願いながら、祈りながら の商品レビュー
#読了。北海道の小さな村にある中学校分校に赴任した教師の林と5人の生徒の物語。それぞれ問題や悩みを抱える生徒と、少しづづ向き合う気持ちになっていく林。少し切ない嘘が際立つ。
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最初は正直、「あんまり」だった。 登場人物も少ないのに、いまいち覚えられなくて。 でも読み進めていたら、時系列が被らないように、その説明を先に書くようになっていて、次々ページをめくってた。 最後には、こみ上げてくるものが。 堪えられなかった。
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生徒が5人しかいない中学校に赴任した林。まったくやる気がありません。そのステバチな態度は中学3年生の弥生にすっかり見抜かれていました。 弥生はたった一人の3年生。本校の生徒と一緒に修学旅行に行かなければなりません。孤独を抱えながら自分の進路を真剣に考えます。 4人しかいない1年生は、特別な自分でいたいと霊感がある信じるみなみ、医師になるために勉強に打ち込み、自分を失う学、その姿に寄り添う親友の憲太、みんなを安心させるためには嘘を平気でつく亮介。 小さな限られたコミュニティの中で、自分を見つめながら、それぞれ成長していきます。
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北海道の小さな村にある中学校分校に赴任した教師と 5人の生徒それぞれの物語。 誰もに共感でき、特に女生徒2人のエピソードは痛いほど身近に感じた。 ただひとつ、震災を取り入れずともよかったのでは。 【図書館・初読・9/6読了】
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北海道の田舎の中学校にいる生徒と先生の物語。生徒も先生もどこか屈折していたり悩んでいたり。視点を変えて話が進むので登場人物を色々な角度で見れて面白かった。どの話も「これから」という感じで終わるのでつい次の話が気になって読み進めてしまった。
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いつかを考えられるのは、とても幸せなこと。 色んな人の視点や考えから、同じ物事を感じながら読めたのは、面白かった。普通って物足りなく感じるけど、普通って有難いって思う。
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北海道の田舎にある分校は、来年度には本校と統合されることが決まっている。分校の生徒は、三年生がひとりと一年生が4人。彼らを教えることになった新任教師を含め、5人のかけがえのない一年の物語がつづられます。 …教師のエピソードから始まり、ああなかなかこれは良い話系か、と穏やかに読んで...
北海道の田舎にある分校は、来年度には本校と統合されることが決まっている。分校の生徒は、三年生がひとりと一年生が4人。彼らを教えることになった新任教師を含め、5人のかけがえのない一年の物語がつづられます。 …教師のエピソードから始まり、ああなかなかこれは良い話系か、と穏やかに読んでいたら、三年生の話でキツいエピソードを持ち出し、一年生女子の話でもっと痛々しい話となったので、「ああこんないい話しかありえないシチュエーションでも作者らしい厭らしい話になるのか」と危惧を抱きながら読み進めましたが、最後のほうにはじわりと心が温まるような未来への「願いと祈り」で幕が閉じられたので、どことなくほっとしました。こないだ読んだ作者の作品のバッドエンドっぷりがトラウマだったのでしょうか。 ともかく、女子ふたりのエピソードだけどことなくつらいものを感じましたが、それも彼女らを一歩未来へ前進させるための試練、成長の糧、という側面で見ることはできます。やさしいことだけで作られているわけではない人生を早めに理解できたとも思えるわけで、決してそれらは長い目で見ればマイナスではないのでしょう。そのときは打ちひしがれたとしても。卒業式のときにそう思える彼女らの決意が見えたので、そう思えるのでした。 後半になるにしたがって、「嘘」の意味を深く考えるようになっていきます。彼の嘘は、あくまで、相手を肯定するため、相手を思うがゆえの行為だったのだと気づかされていきます。彼の境遇がなければこういう「嘘」は存在しません。普通嘘は、自分の保身のためにつくものですから。だからかえって彼の人生の重さつらさを感じ取ることができたのでした。 そして、凍てつく寒さのなか、あのかけがえのない風景のなかで彼が感じた感情を、わたしは感じられているのだろうか、などと自問させられました。日々を大切に生きていかなければいけないな、と、いまさらな当たり前なことも思ったりしました。
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生徒がたった5人しかいない、中学校の分校を舞台にした青春連作短編集。 やる気のない新任教師。嘘ばかりつく男子生徒。狭い世界から抜け出したい女子生徒。 それぞれが悩みながら成長していく様子を、語り手を代えていきながらつむいでいく。 なんの悪意も躊躇いもなく、平気で嘘をつく少年。...
生徒がたった5人しかいない、中学校の分校を舞台にした青春連作短編集。 やる気のない新任教師。嘘ばかりつく男子生徒。狭い世界から抜け出したい女子生徒。 それぞれが悩みながら成長していく様子を、語り手を代えていきながらつむいでいく。 なんの悪意も躊躇いもなく、平気で嘘をつく少年。 彼のその真意がわかった時、胸を突かれた。 決して周囲にかまって欲しいが為に嘘を口にするのではなく。ましてや自分の利益やプライドの為でもない。 ただ大切な人達の笑顔が曇る事のないように、その笑顔を守りたいが為につく嘘は、あまりにも切ない。 「いつか」またこの5人が、出会える時がくればいい。 その時は輝くような未来が一緒であって欲しいと、そう思う。 「一年生の教室におかれた五つの机って、カシオペア座みたいだと思いませんか? 進むべき道を知る助けとなる星々だ。」
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田舎の分校。通った経験がないから想像しかできないけど、少ない生徒と先生。かなり濃厚な関係があるんだろうな。 そんな分校を舞台にした物語。 大人になるって、なんなんだろう。 ふと、考えます。
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廃校間近の分校を舞台にした青春小説。心に傷を持った生徒や教師。つらい話もあるが、それでも最後は希望が描かれる。その優しいまなざしに、読んだ後はすがすがしい気持ちになった。
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