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子は親を救うために「心の病」になる の商品レビュー

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52件のお客様レビュー

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2020/10/18

体系的・学術的ではなく、カウンセリングの事例から、様々な心の病の原因・根本を探り出そうとした本。 良くできた小説のように文章が読みやすいため、ふんふんと納得してしまう。しかし「良く出来すぎている」ため、一方で嘘くささも感じる。「宇宙期」といったオリジナル用語もあって、スピリチュア...

体系的・学術的ではなく、カウンセリングの事例から、様々な心の病の原因・根本を探り出そうとした本。 良くできた小説のように文章が読みやすいため、ふんふんと納得してしまう。しかし「良く出来すぎている」ため、一方で嘘くささも感じる。「宇宙期」といったオリジナル用語もあって、スピリチュアルな疑似科学な面も否めない。 作者自身、カウンセリングの現場では理論は通用しない、と言っている。まだまだ十分に体系化されていない精神医療の分野で、一つの知見を与えてくれる書ではないだろうか。

Posted byブクログ

2020/08/01

読書が好きだが、一冊の方を通して読む時間がなかなか取れない。 そんな中、久々に休むことなく一息で読了。 内容に一気に引き込まれたというのも大きいが、その時間を取れたことも含め、読書というよりも、まさに本書にある通り「自分自身の感情の確認作業」をしていたのだと思う。 分析的に読ん...

読書が好きだが、一冊の方を通して読む時間がなかなか取れない。 そんな中、久々に休むことなく一息で読了。 内容に一気に引き込まれたというのも大きいが、その時間を取れたことも含め、読書というよりも、まさに本書にある通り「自分自身の感情の確認作業」をしていたのだと思う。 分析的に読んでいるようで、実は小説のように読んでいたのかもしれない。 「両方」というフレーズがここ彼処に出てくるのも心地よかったのだろう。 取り止めもない感想ではあり、共感は得にくい文面となったが、読んで清々しい気持ちになれると思う。お勧めしたい本の一冊となった。

Posted byブクログ

2020/07/15

「永遠なのか本当か時の流れは続くのか」 「いつまで経っても変わらないそんな物あるだろうか」 「見てきた物や聞いた事いままで覚えた全部でたらめだったら面白い」 「そんな気持ちわかるでしょう」 「答えはきっと奥の方心のずっと奥の方」 「涙はそこからやってくる心のずっ...

「永遠なのか本当か時の流れは続くのか」 「いつまで経っても変わらないそんな物あるだろうか」 「見てきた物や聞いた事いままで覚えた全部でたらめだったら面白い」 「そんな気持ちわかるでしょう」 「答えはきっと奥の方心のずっと奥の方」 「涙はそこからやってくる心のずっと奥の方」 『情熱の薔薇』ブルーハーツ 読了後、そんな歌詞が思い浮かんだ。 人は、生存に必要な“生命システム”を備えて生まれ、人間関係を構築する上で必要な“心理システム”を‪後天‬的に親から学ぶ。“心理システム”は心理的発達段階の乳幼児期→学童期→思春期→成人期を経て完成する。 学童期までは親のシステムをコピーして学ぶ。思春期には親以外の人からも生き方を学ぶようになり、それまでのシステムを修正するようになる。こどものシステムは親のコピーなので、親もシステムの修正を迫られることになる。おそらくこの修正の過程が「心の病」だといっていいだろう。病には程度の差がある。そして修正がうまくいかないと病を長引かせることになる。こうして、“心理システム”はいったん完成し成人期に至る。結婚して配偶者を持った時、こどもが生まれた時、こどもが思春期になった時などにまたシステムの修正を迫られる。 このような発達段階に従った「普通」の“心理システム”をもつ親子が「心の病」をどのように克服していくのか?それを第1章、第2章で事例を挙げている。 虐待を受けて育ったこどもの“心理システム”は「普通」のものとどう違うのか?第3章で被虐待者の事例を挙げ、「普通」との違いとその克服を書いている。 そして、親からまったく学べず、そもそも“心理システム”がないまま大人になった事例を第4章で挙げている。このような人に解決はあるのか? “心理システム”が構築できなかった人や、「普通」のシステムを持っていても人生に大きな出来事が起こったために陥る心理状態があり、それらは成人期の次の段階を想定しなければ説明がつかないと著者はいう。 この本は、自分の人生や今の状況を良い意味で震撼させる本となりました。人生の問い直し期間にいる私にはまだまだ混沌としたところがありますが、何かヒントを与えられたような気がします。 『愛着障害』や『母という病』の岡田尊司さんの著書をもう一度読み直さないといけないと思いました。両者の著書は補完しあうような共通点があり、納得することが増えそうです。

Posted byブクログ

2020/01/27

自分が今している子育てが子供たちの未来にどれほど影響を及ぼすか改めて考えさせられる良本。それと同時に自分と両親との関係を再考するきっかけも与えてくれた。先生のカウンセリングを是非受けてみたいと思った。きっと自分の理解が進むと思う。

Posted byブクログ

2020/01/23

心を患っているいないに関わらず、全ての親、大人に読んで欲しい名著です。 心の病は、それ自体が悪いものなのではなく、その人を救い出すために体が発するシグナルなのですね。『風邪の効用』の心版といったところでしょうか。

Posted byブクログ

2019/11/18

大なり小なり、どの親子にも当てはまる心の関係性が切実に伝わって来た。親は子に自分の成長期の経験から子に接する。それは自分が子供の頃、親からされたことだったり、その逆だったりする。それが自分の子供にとって良いことだと思っている。しかしその大半は親のエゴだったりする。親になるというこ...

大なり小なり、どの親子にも当てはまる心の関係性が切実に伝わって来た。親は子に自分の成長期の経験から子に接する。それは自分が子供の頃、親からされたことだったり、その逆だったりする。それが自分の子供にとって良いことだと思っている。しかしその大半は親のエゴだったりする。親になるということをもっと理解し、子供の反応は親の側面を表したりしていることなど、もっと夫婦で勉強しておく必要があった。

Posted byブクログ

2019/10/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

非常にダイレクトなタイトル。このタイトルを見て本書を手に取る人は、このタイトルにピンとくる何かがある人がほとんどだろう。 それは自分や自分の身近に「心の病」になった子どもがいるか、あるいは職業としてセラピーやカウンセリングに携わっているようなケースが多いのではないだろうか。 本書の著者は精神科医であり、現在クリニックを開業し、カウンセリングを自ら行い、カウンセラーのスーパービジョンにも取り組まれている。その真剣な取り組みの中から得られた確信(真実)を本書で体系的に述べられている。 5章構成で各章に臨床事例が紹介されているが、読者から「この1章は我が家と同じ」とか、「2章は自分と同じ」とかのコメントを寄せられるようで、それは内容の正しさを裏付けるものであると思う。 著者は生まれた時から赤ちゃんに備わっている体の機能(食べる、寝る、泣くなど)を「生命システム」と呼び、これから地球に適応するために学んでいくであろう心の機能を「心理システム」と呼び、その「心理システム」がうまく構築されなかった場合に、「心の病」になると分析された。 その「心理システム」の構築過程を①乳幼児期(0~3、4歳)、②学童期(3、4歳~12歳頃)、③思春期(12~20歳頃)、④成人期(20歳頃~)とし、そのプロセスがうまく行かなかった場合に子どもが「心の病」となることを説明している。著者の説が特徴的なのは、その後に⑤「宇宙期」を設けている点だ。 これらのプロセスがうまく行かないのは「親」のかかわり方による。両親が不和であったり、親が自らの人生で行ってきた我慢をそのまま子どもに強いたり、親が自分の人生でできなかったことを子どもの人生に押し付けたりすると、このプロセスで歪が生じ、登校拒否や引きこもり、摂食障害となるケースが多い。 このような症状を発生する子どもたちは、その親の歪を正すために「心の病」になるのだという。従って子どもの病を治すためには、親は自らの歪みに一分一秒でも早く気付き、自らの歪みを治していく決意をし実行していかねばならない。 最近TVで事件として報道されるケースが多くなってきた「虐待」のケースについても分析されている。「虐待」として著者は、①身体的虐待、②性的虐待、③心理的虐待、④ネグレクト(育児放棄)を挙げている。これは世代間で連鎖する。 虐待をすることはいけないと意識していても、その場面になると虐待をしてしまう。なぜそうなってしまうのかが示されている。それは善悪が逆転してしまうからだそうだ。 虐待されると、「悪に耐えるのが善」「善を求めることが悪」となってしまうという。この気付きと補正は難しけれども、治療により補正されることが必要である。 「心の病」になって親を助けようとしている子どもを苦しみから解放するためには、親が自らの歪に本当に気付き正さねばならない。更に言うなら子どもが「心の病」とならないように親が自らの歪を未然に防がねばならない。それには親からの連鎖に気付く必要がある。 そういう意味で、本書は予備軍かもしれない親、すなわち全ての親が読んでおく必要のある本であると思う。

Posted byブクログ

2019/10/01

タイトル通りというわけではなく、親に起因する心の病は多いのだな…と。 同じ親に育っても病む子もいればそうでない場合もあり、すべての人に当てはまりはしないけど、ある意味的を射ているように思う。 本人の資質や環境、いろんな要因がある。 でもこうして、聞いてもらい、苦しみを分かってもら...

タイトル通りというわけではなく、親に起因する心の病は多いのだな…と。 同じ親に育っても病む子もいればそうでない場合もあり、すべての人に当てはまりはしないけど、ある意味的を射ているように思う。 本人の資質や環境、いろんな要因がある。 でもこうして、聞いてもらい、苦しみを分かってもらうことは大事だとかんじた。

Posted byブクログ

2018/10/24

子は親を救うために「心の病」になる。高橋和己先生の著書。子供は心の病や精神疾患にかかるのは自分の身を守るためではなく親を救うため。非常識な親、愛情不足な親、過干渉な毒親に苦労して悩んでいる子供たちは少なくないと思います。すべての子供たちが幸せに前向きに生きられるような社会であって...

子は親を救うために「心の病」になる。高橋和己先生の著書。子供は心の病や精神疾患にかかるのは自分の身を守るためではなく親を救うため。非常識な親、愛情不足な親、過干渉な毒親に苦労して悩んでいる子供たちは少なくないと思います。すべての子供たちが幸せに前向きに生きられるような社会であってほしい。

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2018/03/10

2018.3.3市立図書館 精神科医による著作。普通の親子に訪れる引きこもりや摂食障害、虐待を受けるこどもの心理、そして発達障害のある親のもとで育って「親」を知らない子の心理、と具体的なカウンセリングのケースを通じて、親と子の間の心理的な問題がどのように葛藤し解決に向かっていくの...

2018.3.3市立図書館 精神科医による著作。普通の親子に訪れる引きこもりや摂食障害、虐待を受けるこどもの心理、そして発達障害のある親のもとで育って「親」を知らない子の心理、と具体的なカウンセリングのケースを通じて、親と子の間の心理的な問題がどのように葛藤し解決に向かっていくのか知ることができる。子は親の鏡なんだなぁと改めて思う。最後は幼児期から成人期まで問題なく発達した上での「宇宙期」について、そしてカウンセリングの本質は「ただ聞くだけでいい」「理論は通用しない」の二つに尽きるということ。話をして人に聞いてもらうことの意味、悩みの「解決」だけが目的なのではなく、ただ聞いて「存在」を確認し合うのがカウンセリングの本質だというのはわかると思った。 自分の来し方をいろいろ思い返しながら読んだ。

Posted byブクログ