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ちーちゃんはちょっと足りない の商品レビュー

4.1

85件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2017/10/05

奇才、阿部共実さん。 氏の作品の特徴の1つである、人間が秘めた心の闇、黒さに特化した作品。 最初は頭が足りないどころか、頭が弱すぎるちーちゃんを中心とした おバカな青春物だとおもったけど、 空が灰色だからの鬱回のみを煮詰めたような話にどんどん移行して 最終的には胸糞悪い終わり方で...

奇才、阿部共実さん。 氏の作品の特徴の1つである、人間が秘めた心の闇、黒さに特化した作品。 最初は頭が足りないどころか、頭が弱すぎるちーちゃんを中心とした おバカな青春物だとおもったけど、 空が灰色だからの鬱回のみを煮詰めたような話にどんどん移行して 最終的には胸糞悪い終わり方で〆るのが、良くも悪くも素晴らしくないね。 全ては裏表紙で笑ってる青い糞リボン、糞リボンが悪い。 胸糞悪いけど、胸糞悪いなりに名作なのが悔しいな。 名作だけど二度と読み返したくないね、心が痛むから。 1巻で終わりだけど、続きが凄く気になるなあ。 ちーちゃんはまっとうに成長して、生きて行けるのだろうか? どこかで誰かが糞リボンから解放してあげないと、人生悲惨だぞ・・・

Posted byブクログ

2017/09/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

怖かった…ちーちゃんがお金をナツに渡すあのコマがずっとトラウマみたいに忘れられない。ラストは理解がやや追いついていないけど完璧に理解しない方がきっとわたしにとってはいいのかな、と思ったり。

Posted byブクログ

2017/08/24

主人公はクズだ。 語弊を恐れず断言するが、思春期の自意識と不公平感ばかりが肥大した実にリアルで、自分の黒歴史を蒸し返されてあちこち痒くなるようなタイプのどこにでもいるクズ。何故なら主人公のナツは自嘲と自虐はしても自省と自戒は絶対しない。自分の言動を反省し周囲に申し訳ないと装うモノ...

主人公はクズだ。 語弊を恐れず断言するが、思春期の自意識と不公平感ばかりが肥大した実にリアルで、自分の黒歴史を蒸し返されてあちこち痒くなるようなタイプのどこにでもいるクズ。何故なら主人公のナツは自嘲と自虐はしても自省と自戒は絶対しない。自分の言動を反省し周囲に申し訳ないと装うモノローグも、結局の所ケチな自尊心を守るためのフリでしかないというのが後の描写で浮き彫りになる。 同じ団地に住む幼馴染のナツとちーちゃん。中3になっても割り算もまともにできないおバカなちーちゃんを内心見下し、もっと上のランクの友達が欲しいと望んでいたナツ。 その「何かが足りない」「本当は自分はもっと高い所へいけるはずだ」という不満が過剰なまでの饒舌さで語られる。ナツのモノローグは自嘲と自虐、現状への不満で埋め尽くされ、致命的に周囲への想像力を欠いている。 あとほんの少し想像力を働かせて、近しい友人や家族への思いやりを持てば変われるのに、現状を蔑ろにし楽な方へ易き方へ無難に流されてばかりのナツは決してそれをしないのだ。 彼女にも同情すべき点はある。が、それをさしひいても擁護はできない。彼女は恐らく旭ちゃんが離れていった本当の理由も見えず、ちーちゃんを独占してひと時の安息を得るはずだ。 そしてそこそこの高校へ進み、中学の時と同じ失敗はしないと無理して背伸びし、新しい友人を優先しちーちゃんを蔑ろにする。そんなナツでもちーちゃんは赦すのだろう、多分。何度裏切られても繰り返し笑って迎えるのだろう。友達だから。大好きだから。そんなしょうもないナツの友達……もとい無条件の逃避先でいてあげられるのは「ちょっと足りない」ちーちゃんしかいないから。 足りないもの同士が足りないものを補い合おうとする行為を人が共依存とよぶのだとしても。 しかしナツにはちーちゃんしかいないが、ちーちゃんにはナツしかいない訳じゃない。 おねえや旭はじめよき理解者に恵まれているちーちゃんが、あえてナツの友達でい続けてくれている理由に、ナツ自身が向き合う日はくるのだろうか。

Posted byブクログ

2017/07/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 スピリッツで連載している『月曜日の友達』の凄まじい才気の爆発ぶりに驚いて、とんでもない新人が現れたと思ったらけっこうベテランだった。この漫画は、知的障害の女の子が主人公で、非常に戸惑ったのだが読んでいくと友達のチエが心の闇の更に奥深くまで覗きこむような展開にびっくりした。表現の違う形で才気が爆発していた。最後のお互いに名前を何度も何度も呼び合って気持ちを通わせるところは、よくオレが運転していると子供が何度も何度も「パパ」と呼びかけて「はいよ、うーちゃん、なあに?」と返事するのを思い出して涙が出た。  友達のメガネの子やヤンキーの子みたいにまっすぐ生きられたらそれはいいし、チエみたいなのがリアルだけど、彼女らも見えないところで闇を抱えているかもしれない。そんなことを肌に触れるように感じさせるすごい漫画だった。  ちーちゃんがいなくなって、ナツが探し回ってうろうろするクライマックスの展開のクールなこと、かっこいい。これを通した編集者もすごい。

Posted byブクログ

2017/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【ネタバレあり】 女子中学生のゆるふわ日常漫画かと思いきや、とんでもない闇深漫画だった。 2015年このマンガがすごいオンナ編の1位ということですが、たしかにすごい。好きか嫌いかはさておき。私は嫌いじゃなかったです。ナツの抱える鬱屈や劣等感、周りに置いていかれているという焦燥感から、自分と同じ「足りてない」ちーちゃんに依存していく……私たちずっと友達だよね、って。自分も中二時分にだいぶ身に覚えのある感情だったから、ゴリゴリ神経抉られた。誰しもこういう感情は多かれ少なかれ持ってるんじゃないかなぁと思う。大人になった今でもきっと。 ナツの犯した罪に罰や許しは与えられず、罪悪感を抱えたままちーちゃんにさらに依存していくことで救いを求めるという、なんとも闇深エンドだ…。未来が狭いと嘆く中学二年生の少女が、このままずるずると闇に落ちて行かず、その感情をうまく飼いならせるようになればいいんだけどな。 はじめて読んだ漫画家さんだけど、繊細な背景の描写や丸っこくて可愛らしいキャラが突然ぐにゃっと歪んで荒々しいタッチにかわる、その狂気じみたギャップが、結局好きです。

Posted byブクログ

2016/11/24

武富健治の『鈴木先生』にも別の形で描かれていたけど、問題児でも優等生でもなく「普通の子」の抱えるーただし描かれることがなかったー悩みや問題がここにはある。 『鈴木先生』では、とかく問題児というのは良かれ悪かれ目立ってそして特段面倒をみなければならない存在なのだけど、それで悩みを...

武富健治の『鈴木先生』にも別の形で描かれていたけど、問題児でも優等生でもなく「普通の子」の抱えるーただし描かれることがなかったー悩みや問題がここにはある。 『鈴木先生』では、とかく問題児というのは良かれ悪かれ目立ってそして特段面倒をみなければならない存在なのだけど、それで悩みを持っているのに先生に気付いてもらえなかったり気付いてもらえても手が回らずにいるなど割りを食うのは「普通の子」だと描かれていたけれど。 こちらの作品ではウサギとカメのような話をベースに更に追い討ちをかけるようなリアルさで心を蝕んでくる。名作ではあるけれど、後味が悪くてもう読みたくはないという気持ちがしてしまうけれど、またいつか読む日のために手元に置いておきたい一冊。

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2016/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

都会ではない普通の町に暮らす、中学2年生のちょっと足りないちーちゃんと普通のなっちゃん、斜に構える旭ちゃん他クラスのみんな、お姉ちゃんたちの日常を描く。 前半は普通の毎日、そこから少し歪んで、それぞれに変化を生む。 不安感がヒリヒリきて、ちょっと怖い、それがこの作品の味かもしれない。

Posted byブクログ

2015/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

皆何かが満ち足りていなくて、それをどうにかやり過ごして、あるいは消化できずに生きている。そこから変わろうとする者、変わりたくなくて周りを巻き込む者など三者三様。相変わらず人間の嫌らしい部分をエグイまでに表現する作家さんだなと思った。ナツ…怖いよ…。

Posted byブクログ

2015/12/07

読む前と読後の感情がこんなに忙しい作品があるのだろうか。なんとも暗い気持ちになる。後味はとても悪い。足りないものを数えたらきりがないけど、数えてしまうのが人間だと言われているようなきがする。なにも考えないことが幸せとも限らないし。どちらがしあわせだろう。

Posted byブクログ

2015/12/06

ちーちゃんとナツのちょっと足りなくて満たされない感じがよく出ていたなと思いました。説明するのは少し難しい内容だけどほっこり出来るしダウナーな所もあり面白い作品です。共依存の関係の二人がこの先も一緒に笑って楽しく過ごせるのか…二人は幸せになってほしいです

Posted byブクログ