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ここは退屈迎えに来て の商品レビュー

3.8

160件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    64

  3. 3つ

    37

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2023/01/21

何回も読んでる。 はじめて読んだとき、わたしも「最悪の田舎」から出てきた人間で、椎名くんは当時の好きだった人によく似ていたから、誰よりわかり合える分身に出会えた気がして救われた本。 自分の考えているモヤモヤが言語化されるというのは、絡まっていた糸が解けるようだと思う。その瞬間...

何回も読んでる。 はじめて読んだとき、わたしも「最悪の田舎」から出てきた人間で、椎名くんは当時の好きだった人によく似ていたから、誰よりわかり合える分身に出会えた気がして救われた本。 自分の考えているモヤモヤが言語化されるというのは、絡まっていた糸が解けるようだと思う。その瞬間を待ちわびて、いつも本を読んでいる。気がする。

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2023/01/10

山内マリコさん2冊目。 ここに出てくる女の子達と、環境は違うんだけど懐かしい様な、妙に共感出来ちゃう様な、短編集。 椎名くんがあっちにもこっちにも出てくるから、うちの学校で言ったらあの人な感じだなとか思いながら楽しめた。 結局どこに住んでてもみんな同じ様な悩みを抱えてるんじゃ...

山内マリコさん2冊目。 ここに出てくる女の子達と、環境は違うんだけど懐かしい様な、妙に共感出来ちゃう様な、短編集。 椎名くんがあっちにもこっちにも出てくるから、うちの学校で言ったらあの人な感じだなとか思いながら楽しめた。 結局どこに住んでてもみんな同じ様な悩みを抱えてるんじゃないかな。

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2023/01/05

これほど共感した本は未だかつてない。 東京に憧れる地方出身(結婚適齢期)の私の思いを、そのまま代弁してくれている本。

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2022/12/23

生まれながら田舎に住んでいて、狭い世界で窮屈で退屈な人生を送っている女性の短編集。自分はどちらかというと都会に住んでいるので、田舎の車事情や就職するタイミングでの上京等を、全く経験してこなかった。読む中で自分と全く異なる人生を体験している感覚があっておもしろかった。

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2022/09/19

やがて哀しい女の子が1番好きだった。少女から大人になるまでの2人の女性の心の機微が表現されていて、少し切ないけどそれが自然な形なんだな、と感じた。

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2022/09/02

閉塞感漂う地方の高校生や卒業してからの若者たち。 彼ら彼女らの思い出の中にいる椎名君。 その宝物のような想いが有るからショボい現実に向き合える、みたいな。 作品紹介・あらすじ そばにいても離れていても、私の心はいつも君を呼んでいる-。都会からUターンした30歳、結婚相談所に駆け...

閉塞感漂う地方の高校生や卒業してからの若者たち。 彼ら彼女らの思い出の中にいる椎名君。 その宝物のような想いが有るからショボい現実に向き合える、みたいな。 作品紹介・あらすじ そばにいても離れていても、私の心はいつも君を呼んでいる-。都会からUターンした30歳、結婚相談所に駆け込む親友同士、売れ残りの男子としぶしぶ寝る23歳、処女喪失に奔走する女子高生…ありふれた地方都市で、どこまでも続く日常を生きる8人の女の子。居場所を求める繊細な心模様を、クールな筆致で鮮やかに描いた心潤う連作小説。

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2022/08/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

富山県出身で地元では有名な作家の方。 5年ほど前は、いろんなところで姿を見たような気もするが、一時期よりは少し落ち着いたかな。 この本が出たのが10年前なので、ずいぶん経ってから読んだことになる。 最近、山内マリコさんの文章を見ることがあって、ジェンダーに関する意見も多い。 そんなこともあり、この本をこの前、古本市で見つけたので読んでみた。 8つの話が組み合わさった短編集。 どの話も基本的には主人公が地方都市で暮らす女性だ。 で、読み進めるとある人物が共通で出てくることに気づく。 そして、最後まで読んでやっと気付いたが、時間軸としては、過去に戻っていく流れになっている。 私が気付いたのは二つだが、同じエピソードが別の話で出てくる。 もっとちゃんと読めばさらに出てくるかもしれない。 内容は、完全に富山をモデルにしたと思える描写がいくつも出てくる。 雪の降る感じ、ロシア人が歩いているとか、明らかに当時の時代背景を表している。 よくこの本の解説で地方の閉塞感みたいなことが書かれているが、そういうことは自分が住んでいるからか、そこまでは思わなかった。 ただ刺激が少ない、知った顔が周りに多い、と言ったところで、皆都会に憧れるのだという現実がひたすら描かれている。 終わりに行くにつれて、より性的な話題が濃くなってくるが、最初に世間の注目を集めたのは一番最後の短編のようだ。 それがあって、実際にはそこから時を進めたのではないかとも思える。 他の作品も読んでみたくなった。

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2022/06/26

山内マリコさんのエッセイは読んだことあったけど、小説は初めて。 地方に住む女の子たち(男子も時々)が、なんにもない地元の田舎で、つまんなそうに生きている、というか、どこかに向かいたくて、自分の意思で歩きたくてしょうがないのに、どうしたらいいのかわからん!とイライラ、モンモンしてる...

山内マリコさんのエッセイは読んだことあったけど、小説は初めて。 地方に住む女の子たち(男子も時々)が、なんにもない地元の田舎で、つまんなそうに生きている、というか、どこかに向かいたくて、自分の意思で歩きたくてしょうがないのに、どうしたらいいのかわからん!とイライラ、モンモンしてる様子が描かれている。一見退屈そうな話なのに、私も地元のビミョーに田舎に住んでるので、光景が目に浮かんでくるし、著者の山内マリコさんと同世代でもあるので、登場人物たちの時代をまさに生きてきた!こともあり、過去との邂逅では?(そんな大層なことはないけど)と思うくらい懐かしく感じた。 話が現代?から過去にさかのぼっていく展開も面白くて、同じ田舎の町に住む主人公たち(短編の集まりだけど)がそれぞれの視点から見ている様子がより本の中に存在する田舎町をリアルに立体的に浮かび上がらせる。 なんやろ、退屈なんやけど、読んでて楽しかった。 ちなみに、地方の田舎町というと、家の周りは田んぼや山ばっかりを想像されるけど、道路沿いには、マクドナルドもケンタッキーもモスバーガーもあるし、ニトリやゲオやユニクロもあるし、洋服の青山もあれば、ヤマダ電機やジョーシンがあって、、、生活するには困らないくらいお店はある。ただし車がないと不便なことこの上ない! 若い頃は、「こんな田舎~」と思っていたけど、今はこの田舎でのびのび生きることができている、それが幸せだ。

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2022/08/25

『あのこは貴族』でひりついた気持ちを引きずって、手に取った一冊。ロードサイドのまちの中で生きる少女や、かつての少女たち。やっぱり、どことなく身に覚えのある感傷にいたたまれなくなってしまった。 あてもなく都会に期待する気持ち、自分のことかと思った。椎名と、多分私は世代も近しい。当時...

『あのこは貴族』でひりついた気持ちを引きずって、手に取った一冊。ロードサイドのまちの中で生きる少女や、かつての少女たち。やっぱり、どことなく身に覚えのある感傷にいたたまれなくなってしまった。 あてもなく都会に期待する気持ち、自分のことかと思った。椎名と、多分私は世代も近しい。当時のリアルが手にとるように分かる。どこにも行けないけど、連れ出してほしい。それぞれ違うキャラクターなはずなのに、彼女たちひとりひとりの思考に感情移入できてしまった。 全編を通して共通の存在である椎名、こういう人いたなあと思いを馳せる。輝かしい10代のきらめきと、くすぶって、普通の人に落ち着いてしまった現在と。色々な角度で切り取られ表現されていて、この作品群の偶像であったような気がした。 一人称だったり、三人称だったりと視点が変わるのも楽しい。でも、どんな角度で映し出したとしても、「ロードサイドの少女のアンニュイ」は共通していて。やはり分かる、と大きく頷いてしまう、そんな一冊だった。

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2022/04/19

30歳、26歳、23歳…それぞれの歳の、ファミレスで通り過ぎた人は知り合いか確かめる視線、ゲーセンや教習所やスタバくらいしかなく実家で暮らす田舎の閉塞感と孤独。一見バラバラだけど「椎名」という中学生くらいはちょっと人気者だった(でも今はおじさん)男の子が各短編を結んでいることで、...

30歳、26歳、23歳…それぞれの歳の、ファミレスで通り過ぎた人は知り合いか確かめる視線、ゲーセンや教習所やスタバくらいしかなく実家で暮らす田舎の閉塞感と孤独。一見バラバラだけど「椎名」という中学生くらいはちょっと人気者だった(でも今はおじさん)男の子が各短編を結んでいることで、だんだん時代が遡ってることがわかります。でも同じ田舎の閉塞感でも、18歳の女子高生よりも30歳の(都内から)出戻りの女性の方が、「ここは退屈迎えに来て」の息がつまりそうなぬるま湯の閉塞感が強くて読んでて辛い。結局白馬の王子様は来ないから、ずっとこのままなんだろうなと思いました。 「成就しなかった過去の片想いを引っ張り出し、昔のときめきをちびちび舐めて命をつないでいる。若い女の子だけが持つ、恋愛に向けるべき豊富なエネルギーが空焚きされ、時間だけが無為に過ぎていく。」

Posted byブクログ