめながらよもやまの話をする。 という描写も「安寿と厨子王」の母との再会のシーンのようにジーンとくる。  灘高校で昔、橋本先生という国語の先生が教科書の代わりにこの小説だけを三年間かけて読み込む授業をされたという。  じっくり、ていねいに読んで、お口の中にキラキラと金平糖を転がすように味わって下さい。

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2023/08/16

明治時代の東京の下町を舞台に、病弱な少年の成長していく日常を描いた自伝的作品。 夏目漱石が「きれいだ、描写が細かく、独創がある」と称した、まさにそのままの作品。ほんとうに優しい文体で、少年の心情の表現が細かく為されている。数人の同年代の女子との交流が、章の区切りのような役割を果...

明治時代の東京の下町を舞台に、病弱な少年の成長していく日常を描いた自伝的作品。 夏目漱石が「きれいだ、描写が細かく、独創がある」と称した、まさにそのままの作品。ほんとうに優しい文体で、少年の心情の表現が細かく為されている。数人の同年代の女子との交流が、章の区切りのような役割を果たしていて、それぞれの対応によって少年の成長が実感できる。近代文学界のほっこり小説。 「お恵ちゃんは誰が自分をいたわってくれるかさえ知らずくやしそうに泣きじゃくりして人のするままになってたが、ようよう涙を止めて だれかしら というように袖のかげから顔を見合わせたときにさもうれしそうににっこり笑った。長いまつ毛がぬれて大きな目が美しく染まっていた。そののち二人の友情は、いま咲くばかり薫をふくんでふくらんでいる牡丹のつぼみがこそぐるほどの蝶の羽風にさえほころびるように、ふたりの友情はやがてうちとけてむつびあうようになった。」 「あわれな人よ。なにかの縁あって地獄の道づれとなったこの人を にいさん と呼ぶように、子供の情景が空をめぐる冷たい石を お星さん と呼ぶのがそんなに悪いことであったろうか。」

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2023/07/10

2回目。1回目は序盤で断念。 2回目も諦めそうになったけど読み進めて女の子が出てきたあたりから少し面白くなってきた。 んー、でもあまり刺さらなかった また自分が成長して読むと感じ方が変わるのかな 勉強をし始めたあたりの言い回しが好き。

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2023/03/28

美しい日本語に触れられる作品。「一つの表現に感動する」という体験が出来る。女の子との友情が芽生えていく様子を、牡丹のつぼみのほころびに例えた文章が、美し過ぎて、個人的に忘れられない。 明治時代の主人公の幼少期の何気ない日常の一コマ一コマなんだけど、時代を超えて現代にも通ずる懐か...

美しい日本語に触れられる作品。「一つの表現に感動する」という体験が出来る。女の子との友情が芽生えていく様子を、牡丹のつぼみのほころびに例えた文章が、美し過ぎて、個人的に忘れられない。 明治時代の主人公の幼少期の何気ない日常の一コマ一コマなんだけど、時代を超えて現代にも通ずる懐かしさをも感じた。読み継がれる理由が分かる。

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