抱擁、あるいはライスには塩を(下) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
キャラが魅力的で切ないけど温かい気持ちになる作品でした。 特に好きだったのは、光一と涼子、桐叔父と睦月卯月のエピソード。 切ないが印象的なのが、菊ちゃんと豊さん。 菊ちゃんと豊さんが離婚した時は、やっぱりそうなったなと思った。私には、2人の関係は豊さんが駆け落ちを選ばなかった時点で変わってしまったように感じていたから。 野村さんと睦月の関係も良かった。 母親の菊ちゃんは気付かなかったけど、睦月は野村さんの秘蔵っ子だったんだよね。
Posted by
「かわいそうなアレクセイエフ」 「みじめなニジンスキー」 2000年夏 からの 1969年夏の構成は泣けた!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あとがきで考察されていたタイトルについて、 「愛、あるいは自由」はまさしくこの小説を表していると思う。 それぞれの視点で描かれる各時代の物語が紡がれて、未来に続いていく構成が私を楽しませてくれた。 彼らのような高貴な暮らしとは程遠い自分が、 彼らの暮らしや生き方をかっこいいと思った。 考えていることを言葉にして口から伝えることや、(いわゆる西洋風な)身体的コミュニケーションを図ること、自分に素直で居ることで得られるものは貴重。
Posted by
世間一般とは隔たりのある柳島一家の歴史小説。 『世間』というものを経験していくことで、自分達の生活が異質だと気付き変化していったり、逆に適応できなかったりと様々な視点で描かれており、世間一般という基準に関して考えさせられました。 恋愛に関しては自由思想であり、嫉妬や恨みのようなネ...
世間一般とは隔たりのある柳島一家の歴史小説。 『世間』というものを経験していくことで、自分達の生活が異質だと気付き変化していったり、逆に適応できなかったりと様々な視点で描かれており、世間一般という基準に関して考えさせられました。 恋愛に関しては自由思想であり、嫉妬や恨みのようなネガティブな感情がないところに、もう少しそういう感情があってもいいのでは?と期待してしまう部分もありました。ただ、直接的ではないけれど、情景描写からその人物の感情が見えるような箇所があり、さすが江國さんだと感じました。 久しぶりの江國さん作品でしたが、とても読み心地が良く、穏やかな読書時間を過ごせました。
Posted by
失恋後9作品目 あぁ読み終わってしまった…。時代を行き来し、それぞれのキャラクターの立場で語られる柳島一家の物語が終わってしまった。どの章も面白く、ただ後半に向かってどうしても離別が出て来てしまい涙が溢れた。独特の世界観でほわっとした文体。ひらがなと漢字の混ざり合いが絶妙。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
江國香織の作品の中で一番好きかも。上流階級の話なのだが、キャラクター設定がうまい。特に桐叔父はすごい。主人公の一生を描いているが、どこかノスタルジックで切ない寂しさを感じた。物語の中で出てきた、聞いたこともないイタリア?料理を食べたくなった。オッソブッコ リドヴォーなど。
Posted by
ふんわり優しくて、匂いや色や手触りまでが伝わってくる文章 ある三世代の家族の物語、私もその家にいて、会話に参加して、家族の一員みたいに時の流れを感じていました。 読み終わると家族と離れてしまうみたいで寂しくなるほどでした
Posted by
ちょっと浮世離れした 風変りな家族を描いたお話です。 一般的な常識とはかけ離れた家族で、 普通なら泥沼のような状況になるのでしょうが、 本作では比較的穏やかな家族の日々が綴られています。 でもそれは、登場人物たちの品の良さと 寛容さから受ける印象であって、 もしかするとその大らか...
ちょっと浮世離れした 風変りな家族を描いたお話です。 一般的な常識とはかけ離れた家族で、 普通なら泥沼のような状況になるのでしょうが、 本作では比較的穏やかな家族の日々が綴られています。 でもそれは、登場人物たちの品の良さと 寛容さから受ける印象であって、 もしかするとその大らかさは彼ら彼女らの 諦念によるものかもしれません。 理想的な家庭のようにも思えますが、 一人ひとりの寂しさや孤独感を 行間からうかがい知ることができます。 子供であった者が父になり、母になり、 やがて祖父となり、祖母となって、 ひとり去り、ふたり去り、世代交代が繰り返される・・・。 世界は若い人たちのためにあるのだということ、 人生は過去の想い出で成り立っているということ、 そして、どのように恵まれた状況にあっても、 ひとはやっぱり孤独なのだということを感じました。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
Posted by
いろいろな形の家族、に加えていろいろな恋愛があるのだなと感じた。これに関してはそれが自分の身の回りに起きた時許容できるか、受け入れられるかわからないけれど、少なくとも当事者にはベストな形があってそれを求めているのだなと思った。 核家族の私の家で3人が2人になるのと、大きなお屋敷に...
いろいろな形の家族、に加えていろいろな恋愛があるのだなと感じた。これに関してはそれが自分の身の回りに起きた時許容できるか、受け入れられるかわからないけれど、少なくとも当事者にはベストな形があってそれを求めているのだなと思った。 核家族の私の家で3人が2人になるのと、大きなお屋敷に住む大家族からだんだん成長して子供が外に出ていくのはまた違って、寂しさが増していくのをひしひしと感じて物語の後半は寂しさを覚えた。
Posted by
家族のかたちは変わっていく。愛を求めて去る者、永遠の旅に出かける者。同じ家に住んでいても、外に出ればみな各々の人生を生きている。神谷町のこの洋館のなかだけがずっと時間が止まったままなのだと思った。耳打ちされる愛と自由の秘密を、私はひとつも忘れたくない。 「かわいそうなアレクセイ...
家族のかたちは変わっていく。愛を求めて去る者、永遠の旅に出かける者。同じ家に住んでいても、外に出ればみな各々の人生を生きている。神谷町のこの洋館のなかだけがずっと時間が止まったままなのだと思った。耳打ちされる愛と自由の秘密を、私はひとつも忘れたくない。 「かわいそうなアレクセイエフ」 「みじめなニジンスキー」
Posted by