平凡 の商品レビュー
「もうひとつ」の人生なんかない、あるのは今とそれ以外。手のなかにある数え切れないもしを「こともなし」の日々の先に捨てられるときがくるだろうか。「いつかの一歩」がその後を決めていくんだろう。私と同じく「平凡」に今日を生きてくれていることを願っているのかもしれない。…やっぱり上手い!
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たられば、は言い出したらキリがないけど、誰もが人生の中で思うことはあると思う。身近でありそうで、なさそうで、不思議な気持ちになった。
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「こともなし」と「どこかべつのところで」が好きだった。 「こともなし」は娘への愛情の気持ちが泣きたくなると表現してたところ。 実際私もそうだ。今一緒にいないから尚更なのだが子供の事を思うと泣きそうに胸が締め付けられる。 同じように「どこかべつのところで」の依田さんの気持ちも痛い...
「こともなし」と「どこかべつのところで」が好きだった。 「こともなし」は娘への愛情の気持ちが泣きたくなると表現してたところ。 実際私もそうだ。今一緒にいないから尚更なのだが子供の事を思うと泣きそうに胸が締め付けられる。 同じように「どこかべつのところで」の依田さんの気持ちも痛いほどわかる。 1秒や1分じゃないけど、あの時あ~していたらと思い悩む日々。 角田さん、やっぱりうまいな。好きだな~
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短編集、6編。 今の生活が過去のある一点の岐路で違っていたかもと想像する、切ないような思いとあきらめにも似た現在の肯定。切り取って来た場面の心情描写がとても上手いです。居酒屋トラを始めた『いつかの一歩』が良かったです。
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読みながら、平凡な人生を歩んでいる自分にもあった数々の人生の岐路を思い返し、切なさが胸に込み上げてきた。最後の短編「どこかべつのところで」に出てくるもしもは読んでいても辛すぎて悲しい。
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文章力もシチュエーションへの共感も高いんだけど、「あのときこうしていたら」というテーマの繰り返しに、ちょっとうんざりしてしまう。決して後ろ向きなたらればじゃないんだけど、それでもその時を振り返ることがあまりないわたしにとっては、そのテーマ自体が受け入れがたかったのかもしれない。
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2014.8.1読了 もうひとつ…結婚式で知り合った既婚の友達同士がついてきた旅行で起こったトラブル。 月が笑う…妻に一方的に離婚を言い渡される。 こともなし…結婚直前に浮気され、今の夫と結婚。ブログで毎日の生活をUPしている聡子。結婚したから愛するということなのか。 いつかの一...
2014.8.1読了 もうひとつ…結婚式で知り合った既婚の友達同士がついてきた旅行で起こったトラブル。 月が笑う…妻に一方的に離婚を言い渡される。 こともなし…結婚直前に浮気され、今の夫と結婚。ブログで毎日の生活をUPしている聡子。結婚したから愛するということなのか。 いつかの一歩…以前付き合っていた女性がする店に行くバツイチの男。うまくいかなかった結婚となぜその女性と結婚できなかったのか、結婚していたら幸せだったのか考える。 平凡…平凡な生活を送る私と料理研究家として成功した友。恋が破れた友の願いは…。 どこかべつのところで…ちょっとした油断から飼い猫が逃げてしまった庭子。探すためのチラシをみた依田愛から連絡をもらう。ああしなかったら猫は逃げなかったと悔む庭子に依田愛も自らの悔恨にとらわれた過去を話す。 最後の作品がすごく印象に残った。あの時にああしなければどうなったか…悔やんでも悔みきれない気持ちがひしひし伝わる作品だった。
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あの時ああしていれば..あの時ああじゃなかったら...という仮定の先にあったはずの、今とは別の人生を共通のモチーフとした短編集。ただ個々の話は面白いものの、同じテーマ下にあるとどうしても似通って感じられてくる。"今とは別の人生"はどうしたって、どう描いたって想...
あの時ああしていれば..あの時ああじゃなかったら...という仮定の先にあったはずの、今とは別の人生を共通のモチーフとした短編集。ただ個々の話は面白いものの、同じテーマ下にあるとどうしても似通って感じられてくる。"今とは別の人生"はどうしたって、どう描いたって想像でしかないわけだから。結果として一編一編の印象は薄れるけど、それでも読み手にもふと"今以外の人生"を想像させるのであれば、それも含めて著者の力量なんだろうな。
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新聞の書評欄で知り、図書館で借りて読みました。 現実離れしていないお話ばかりで、面白くて、一気に読みました。 「もし、あの時、違う選択をしていたら。」という妄想は、何度もしたことがあります。
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思い通りにいかないことや、嫌なことがある と誰しも考えてしまう。 人生の選択肢を間違えたのではと。 そこらへんのところをうまくツボを押さえて てどの章も満遍なく良かった。 特に最後の「どこかべつのところで」は 切なくてグッときた。 取り返しのつかないことって辛いわ。
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