長女たち の商品レビュー
母親からみて、長女は分身あるいは自分の身体の一部! また、長女って背負ってるものが重い。あるいは背負わなくてもいいものまで背負ってしまうのか…。 それとは別にミッションでは今の医療のあり方について、普段感じていたことが代弁されていて膝を打った。 健康寿命を伸ばすためにはどうする...
母親からみて、長女は分身あるいは自分の身体の一部! また、長女って背負ってるものが重い。あるいは背負わなくてもいいものまで背負ってしまうのか…。 それとは別にミッションでは今の医療のあり方について、普段感じていたことが代弁されていて膝を打った。 健康寿命を伸ばすためにはどうするかという点に医療関係者は苦心して欲しいし、指導して欲しい。 もう延命治療はいらない。
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家に縛られ、親のいいように使われる長女の苦悩が描かれた三編。 いずれも病気関連の話で、病人をケアするのはもちろん長女である。 長女を自分の所有物のように扱い、厄介事をすべて押しつけ、それが当たり前と思う母。 他の家族とは明らかに違う、母の自分への待遇に不満を募らせるも、 その重い...
家に縛られ、親のいいように使われる長女の苦悩が描かれた三編。 いずれも病気関連の話で、病人をケアするのはもちろん長女である。 長女を自分の所有物のように扱い、厄介事をすべて押しつけ、それが当たり前と思う母。 他の家族とは明らかに違う、母の自分への待遇に不満を募らせるも、 その重い責任感から、見捨てることができない長女。 家庭内という閉じられた空間で、ストレスの捌け口も無く、 先の見えない看護(介護)の不安で我慢が限界を超えたとき、 彼女が下した決断を責めることはできない。 人生の断崖に追いつめられた者の苦しみが、切々と胸に迫りくる。 冴え渡る筆致。さすがは篠田さん。 最後の話で、家族から逃げると決めた主人公に安堵するとともに、 カタルシスを感じた私は、やはり長女です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
独身、中年の長女を主人公にした3篇。 「家守娘」は出戻り(死語?)の長女が痴呆が始まったと思われる母親の介護が軸になった話。 介護のために仕事をやめちゃだめだよー。そんなことしたらおいつめられちゃうよ。でもこのお話の中では結局母親の言うことを聞いていたらいい結果になったんですよね。 次の「ミッション」このお話は長女にかぎったことではないのではないかな? 孤独死してしまった父親に対して、罪悪感を覚え、未開の少数民族の村に医者として赴任するが、受け入れられてもらえない長女。
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長男ではなく、なぜ長女なのか。 長男は可愛がられる存在で、長女は母親と一体のものなのか。 反発しながらも親に縛られる長女たちの姿には、同じ長女として共感せずにはいられない。
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老いること生きることへの固執、その生の終わりを選ぶこと、母と娘の関係を描いた短編三編入り 多くの母娘ものを読んだがこんなに読み終わったあと全身にヒヤリとした汗を感じたのは初めてです。 「ファーストレディ」を読み終えた時は鳥肌がたってしまった。うっすらとした恐怖を感じて。 どう...
老いること生きることへの固執、その生の終わりを選ぶこと、母と娘の関係を描いた短編三編入り 多くの母娘ものを読んだがこんなに読み終わったあと全身にヒヤリとした汗を感じたのは初めてです。 「ファーストレディ」を読み終えた時は鳥肌がたってしまった。うっすらとした恐怖を感じて。 どうして、多くの母親は娘を自分の所有物と考えてしまうのだろう。 。
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【要旨】独身の長女を主人公にした中篇3編。 「家守娘」…痴呆が始まった母のせいで恋人と別れ、仕事も辞めた直美。嫁いだ妹は母は呆けていないという。そんな母にどう対峙していけばいいのか。 「ミッション」…父を孤独死させた悔恨から抜け出せないままヒマラヤの村で医療活動に励む頼子。村人の...
【要旨】独身の長女を主人公にした中篇3編。 「家守娘」…痴呆が始まった母のせいで恋人と別れ、仕事も辞めた直美。嫁いだ妹は母は呆けていないという。そんな母にどう対峙していけばいいのか。 「ミッション」…父を孤独死させた悔恨から抜け出せないままヒマラヤの村で医療活動に励む頼子。村人のためを思って行う医療活動が。 「ファーストレディ」…舅姑が他界した途端解放されたように生活の箍が外れ、甘いものを食べ続け容姿が変わるほど太り糖尿病となった母に、腎臓を差し出すべきか悩む慧子。 篠田さんの小説を読んでいると、いったい何が正しいのか、価値観が2転3転と覆され判らなくなっていく。そこが面白い。 個人的には「ミッション」が一番好きだった。 その国、その村、その民族には、みなそれぞれの幸せがある。価値観の違い。なるほどなぁ、と。
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◆家守娘・・・離婚歴がある40代の島村直美は、認知症の始まった母親の介護をしながら仕事を続けてきたが、恋人にも振られ、次第にそれも難しくなり、辞めざるをえなくなる。そんな時、付き添っていった病院で、身の上を理解してくれる男性と出会ったのだが…。 ◆ミッション・・・頼子は、母の最期...
◆家守娘・・・離婚歴がある40代の島村直美は、認知症の始まった母親の介護をしながら仕事を続けてきたが、恋人にも振られ、次第にそれも難しくなり、辞めざるをえなくなる。そんな時、付き添っていった病院で、身の上を理解してくれる男性と出会ったのだが…。 ◆ミッション・・・頼子は、母の最期を看取ってくれた園田医師を尊敬し、自らも医師となって、彼が命を落とした日本から6000キロも離れたヒマラヤの麓の村にやってきた。 ◆ファーストレディ・・・姑を看取って以来生活が乱れに乱れ、ついには重度の糖尿病を患ってしまった母親に代わり、医者である父のファーストレディを務めている慧子。娘の言うことは全く聞かず不摂生な生活を続け、ついに病状は透析や移植が必要な状態になってしまったのだが・・・。 上記3編の中編を収録。いずれも掲載時より大幅改稿あり。どの話も独身の長女が主役だが、話は繋がっていない。自分もこの立場であるがゆえなのかもしれないが、読んだ後に気分が重くなってしまった感じは否めない。でもこれが、このままいけば確実に現実。うわー。 ◆家守娘・・・リアル感な感じは残しつつ、小説としてストーリーに意外性があって楽しめたのはこれ。まさかそんな結末だとは。結果論としてはよかったわけで、これによって主人公も1つ何かを乗り越えるわけだけれど、ハッピーエンド・・・といえるのかどうかは謎。 ◆ファーストレディ・・・長女としての使命と、生理的な嫌悪感の狭間で揺れ動く主人公が、なんともいえずリアル。父親や弟に止めるのを押し切ってまで自分の長女としての責務を果たそうとしていた主人公が、母親の「あんたのだったらいいよ(もらうよ)」というたった一言にひっかかり、考えが180度変わってしまう心情の描写。やっぱりすごいわこの人。
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自分も長女なので興味深く読みました。 どこの家庭にも何かしらあるんだろうけど、母を苦手としている私にはなんともいえない後味の本です。
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一時帰国中、図書館に予約して読むことができた本。 「家守娘」、「ミッション」、「ファーストレディ」の3編。 私自身、長女ということもあり、身につまされることも・・・
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2014.7.23。いろいろな形の介護が書かれていた。二作目のミッションは少し意外なストーリー。インドの僻地の村で女医が直面した危機に、医療について非常に考えさせられた。
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