銀の匙 の商品レビュー
夏休みに読みたい1冊。 大正時代に書かれた本なのに、田舎で育った私にはどこか懐かしさが感じられ、親近感が湧いた。 伯母の愛が泣かせる。 繊細で美しい文体。日本語っていいなぁと初めて感じたのでした。
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夏目漱石に絶賛され、灘中学校の橋本武氏が国語の教科書として教えた小説。…ということでミーハーな気持ちから読んだ。文章には独特の表現があり、ひらがなが多めで、読点が少なく一文が長い。風景、遊びなどの描写が細かく、その描写の中に主人公の成長が所々に入っている。蚕の話が良かった。叔母さ...
夏目漱石に絶賛され、灘中学校の橋本武氏が国語の教科書として教えた小説。…ということでミーハーな気持ちから読んだ。文章には独特の表現があり、ひらがなが多めで、読点が少なく一文が長い。風景、遊びなどの描写が細かく、その描写の中に主人公の成長が所々に入っている。蚕の話が良かった。叔母さんとの再会の場面は悲しい。面白い話というわけではない。美しいと言われる文章は独特な感じで最初は読みづらかった。主人公もえらく感傷的でウジウジした感じがあまり好ましくなかった。肝心の美しい描写に書かれていることも私には古い時代の話なので共感できるところが少ないからこういう感想になるのも仕方ないのかもしれない。
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日本語の美しさが心に沁みる作品。 主人公の□ぽんの成長し大人になった視点からの一人称で語られていく。 幼児期の物ごころつく前後から17になるまでの思い出の数々が色鮮やかに輝く宝物のようである。 その少年時代を象徴しているのが、小箱にはいった銀の匙。 それは、亡くなった伯母さんとの...
日本語の美しさが心に沁みる作品。 主人公の□ぽんの成長し大人になった視点からの一人称で語られていく。 幼児期の物ごころつく前後から17になるまでの思い出の数々が色鮮やかに輝く宝物のようである。 その少年時代を象徴しているのが、小箱にはいった銀の匙。 それは、亡くなった伯母さんとのかけがえのない思い出の品でもある。 主人公は病弱で臆病で甘えたで我儘の金持ちの坊。 最初はなんとなくあまり好きになれなかったんだけど、感受性の豊かさゆえにこの時代の男子としては生きにくかったろうと思えば嫌いにもなれず。 子どもならではの浅はかさと子どもとは思えない思慮深さが共存するかのような不思議なアンバランスさが魅力でもあるのかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
灘高の授業で使われていたこと(今も使われているのか?)で有名な本。授業の本も出ているので合わせて読みたい。 時代が明治大正あたりなので今は使われていない言葉で詰まり気味になった。大体注釈が付いているがやはり場面の想像には限界があった。明治の時代をもっと包括的に知っていないと厳しい。物語の構成よりは場面ごとに主人公の心境の描写を楽しむものかな。
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