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こちらあみ子 の商品レビュー

3.9

459件のお客様レビュー

  1. 5つ

    107

  2. 4つ

    172

  3. 3つ

    119

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    5

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2024/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「こちらあみ子」 発達障害と、それに向き合ってうまくコミュニケーションがとれずに苦しむ家族の話。 たぶん、端的に言えばそうなる。 だけど、発達障害とかカサンドラ症候群なんて病気をこしらえずに語るなら、自分たちの属する「集団、組織」が、自分たちの主観で「絶対的正義」と信じている「思考や習俗」から外れたものを無意識に排除する、息苦しい物語。 排除されたものは〇〇障害とか〇〇症候群なんて名前がついて、より一層生きづらくなる。 発達障害は脳の個性。 「ピクニック」 あみ子と対比させると、こちらはわかりにくいオブラートに包んだ感じの歪んだ排除だ。 2回目でまったく違うふうに読める物語で、よく考えると、語り部もルミというよりは「ルミ集団」というように感じる。相手の嘘を許容して、自分たちの世界観を押し付けることへの怖さ、とか、そうして作られる一体感みたいなものの気味悪さとか。「ルミ集団」が自分たちの主観に基づいて絶対的善として、それを行なっているようなので、偽善とも違う。 それでいて、相手のことを真剣に考えて心配するということはない。それは、七瀬さんが副乳を心配して皮膚科に行こうとする場面で表出する。

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2024/05/06

無邪気と無知が生む罪 上記を理解し接してくれる暖かい社会や家族はない それ故、主人公の振る舞いを理解できる人がおらず モラル欠如で腹正しさも湧いてくる 言語化や理解が難しいお話 単純に主人公が幸せならばよい(のはずだ)で結論づけれない。 難しすぎるが、なぜかこの本を読んで良か...

無邪気と無知が生む罪 上記を理解し接してくれる暖かい社会や家族はない それ故、主人公の振る舞いを理解できる人がおらず モラル欠如で腹正しさも湧いてくる 言語化や理解が難しいお話 単純に主人公が幸せならばよい(のはずだ)で結論づけれない。 難しすぎるが、なぜかこの本を読んで良かったと感じ、モヤモヤしたものが心に残り続けている

Posted byブクログ

2024/04/21

あみ子の結末、素敵だと思ったけどそういうもんでもないのか。最後の話は読んでからまた読んだ。何回も何回も読み返したい。薄い本なのに、世界が広がりすぎている。こんな本初めてだ、出会えて良かった。

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2024/04/14

収録作品 ・こちらあみ子 ・ピクニック ・チズさん 「星の子」に続いて読んだ本。 正直な感想は、とても残酷な話だと思いました。 あみ子がこの先受けるであろう苦労とか、仕打ちとか、今以上に辛い事(あみ子自身は辛いとか、不幸とか思わないかもしれないけど)が待ち受けていると分かる……...

収録作品 ・こちらあみ子 ・ピクニック ・チズさん 「星の子」に続いて読んだ本。 正直な感想は、とても残酷な話だと思いました。 あみ子がこの先受けるであろう苦労とか、仕打ちとか、今以上に辛い事(あみ子自身は辛いとか、不幸とか思わないかもしれないけど)が待ち受けていると分かる……読み終わった後の後味の悪さに、何とも言えない気分になりました。 こんな残酷な話を、作者は淡々と書いている……酷い話なのに、淡々としていて、話の中に酷さが軽減されている……そう書けるのは、作者の実力が凄いのだろうと思いました。 「ピクニック」も切ないし、「チズさん」はちょっと恐怖でした。

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2024/04/06

ページ数は少ないし、すごく読みやすい。 サクサク読める。 だけど一気読みはできませんでした。 収録の3作品とも重要なことが明示されてないから 注意深く読むし、考えながら読む。 だからこそ読み終わるとなんだか頭も心も ズシンッとくる。 そんな内容だけど笑っちゃう文章表現もたくさん...

ページ数は少ないし、すごく読みやすい。 サクサク読める。 だけど一気読みはできませんでした。 収録の3作品とも重要なことが明示されてないから 注意深く読むし、考えながら読む。 だからこそ読み終わるとなんだか頭も心も ズシンッとくる。 そんな内容だけど笑っちゃう文章表現もたくさん。 素晴らしい読書体験できた。と思える作品。 繰り返し読みたくなるし、 「こちらあみ子」、「ピクニック」は Youtubeで斉藤紳士さんが 考察しててすごくしっくりきました。

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2024/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・こちらあみ子 あみ子は発達障害なんだろうけど、それを指摘されるようなことはなく、純粋が故に周りを変えてしまう。 可哀想だけど可哀想すぎないのは、あみ子が誰かを意図的に傷つけたりしないのと、傷つけられても鬱々とした気分に陥らない(悪意に気付かない)からかな。 トランシーバーで返事がなかったり、弟か妹か教えてもらえなかったり、"いつもひみつにするのね"って切ないよ、、、! ・ピクニック 七瀬さんの虚言恋愛を楽しんで馬鹿にしてるルミたちが怖すぎる…。自覚がないってタチ悪い。 直球の悪意だけど新人のほうがマシ。 花束の中で言ってた「何も感じない人」っていうのは、「自覚なく他人を傷つける人」じゃないかな。 ・チズさん 謎が多い… 財布の中身が増えてるとか、みかんがお腹に置かれてるとか、他にも誰か出入りしてる痕跡がある。 一番怖かったのは、誕生日のケーキの場面で、私が床を鳴らすところ。 考察を色々探したけど、私=空き巣・二面性というのが一番しっくり来た。

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2024/03/29

三作ともとても刺さった。痛々しい。 もやもやさせられる、これってこういうことだよね‥?こうだったらやだな、、が蓄積した。 語り手が正しいことをいうとは限らない。

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2024/03/09

まっすぐすぎるが故に周りから受け入れられず孤独を強めるあみ子。彼女はこれからどうなっていくのか...気になるようなならないような(正直) 不思議な空気感をまとった短編たちでした。

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2024/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語の中で名言されることはなかったけど、あみ子はいわゆる発達障害の子なんだろうなと思う。周囲との意思疎通や「空気を読む」ということができなくてお母さんをはじめとした周囲の人が疲弊してしまう。お父さんは優しいけどあみ子ときちんと向き合う気はなさそうだし、お母さんは義理の娘に寄りそおうとした瞬間もあったけどある出来事で限界を迎えてしまい、お兄ちゃんも優しい人なんだと思うけれど思春期の男の子が背負うには苦しすぎて現実から逃げ出してしまう。状態に名前をつけてあげることって、差別とかではなくて大切なことだ。こういう特性がある子だよ、こう接するといいよ、って言ってもらえたら周囲や本人も救われる部分が多いと思うし。あみ子が大人になる過程でそういう機会があって、少しでも生きやすくなれたらいいなと思った。 先日、映画化した作品も観たけれど、あみ子に見えている世界の一部がおばけなんてないさの曲と一緒にポップな映像として表現されていたり、あみ子と周囲の対比は残酷だけど全体的に暖かい雰囲気の作品でよかった。となりの席だった坊主頭の子は唯一あみ子ときちんと向き合って対話してくれた子なんだよなあって改めて思って、彼に幸あれ…!という気持ち。

Posted byブクログ

2024/03/05

読み終わってまず、このタイトルが改めていいな、と思いました。 一度目を読み終わって、これっていったいどういう小説なの???という感じ。 で、とりあえず連れに「これ読んで感想聞かせて」と薦めた。 二度目に読んで、なんだかひどく切なくなってしまった。そんな作品。

Posted byブクログ